幾原監督の「輪るピングドラム」を見ています。どういう話が少し調べただけでは分からなかったのでレンタルしたのですが、今3話まで見て、やっぱり難しいと思いました。絵は可愛くて綺麗ですし、幾原監督らしい香りも濃いですが、やはり最後まで見ないとと言う所でしょうか。気のせいか、セーラームーンR、Sを思い出しました。幾原監督を知った作品だからですが、「輪る」も踏襲している部分があるかなと思います。武内直子先生的な香りのないセーラームーンって、意外とシニカルなので。
武内直子先生というと、漫画のキャラがことごとくセレブです。うさぎや美奈子は庶民に近いキャラのはずですが、性格が軽めなだけで生活はセレブです。恐らく無意識に持っている自分の南国&PAPUWAの青の一族の脳内イメージは、天王はるかや海王みちるの様な生活なんだろうなと思います。
(しかし南国&PAPUWAが基本ナンセンスな単発ギャグ漫画であり、いまいち劇中で叫ばれている程彼等がナチュラルなセレブとして描写されないために、青の一族は劇中で「ギャグな金持ち」になっている。
キンちゃんの性格は清らかでまっすぐな御曹司系で間違いないと思うけど、勤勉な養育担当者の影響なのか「働かざる者食うべからず」という意識があるらしい。しかし高松は「働き方」だけ教えて、「食い方(遊び方)」をキンちゃんに教えていかなかった。自分がサボリ魔でルール無用な学生だったからか。
多分一生懸命に課題や研修に取り組むキンちゃんの側にはいつも高松がいて、何か仕上がったりすると用意していたご褒美(?)とかくれたんだろう。又は適宜休憩を挟むとか。「遊び」まで高松に用意してもらうなんてシン・グンが知れば爆笑ものだろうけど、高松を遠ざけると自分の休養するタイミングが計れなくて迷いそうなキンタロー。
高松はキンちゃんの今後を思って熱い指導をしたと思うけど、基本ギャグなセレブ一団の青の一族で生真面目なキンちゃんはかえって浮かないだろうか。同年代のミヤギ、トットリ達は素で優雅な部分があるので、逆に彼等の方がシンタローと気が合いそう。
甥の働きで死ぬまで遊んで暮らすつもりの美貌の叔父がいるなんて、キンちゃんが思い至りませんように。サビの中では自分を傷つけたルーザーの息子なんてそんな扱いだと思うが。)
南国&PAPUWA雑感です。青の一族はシステム上、(マジックの代までは?)乳幼児がいても女性の配偶者も乳母もいない家庭らしく、著しくイクメン世代を先取りしたような独身のお医者が御曹司達のお世話にまかり通ってもいいらしいです。
(そう書くとああそうかと思うのだけど、異様に背景のない肩書や能力、特異体質等が林立している作品なので、まだ実質4歳のキンちゃんが総帥の右腕になっている事と同じ様に、「育児」もリアルなものを取材やイメージして劇中に存在しているとは思っていない。記号的な感じかなあ。高松だけは何があっても御曹司達のイクメンをやり遂げそうな気がしないでもないけど)
その独身のお医者は感受性が異様に強いので、本気で「私はルーザー様に出会って生まれ変わった」とか思っていそうだなと思います。それくらいの気合がないと、個性が強く庶民とは程遠いお人であるルーザー様の側に居続ける事は出来ないでしょうし、本人が嬉々としてそう感じているのならいいと思います。高松のそういう所、ハレもマジックも、もちろんルーザー様も突っ込まないと思います。サビは高松の自分と接点のない面には興味なさそうです。
でもキンちゃんだけは気にする様な気がします、高松の故郷とか。しゃべる言葉はルーザー様のためにか、綺麗な英語(例えるならマイフェアレディ)でしょうし、振る舞いはこれまたルーザー様に追いつこうと努力した結果なのかマッドサイエンティストめいていても、キンちゃんにはそれが普段の高松で、無邪気に「お前の父親も医者だったのか?」とか聞いてきそうだなあと。
リアルな南国&PAPUWAの24〜28歳キンちゃんも世話してくれる高松にそんな事尋ねそうですし、勝手に妄想する小さなキンちゃんも、勉強部屋に貼った世界地図を指しながら、家庭教師をしている高松に「この国がお前の来た国なんだな」と言いそうです。高松へのキンちゃんからの愛情表現です。高松にすると、自分に関して他人から注目して欲しいのは「ルーザー様の様な科学者」である顔なので、そんな無垢なキンちゃんの言葉は照れくさいと思います。肩肘張って小難しい仕事に挑んで随分な年月になったでしょうが、ふと、優しい気持ちになれる時かなと思います。
恋とかでなくても、好きな人や世話してくれる人の事ってそんな風に耳にいれたくなるものじゃないかなと思います。高松の場合、怒られても困るからルーザー様にプライベートの事を聞くことはしないでしょうが、ルザ様からは高松学生鞄に発信機くらい付けられていそうな不思議。 |
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