今更ですがなんでコタをPAPUWAで迎えに行ったシンタローは、グンマを同行させたなかったのかなと思いました。アニメではグンマも行きたそうな雰囲気でした。総帥のお出かけとなれば大勢人間が動くので、補佐官としてキンちゃんはついて行きますが。南国後半のキリッとしたグンマが持続されていればなと思いました。(※グンマが「留守番」役だったとは思えない)
でもシンタローらしいとも思いました。キンちゃんなら連れて行っても働きますが、グンマが来ると、高松がいないと面倒みきれないくらいゴタゴタするのは予想できます。「高松がいないと」という時点で、グンマが3、4年の間総帥の仕事から遠いところにいた事が想像できます。南国と変わらない暮らしです。目付だった高松がいなくて父がマジックとなれば、究極のボンボン暮らし。
シンタローが高松をどう評価していたかは謎ですが、「ドクターがいないとグンマの面倒が見きれない」という感じはあったと思います。キンちゃんは高松のカンペ見てでも補佐官をやり遂げようとするでしょうけれど。グンマは高松を遠ざけて「これで僕は一人前の青の一族(確かに立派な青の一族だ)」と思った事もあったでしょうが、結局高松とセットで周囲から見られていて、「高松がいない」となれば、自然、多忙な総帥&総帥補佐官から距離も出来るでしょう。グンマは何がしたかったのか。
キンちゃんも、出生後半年くらいはシンタローに馴染まなかったかもしれません。馴染まない理由は、今まで「自分」だったものが「自分」じゃなくて、マジックに可愛がってもらっていた懐かしい記憶は、本来自分のものという訳でもない困惑です。そういうモヤモヤを押し込める器用さはあんまりないキンちゃんなので、落ち着くまでは大変だったでしょう、高松が。
グンマには封印し続けていた、ルーザー様との思い出話をしてあげたり、シンタローになくてキンタローにある特徴や能力を見出し、引き出す事で高松はキンちゃんの居場所を一緒に作ったのではと思います。キンちゃんの感傷的な面も見てしまう事になっても、「我慢なさい」と言える強さがそういう時の高松にはあると思います。
「父親からの愛」を十分受けているシンタローが羨ましくてならないキンちゃんの気持ちが、次第に「俺も父や高松から愛されている」と思えて穏やかになったのではと思います。シンタローと争う事以外で居場所を見つけられたのは本当によかったです。(反抗心なんて持てる程キンちゃんは大人じゃないと思うんだがどうだろう)
グンマについてです。
■何故総帥にならなかったというより、そういう世俗からいつの間にか切り離された子なんだろうかと思いました。誰かの厚意で、実父、叔父達、兄弟、級友、先生等のいない生活を送っていた気がするグンマですが、そういう宙ぶらりんな生活って、高松の願望の様な気がします。「私には貴方しかいません」という態度の生活。
「友達」が欲しいと思えば友達を求め(アラシヤマ)、「父の愛」が欲しいと思えば愛を奪う偽者と激突し(白シンタロー時のキンちゃん)、「恩人の姿」が見たいと思えば似た様な容貌の男達から離れない(高松)のが、パプワ世界だと思いますが、グンマの場合、そういう俗っぽい喜びを求めていない気がします。ロボは純然な趣味でしょう。グンマは立場上ガンマ団のトップ集団の一員なので「給料が欲しい」とも「ナンバーワンになりたい」という欲求とも無縁(なのかな)。
■高松はグンマが送って来た様な静かな生活を願望している一方で、というか性格上孤立してでも己を突き通しかねない男なので、「友達も家族も私にはいりません、貴方さえ心の中にいれば」という態度を取るのは自由だと思いますが、グンマを自分の世界観の巻き添えにするのはどうなんでしょう。グンマにもアニメなら部下のイバラギがいるので、そんなにひたすらつまらない生活だったとも思えませんが。(張り合いの少ない生活だなとは思ってしまいます)
■高松の場合、「ルーザー様がいないなら私はもう何もいりません」という態度の割に、どことなくマジックとハレから身内に準じた雰囲気で接せられています。本人は認めないと思いますが、高松は周囲から相当甘くされていたと思います。医師としてガンマ団の仕事を頑張っていた高松ですが、心の中は「ルーザー様の後任である」自覚が全てだったと思います。グンマが高松の世界観に入り込む隙ってあったんでしょうか。
グンマは世界でたった一人、自分を気にかけてくれる高松を好きなろうとして、高松のいびつで夢見がちな世界観に付き合ったのかもしれません。高松なら小娘の様な恋心と、世俗的な欲望を自然に合致させて生きられますが、グンマでは難しかったと思います。キンちゃんってグンマには初めての分り合えそうな「友人」で、高松には安直な言葉ですが「全て」です。 |
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