■谷崎の「盲目物語」を読んでいます。法師が小谷の方、お市の話をする小説です。活発で近代的な物語は自分は苦手で、こういうお話の方が痒い所に手が届いて好きです。封建的な感覚、強く美しいものに「仕える」喜びってありだと思います。(谷崎を読んでいると某医者みたいな喜悦の持ち主がチラチラいて安心する。) ■新聞で土地の価格が発表されていました。グンマとトットリの県庁所在地が最下位争いしていました。グンマは前橋じゃなくて高崎で土地の価格を見れば、高松市並、全国で中くらいになるのにと毎年思います。高崎の方が土地が高いので。いろんなランキングで最下位争いしている群馬。
独断と偏見のサビ、高松、キンちゃんの雑感です。
■高松は自分が青の一族でない事をよく分っている。 ■高松が昏睡中のコタに可能な限り医療を施し、仮に無事コタが目覚めたとしてもそれが当然であったろうし、コタにとっては「お目付け」の様に、お茶の飲みながら携帯いじりつつ(ファミレスにいそうな人・・・)訓練に付き合ったサビ叔父さんの方がはるかに身近。 ■南国序盤でシンタローに「コタローは日本にいる」と示唆したのは高松だが、シンタローは自分で「コタローは日本にいる」と調べたと思っている。高松が嬰児すり替えしなければシンタローはガンマ団総帥にならなかった訳だが、触れられない事実。 ■グンマを成人まで育て、コタローの様な暴走をさせずに養育したのは高松だが、大人になったグンマの心の中に恐らく高松はいない。養育係をいつまでも慕うようでは、養育係の手落ちだと思うのでそれでいいんだ。 ■高松はマジックに忠実に四半世紀仕えたが、当たり前だがそういう団員は高松の他にもいるだろうし、ルーザー様の代わりに何か特別な仕事が出来た所で、高松がルーザー様になれるわけではない。マジックなので「君はルーザーの様だね」とくすぐって高松を動かすくらいはしたかな。
■ルーザー様の行動を色々考えると、「ずっと身近に置いていた高松が僕に巻き込まれないで生きながらえる方法」を最期まで、南国終盤で蘇った時も彼は考えていたと思う。激戦地に行く前にルーザー様が高松に「一緒に死のう」とは言わなかっただろうし(言われれば高松はそうしかねない)、「僕は兄さんともめて死ななければいけないけど、まだ死にたくなんかない」ともし高松に言えば、高松は非力な癖に何かして、マジックに殺されたと思う。
贔屓の引き倒しだけど南国終盤でも、ルーザー様が高松に攻撃しなければ、高松は眼魔砲も撃てない癖にあんな危険な一団の側にいて死んでしまったかもしれない。高松を知り尽くし、ガンマ団を知り尽くし、兄の行動を読み切った上で、ルーザー様はルーザー様なりの(高松に対する)最善の策を取ったと思っている。兄、ハレ、サビは一族だし、性格を思うとそこまでルザ様が考えなくとも生きながらえるけど、高松(とキンちゃん)は生前も亡くなった後もルーザー様に守られねば生きていけなかった。
ルーザー様は劇中通りに「サビを発狂寸前まで愛し、ブラコン一直線。サビの恋人を半ば嫉妬で殺してしまった事を悔やみながら自死していった」と思うのが正答だと思うけどなんか嫌。高松とするとと言うか竹淵とすると、ルーザー様にはジャンを殺した事を後悔して欲しくない。ジャンを殺して自責の念にかられなかったとまでは言わないけれど、ジャン以外にもルーザー様が殺してきた大勢の「誰かの大事な人」はいたのだから。
ルーザー様にも肉親以外の「僕の大事な人」が出来て、何となく自分のしてきた事に対し、ガンマ団及び青の一族という大きな枠の中で疑問を感じていた矢先の、サビの自傷だったのでは。
サビはルーザー様を「優しいブラコン兄さん」または「ジャンを殺したから大嫌い」という感覚でしか見てないと思う。マジックとハレはもう少しルーザーを分かっていたかのかも。分かっていてもハレにはどうにもならないし、マジックも自分の覇道を、一族でもなんてもない香川出身の子をルーザーが得て何か思ったくらいで、曲げてあげる気なんてなかっただろう。
ルーザー様が置いて行った一族郎党、と言っても二人きりだけど、キンちゃんと高松はルーザー様に対し十分な愛情を感じていいと思う。サビみたいに大金持ちな生活や、たっぷりとした自分の時間、周囲からの絶大な崇拝なんて求めないでいいから、自分達は父から愛されていたと思って欲しい。 |
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