嬰児すり替えをした高松をかばう訳じゃないんですが。もしシンタローを高松が育て、グンマをマジックが育てていたら、子供達は2人とも無事ではなかったと思います。2少年の出生に立ち会ったのは若い高松医師だったとして、ジャンにそっくりな男の子を高松が愛せたかというと疑問です。黒髪黒い瞳であるのは兎も角、秘石眼でもない。故ルーザー様を崇拝し、愛していたとも言える高松とすると、全く、一つもルーザー様に似ていない男の子を好きになれたのか。
「氷点」ではないのですから、そんなハードル高い育児をあえてする事はないでしょう。もっとも、ジャンに似ている以上シンタローはそんな繊細な少年じゃないだろうとも思いますが。たまたま富豪の家に生まれたからえばりん坊になっただけで。
マジックにしてもサファイア色の両秘石眼、絹糸の様な金髪、初雪の様に白い肌を持って生まれたグンマに一応の納得は見せても、元来女の子の様に小柄で華奢、依存的なグンマをどう思ったか。
泣いてばかりで秘石眼から怪光線どころか、父が怖くて、自分の置かれている環境が恐ろしくて本当に少女の様に泣いてばかりいるだろうグンマに、マジックが手を上げてしまったらやっぱりグンマもただじゃ済まないでしょう(※いやグンマなので適応して図太く生きるかも)。「ジャンにそっくり」で男の子らしいシンタローだから、マジックも溺愛できたのかも。
そして高松も「出来そこないのバカ息子」と言わないまでも思っていたとしてもグンマを愛せたのは、やっぱりルーザー様の血縁だったからでしょう。理系知識を叩き込もうと思ってもメカ作りに逃避するわ、シンタローと競わせてやる気を出さそうと思っても子供の喧嘩で終わるわと面倒なグンマでしたが、ルーザーの甥には違いありません。
欲を言うなら南国アニメで、マジックとシンタローの様に高松とグンマが本当の親子の様に口喧嘩でもする所を見てみたかったです。高松の場合グンマが「そんな事一人で出来る」とか言うと「誰がお前の面倒みてやっていると思っているんだ」等よりも、「やっと自立心の片鱗がグンマ様に。でもちょっと寂しい」とか思って屈折しそうです。
高松とキンちゃんなら、親子みたいな口喧嘩していそうな不思議。科学系の仕事でガッツリ話せる相手同士なので勢いそんな感じになるんでしょうか。あとグンマだと高松にそこまでの親近を求めないだろうけれど、キンちゃんは高松の憎まれ口の奥にあるものを聞き出せるんじゃないかなと思いました。
高松はルーザー様はもちろんの事、グンマにも基本的に「好きになってとまでは言えないけどせめて嫌われたくない」「何でもするからお側に置いてほしい」という、自分で自分をあえて矯正している部分が大きいです。「そんなのどうでもいい」と、優しいけど短気なキンちゃんなら思うのかなと。
(でもルーザー様もグンマも、高松の本音みたいな物は理解していたと思う。「貴方が好き」「貴方の側にいたい」というコアな部分を。理解はあっても高松の思い通りにならない事も沢山あるだろうから、高松が「どうせ伝わらない、伝わっていない」とすねていただけで。)
高松はキンちゃんに対しては好き過ぎて、「例え嫌われても憎まれてもこれだけは私がキンタロー様に」と珍しく果敢に思ったり、行動したり出来るのかもしれません。
(何だかんだいってイチャイチャしだした高松とキンちゃん。本人達にとっては科学への崇高な好奇心に由来した真剣な論戦なのだと思うけど、ハタから見れば「ルーザー様の再来だけど亡父と違ってちょっと思いやりがありそうな雰囲気のキンタロー様と、キンタロー様に言わずもがなメロメロなドクター」でしかない。ちなみにこの2人がガンマ団の頭脳ナンバーワン&ナンバーツー。理系ってアレだよねという都市伝説そのものペア。)
92年のNHKアニメ「ヤダモン」を見直しています。お話はほとんど記憶していて、ロマンアルバム、小説、アニメブック、漫画と読んでいるので当時から漏れはなかったと思いますが、見直すと叫びたくなる程好きな作品の一つです。サントラが素晴らしいです。
近年の全く個人的な欲求として。ヤダモンでは山崎たくみさんが複数キャラ演じているので、数えるだけでも興奮します。たくみさんなので一つの作品内で複数演じられる事は珍しくありませんが、多分ロマンアルバムのコメントで「皆キャラ名が一つでいいなあ」とおっしゃっていました。
複数演じてもエンディングに出て来ない場合があるので、たまに劇中で見つけるとおおっとなります。例を挙げるとリックとリック父が同じ回で両方たくみさんです。絵がシンプルなアニメだけに、声の演技がビシバシ分かる作品だと思います。後ポストロボットも確かたくみさんで、全話見ればまだあるでしょう。ハンナ父もたくみさんですし。(既にこの段階で4役) |
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