南国を想定されていだろう、赤と青の秘石の対決の話だと仮定してみて。
■高松は赤青のどっちだろうと思う。ヨッパライダーやジャンより秘石の思考が読めるらしいので、どちらについてもおかしくないけど、高い能力の割に、サビの様な「引手あまた」にならない事は本人もよく承知していると思う。
■グンマが青の一族であるのに、シンタローやパプワの側にいるので、子守の高松も赤に見えるけど、高松はグンマに自分の知っている事や本当の目的を決して話さないので、立ち位置はグンマ=高松にはならないと思う。
■なら高松はなんなのかというと、「24年前からキンちゃんの味方」に他ならなくて。キンちゃんがマジックの長子として認められる余地があるのならそれを密かに祝い、キンちゃんが「マジックの長子」である事を不幸に思うのなら、キンちゃんのために真相を告白する高松。
■見事なまでにキンちゃん(ルーザー様)一択の思考回路なので、グンマが怪我した自分を案じているのに不思議そうな顔まで浮かべていた(そのうちグンマも高松がどういう男なのかジワジワ分かると思うので、高グンの最後の幸福な一瞬だったかも)。
■アスというか青の秘石のためにルーザー様が蘇った時、好きな人の姿だというのに、高松のあの慌てよう。照れとか恥ずかしいとか申し訳ないという以前に、多分高松はこの24年間何回も「ルーザー様はもういない」と自分に言い聞かせてきたんだと思う。遺体もなかったし。遺族ではないので法要には参加したりしなかっただろうし。グンマをルーザー様の息子に仕上げる気も実はなく、生前のルーザー様の思い出は自分一人で繰り返し味わっていたんだろうと思う。
■高松が昔キンちゃんとグンマをすり替えたと蘇ったルーザー様が知った時、ルーザー様は高松の気持ちも大体分かったと思う。総帥の捨て駒の様に死んだ父の様にさせたくなかったんだって。高松の自意識の低さを思うと、「私が育てるのがルーザー様の遺児の幸福につながる」と思っていなかっただろう事も含めて、なんとなく高松の思いを理解したルーザー様(かな)。
■でも「出生」したキンちゃんは、マジックやハレ、コタと面識があっても他人の高松がお母さんの様に大好きなわけで。高松が手を上げられて、キンちゃんが怒った事が何よりの証拠だったのでは。怪我して痛いけど、腑に落ちた顔した高松が嬉しそうに見えてしまう。
■高松に都合よく考えれば。
■マジックは高松を買っているし、高松に甘いし。ハレとサビに高松は一族以外のたった一人の友人であるし、ルーザー様も高松が思う以上に高松を大切にしていたと思う。グンマも南国では高松が好きだし、キンちゃんも高松を慕っている。高松は何をすねる事があるんだと思うけど、そんなソフトな空気を吹き飛ばすくらいのイザコザをシンタローと抱える羽目になった高松が気の毒だ。(コタの主治医って回復してもしなくても難しい立場だ)
■いやでも。
■上記の「ソフトな空気」はむしろジャンの方が濃く、高松は青の一族を誰も殺していないが、ジャンはルーザー様を死に追いやった癖に、サビの恋人兼「何故か」科学者として、高松と同じくらいの待遇をガンマ団からさっさと得ている。キン・グンも「高松とは雰囲気の違う気さくなおっさん、ジャンがいるとサビも機嫌がいい」という事で、早々にジャンとフレンドリーに。
高松のイライラが手に取る様に分かる。30年くらいガンマ団に奉仕した自分と、ジャンが同じかそれ以上の待遇なんて。唯一高松の気持ちが分りそうなハレも、サビの機嫌がいいと釣られてしまうだろうし。そりゃあすねる。秘石だの生物だの、ジャンは彼の得意な分野に閉じ込めて、高松は知らんぷりしたいだろう。
高松のイライラをキンちゃんは「いつものスネ癖」と思うか、「幹部の俺が至らないから高松を追い込んだ」と思うかは分からないけど、キンちゃんは出ていく高松を追っかけるくらしか出来ないかも。
竹淵 |
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