谷崎の短編に「小さな王国」というのがあります。舞台はG県M市で、群馬県前橋市と思われます。千代夫人の出身地だったからでしょうか。谷崎程地理に自分の思いをぶつけた作家は少ないと思います。自分も及ばすながら地理にそんな態度を取る時があります。
後年谷崎は京都や大阪を愛好して名作を生み出していますが、どこか異性を愛する時の様な余所余所しさを感じます。東京を舞台にした小説でもナイーブというより身内に対するような冷たさがあるので、谷崎は自分のモチーフを追う事に熱心で、実際の市区町村にはそんなに興味がなかったのでしょう。
谷崎は前橋を舞台にして、東京から流れてきた教師一家が崩壊していく様子を書いています。谷崎には珍しく、近代化していく時代への批判を嗜好面ではなく経済面から書いています。群馬県民とすればこの時代は生糸の生産で群馬が日本を代表していたという自負にあふれる頃でして、富岡には今も製糸場があります。谷崎の様な文豪には、当時の前橋市はロマンチックな田舎町に映ったのでしょうが県民には批判どころではなく誇れる時代でありました。
南国&PAPUWAの雑感です。キンタローが南国後に高松と学課や研修に挑んでる姿なら、無駄に厚い本が描けそうと思いますが読み返して納得できるかどうかが不安です。チラッと、「キンタロー様頑張る」的なコマがあるなら兎も角、延々だとどうなんでしょう。PAPUWA劇中でもキンタローは異様に高いスペックと肩書、高貴な血を持ちながら最後には半熟なギャグキャラになりました。高松なんて「彼は助っ人」と思って読まないと辛いくらいの出番。
■ハレから見たら大抵のガンマ団員は優等生だと思うが、キンちゃんも叔父に「優等生」と言われている。ルザ様似ならハレの起こすゴタゴタなんて「うるさい黙れ」という対応なんだろうが、あくまで「仲裁」という態度に出たのは高松の指導の方だと思う。 ■シンタロー総帥の補佐を勤めているらしいキンちゃんだが、シンタローには伊達衆の方がノリが合ってる気がした。南国の様なアホなテンションで漫画が描かれれば、キンちゃん置いていかれそう。伊達衆にも、一族の団欒にも、マッドサイエンティストとの語らいにも参加できるグンマは恐ろしいキャラだと思う。
■自分は山間の温泉地に住んでいて、群馬に住んでいる有り難さとを普段忘れているのだけど、「群馬県はルーザー様がキンちゃんの母として選んだ女性の出身県である可能性が強い」と思うと感涙にむせぶ。ルザ様と該当女性の直接の接点は無いと思うけど、何らかの手続きに高松を同伴させて群馬に来た事があるとか。
高松はルザ様が「僕は父親になると思う」と言ったら、辛そうな顔で「どうかお幸せに。そして私にお暇を下さい」と言うと思う。小一時間ルザ様から青の一族の不可解なシステムを説明されて、自分が生まれてくる坊っちゃんの側にいられる事を知るとか。群馬には名湯もいい温泉旅館も多いので、2人で話し合うというかルザ様が誤解してジタバタする高松を捕まえておく場所くらい幾らでもある。
■ルザ高妄想は以下続刊。息子のキンちゃんも場所は道後か金比羅温泉かもしれないけど、シンタローやグンマに見つかると面倒という理由で、高松と温泉地で会っていそう。本人は周囲に内緒で隠居中の高松に会いに行っているつもりだが、行くたびに綺麗に散髪してもらっていたり、伸び放題だった眉とか、荒れ気味だった肌とか整えて帰ってくるのでバレバレ。よく眠ったり、栄養を考えてもらったり、マッサージもしてもらったのかツヤツヤになって帰ってくるキンちゃん。
仕事面でも本来重要機密事項のものが、何故か帰還後に進展を見せるので、老獪な誰かに知恵を借りに行ったという事もバレバレ。ついでに若干楽しそうに帰ってくるので始末が悪い。早くお父様の様に堂々と高松を連れて歩けるくらいになればいいのに。
■学生時代のルザ高を妄想すると、多分高松はルザ様が得意だったらしいフェンシングやその他運動を、そうはしていないと思う。本人が体を動かすのが嫌いと言うし、手から炎や風を起こせる面々とスポーツなんて実際大変過ぎる。ルザ高的にはルザ様が「高松の書いた論文や研究を他人が目にするのは我慢できるけど、のびやかに動く高松の四肢なんて他人に見られれば減りそうで嫌だ。」とう趣旨を持っている事もあると思う。
コタじゃないけど美少年の自覚と自負を持って生きるサビは手足が傷つきそうな事は好まないし、日焼けも肌荒れしそうな事もしなそう。高松は根が庶民なので勤勉な面もあり、体を大事にしない時があるのでルザ様は心配でたまらないと思う。
もし高松が「ルーザー様は何がお気に召さないのだろう」と疑問に思ったら。「お前が僕の目の届く場所で大人しくしないからだ」とルザ様は言いたいのかもしれない。そういうのはDVの域だと思うんだが、ルザ様なので高松に試行錯誤した結果得た思いだろうと思う。 |
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