手当たり次第谷崎を読んでいます。「盲目物語」「蘆刈」「夢の浮橋」「吉野葛」「少将滋幹の母」等続け様に読んだら頭がクラクラしました。「春琴抄」になると一対一の人間関係の緊張があってやや露骨ではなくなりますが、「蘆刈」のあたりでは気持ち強引で、誠実さとは程遠い願望が濃いです。普通の男女を普通に書いたのではつまらないでしょうが、ここまで独自の願望を独自のまま書き綴って、ちょっとだけ現実味を加えて世の中に何作も出した谷崎はすごい人です。似ているとも言えるテーマで、かぶらず良作が続けて書けるのがプロなのかなと。
谷崎ではありませんが、南国&PAPUWAのグンマは、ドクター高松が「亡くなった恩人の忘れ形見として自分を愛してくれる」のなら多少高松が難ありな男でも我慢もし、高松に好意や感謝の念を持ち得たと思います。
でも高松はグンマに対し、「愛した人の息子から離れたくないけどジャンに似ていて直接愛せない。だから愛らしく青の一族らしい容貌でもあるグンマの子守になり、始終ルーザーの息子であるシンタローの様子を伺いながらマジックのご機嫌を見つつ、ガンマ団&マジック等の側にいる口実にグンマを使った」とも言えます。マジックはそんな悪知恵働かさなくとも、高松を側においたでしょうに。
それくらいならグンマは高松との思い出を優先させて耐えたとしても、南国後今度は高松ってば。「最愛の人の最愛の息子と出会ってしまった。自分に懐いてくれた。ジャンに似てないし、素直で可愛く、しかも男の子らしくガンマ団幹部として育てれば羽ばたきそうな英才。こんな子の側にいられたら嬉しいので、子守をしていたグンマとキンタローが親しくなれば、自分も自然にキンタローの側にいられてラッキー」と思ったかどうか。
グンマの行動はただ一つ。「僕達もう一人で何でも出来るから」と、これまた自然に高松とキンちゃんを引き離す事に成功します。シンタローも数少ない身内のグンマが高松を慕うようなら、こんな男でも邪険にはしにくいでしょうが、グンマの気持ちが定まったのなら、コタも目覚めない事ですし、高松を辞職に追い込むくらいはしたでしょう。
父か母の様に溺愛してくれる優しい高松がいなくなって当惑するのはキンちゃん一人なので、時々そっと隠居先を訪ねていそう。「隠れて逢うのもいいですね」とか懲りずに言いだす四十路と、高松大好きなキンちゃん。朝食は高松といればうどん。
最近新聞で「教員の不祥事」の記事を読んだんですが。二次元といえ、養護教諭兼学課も担当していたらしい南国&PAPUWAのドクター高松について「何故南国後隠居したんだろう」と言うよりも、「当時よっぽどマジックが高松に甘かったんだな」と思います。士官学校のグンマと同年代の被害者達が最前線に来たのだから、当然の辞職?でしょう。
高松のために弁護すると、高松だから被害者達の声が上に通ったのであって、マジック・ルザ様・ハレ・サビ(ジャン含む)・コタ・シンタロー・グンマ・ミツヤ等の被害者達の声は確実に黙殺されだろうと思います。キンちゃんも一族ですが、「キンちゃんの被害者」ってのはちょっと想像できません。「グンマの被害者」ならメカの爆発・暴走等の巻き込みで多数いると思います。
高松って何の研究をしているんだろうと思いました。あの根菜達「股んGO」君は研究対象というよりも高松の道具じゃないだろうかと思います。常に「高松の研究室」の背景には股んGO君がいるので、改良を図っているというよりも、培養しているだけなのかなと。
股んGO君達は南国アニメのバイオホウセンカの様に、高松の言葉が分って、「棚からファイルを取って来なさい」くらいなら出来るんじゃないかと思います。一定の知能があって、多忙な高松の手足になっているのかもしれません。高松自身は、シンタロー捜索のためのレーダーや、ブラッディスの開発、医療全般に取り組んでいて、高松の足元には高松の膝くらいまでの身の丈の根菜達が行ったり来たりしているんじゃないでしょうか。ビーカーとか、スパナとか持って。
生きていたルザ様、小さいキンタロー坊っちゃんと、お屋敷でセバスチャン状態の高松を妄想していて、「高松は悪魔じゃないから屋敷中の管理までは無理だろう」と思い、股んGO君達が窓ガラス磨きや洗濯、掃除、草刈など基本的な家事をこなしているんじゃないだろうかと妄想をたくましくしました。ルザ様は便利なので股んGO君達の御主人になるだろうし、キンちゃんは奇妙な植物達と友達になっていそうです。ただし、従兄のグンマから気味悪がられそうです。 |
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