南国のテレビアニメについての雑感です。基本コミックスにのっとって、素晴らしい脚色でお茶の間を沸せ、今に至るまで笑いと親愛で視聴者を包んでくれるアニメだったと思います。そうなると続編を希望する思いもあります。しかし。
■シンタローが愛していた弟のコタローは幻だった。愛し合っていた時期もあっただろうけど、幽閉によってコタローはシンタローを忘れてしまい、不安と恐怖と人間不信に陥っている。南国でコタが救われる場面がない。(アラシヤマも中学生くらいの頃一年くらい閉じ込められたけど、ある種の人懐っこさを失っていなかったのは、マーカーとの信頼関係あってか。雑な養護教諭兼クラス担任でごめん、アラシヤマ。)
■コミックス後半はジャンサビ等男カップル群の話であって、お茶の間に流すのに向かないのでは。サビの女王様ぶりが加速している。素直にイトウ君やタンノ君の楽しいギャグを期待していた子供達にアンダーグラウンドを突き付けるようで躊躇される。苦しんでいる子供を結果的に放って置いて、成人男性同士が公然とイチャイチャしている漫画。
(彼等は成人男性というより、大きな子供達といっていい。何故か母性に目覚めた医者がいるけど。・・・テレビアニメでグンマのはれた鼻先をなめようとする高松がOKだった理由はなんだ。高松ならいいのか、そうか。)
というあたりが当時のゴールデンのテレビアニメ向きではないと思います。昨今の深夜枠としても、濃いけど「薄味」でしょう。物語が随所で破たんしていますし。シンタローとキンタローのバトルとか見たかったですが。(でもあの時点ではシンタローはキンちゃんに興味ないし、キンちゃんは戦いが好きという訳ではなく、シンタローをどかしてマジックに愛されたかっただけだしなあ。あんまり少年ものっぽくない。)
ここはセーラームーンの様に、「原作と全く違ったキャラ、人間関係、物話、ラスボス等を用意し、原作は原作で愛され、アニメはアニメで受け入れられる二択にする」のはいかがでしょう。セーラームーンはアニメも漫画も支持されていますが、両者は基本的な部分以外は結構かけ離れています。(マーズの例が有名だけど、主人公のうさぎも相当別人だと思う。)
セーラームーン方式の場合十分な尺と、アニメと漫画の連携プレイ、徹底したチームワークなどがいるのでしょう。マーケティングも重要でしょうし。南国の場合時間帯こそセーラームーンとほぼ同じでしたが、アニメの脚色が神過ぎる印象です。もし続編があるなら一度コミックスから離れて、テレビでもオリジナルでもアニメとして自由にシンタローやパプワが動ければよかったのにと思いました。アニメで十分自由に楽しく動いていた気もしますが、セーラームーン位原作とぶっ飛んで違ったアニメとして続編作ってもよかったのではと思いました。 |
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