存命中のルザ様と10代高松に、大人のキンちゃんが出会ったらという、先日からの独断と偏見による妄想を書きます。
高松というキャラは特性ある容貌、態度、シンタロー世代との年齢差と、自ら醸し出しているマッドサイエンティストぶりで目くらましされているだけで、意外とシンプルなキャラだと思います。ルザ様もキャラの攻撃性が強調されているけれど、何もなければ平凡な部分もあると思っています。キンちゃんは本人申告は多かれど見たまま素直なお坊ちゃんかなと。
■出会い頭に熱っぽく手を握られたので、キンちゃんへの警戒心が解けない高松。キンちゃんが青の一族の一員である事は高松にも分るのだけど、彼が言う「自分の父親はルーザー」というあたりから警戒心と無意識の「嫉妬」を抱く。 ■2人でにらみ合っていても仕方ないので、定刻通りルザ様のいる研究所へ行く高松と、付いてくるキンちゃん。父の夭折を回避する事がキンちゃんの願いだが、父を熱心に慕う高松に対し「あと一年しない内に俺とお前は父と死別する」と言えば益々信じてもらえないだろうと思うキンちゃん。
■高松はキンちゃんを無視してルザ様の手伝いを始めようとするが、キンちゃんの不可解な説明に耳を傾けるルザ様。「僕はこんな仕事だからいつかはお前の言う通りに死ぬのだと思う。でもガンマ団の一員として兄さんのために死ねるならいいと思う。」と言うルザ様。達観しているというより、自分自身の幸福を諦めきった様なルザ様の反応を悲しむ高松とキンちゃん。 ■キンちゃんがルザ様の息子なのかという点については、ブツブツ言う高松を余所に、サッと遺伝子を調べて「お前は僕の息子だね。未来のガンマ団はタイムマシンでも開発したのかな」と言うルザ様。高松が退学届と辞表と、「探さないで下さい」と書置きを作り出したので、シュレッダーのスイッチを入れながら、「それでお前に勉強を教えたり、体の心配をしてくれるのは誰なんだい」とキンちゃんに聞くルザ様。
■キンちゃんの答えに赤くなる高松と、「高松、お前がこんな場所にいながらそんな反応してくれるのは嬉しいけど、そろそろ僕を信じて欲しい。僕の未来の息子は、お前のお蔭でいい子に育っているみたいだしね。」というルザ様。
ルザ様は善悪の判断がつかないんじゃなくて、幼い頃から父と兄とガンマ団、それに弟達の事を一番に考える様になっていただけだと思う。マジックは「ルーザーは自分に従って当然」と思っているから(ルザ様以外の人間に対してもマジックはそうだけど)、ルザ様が思い通りに動かない場合、「善悪の判断がつかない男」とルザ様を「否定する」のかなと。
南国&PAPUWAのキンちゃんとルザ様は、キンちゃんの方が身体年齢が最初から上です。ドラゴンボールの未来トランクスとベジータを思い出しましたが、年齢は未来トランクスの方が若かったんだよなと。そういえばトランクスって未来トラでもブウ編トラでも「尻尾」の描写が無かったような。同じ「ほぼ会った事のない父子」でも、トラとベジータは描写があれこれあっていいなと思いました。ブルマとちびトラが怪我しそうになる場面で未来トラが助けて、本気でベジータに怒る場面が好きです。他、意外といい場面が多いんです。
南国&PAPUWAも父子関係、兄弟関係に軸をきちんと置いて描けばよかったのにと思います。ナンセンスギャグで駆け出さないと描けないだろう原作者である事は薄々思いますが、基本的に「人間関係」で物語を動かす気はなかったんだろうなと思います。あるインタビューでも、単なるドタバタが描きたかったくらいの感覚でPAPUWAを描いていた様な事をおっしゃっていましたし。
マジックが加害者の様であり被害者の様にも見えるのは、その辺の軸足の無さからかなと思います。(原作者的にルーザー様は徹頭徹尾加害者扱いなんだろうか。)サビが堂々ニートで甥達の稼ぎで豪華な暮らしを送り、「恋人」と地に足のつかない関係を持ち、旧友の大事な人達を滅茶苦茶にするあたりが原作者の思う「人間関係」の理想なんでしょうか。 |
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