■南国&PAPUWA、カミヨミ、スクランブル!、ケエル、すずめちゃんを読みながら、自分は何を求めているんだろうと思いました。南国アニメ放映時自分はオタクになりつつある頃でした。お小遣いでアニメ雑誌を買うのが楽しみでした。高校の頃買っていたファンロードに南国&PAPUWAの原作者の連載があったり、顔写真が載っていたり、「人気作家と編集者のお食事会」みたいな記事もありました。20年くらい前に読んだそんな記憶を、今こそ明確にしたかったのかもしれません。当時はお金が無かったので「DVDを買う」「コミックスを全巻買う」なんて夢のまた夢でした。
同時に自分はシンプルなものも好きで、南国の世界に惹かれるものがありました。読み返すとこの原作者の漫画は例えるなら、関羽・張飛のいない「三国志」の様だなと思いました。「信頼感あふれる人間関係」「努力するに足る目的」「魅力的な人物達の颯爽たる名場面」「成長していく若武者と指導する年長者」・・・等が一切欠けて、ひたすら生首が飛んで、庶民が苦しむだけの「三国志」ってあり得ませんが。
関羽張飛クラスのキャラ(サビやシン等)はいつも口だけで、趙雲(キン、高松、ルザ様等)だけが100人分くらい働く漫画に見えます。
■ミツヤはマジックの友達だそうですが、友達ってなんだろうと。ご飯作ってくれて、健康管理してくれて、家族の世話までしてくれて。仕事のフォローはもちろん、絶対の敬愛と忠誠をあり得ないくらい誓って、自分には報酬らしい報酬はなくていいって友達ですか。マジックの現在の地位はミツヤ(とルーザー様)の所業故ですが、マジックは「ミツヤは余計な事をした」と言わんばかりです。
友達なら、自分とは別の視点から意見してくれたり、自分一人じゃ分からないような世界を交換し合えるんじゃないだろうかと思いますが。マジックはガンマ団の勢力の確立・拡大以外に関心なかったですし。ミツヤが見せたのは友情じゃなくて追従って言う気がします。
■高松の偉い所は、自分のジャンやマジックへの憎しみを年少者に見せなかった所だと思います。もしルーザー様の死後にキンちゃんと高松だけ残されて、父は純粋な戦死ではなく、兄と弟と赤の一族の痴話喧嘩の末に、「お前がいつもしている様にジャンを暗殺すれば、サービスは諦めがつくし、赤の一族の驚異も去るんだ」と兄に言われ、ジャンを暗殺したものの、ところがどっこいサビは錯乱するわ、マジックは自分の痴情の後始末する気ゼロだわで、父は口封じの様に戦場に行かされたなんて、高松が小さいキンちゃんに言えば大変です。素直な子ですから、キンちゃんが伯父やサビ叔父をよく思うはずがありません。マジックと上手くいかなければ、今度はマジックにキンちゃんが見殺しにされてしまいます。
ルーザー様を父だと長い事思っていたグンマも同様で、「もう憎いジャンは死に、ルーザー様も帰ってこない」という諦めと、自分が接する年少者への影響を考えて、高松は子供達に黙っていたのでしょう。
■もし冬コミで本を出したら。今年は春コミ・夏インテ・スパークでも本を出しているので、フォーシーズン高松になります(そういう名前のホテルがありそう)。寒さや暑さくらいしか、あまり四季を意識した本にはしていませんが、もし生きておられたルーザー様とキンちゃんと、高松が一緒に四季を過ごす事があったなら、存分に楽しんでいそうです。
(昔は「マジックは愛妻家なのでは」という仮定があった。四季を楽しむのはやはり家族でという事になる。シンタローそっくりの黒髪の日本人女性とコタロー、マジック、シンタローとの温かい時間とか絶賛仮説した。平凡な幸せが欲しい。テレビアニメ南国四季の楽しみ方はそう思わせるに足るが現実は(略)。
ルーザー様もマジックに近い家族観じゃないだろうか。キンちゃんに欧米式に早くから子供部屋を与えて自立心を養わせるか、日本風に三人川の字で寝るか、高松と意見が割れそう。高松程確固とした個性ある主婦なら前者を選びそうなものだけど、後者っぽい。ルーザー様が息子に嫉妬しそう。ルザ高のみの時期が短いんだが、そりゃ生まれたキンちゃんのせいじゃなくて、せっかちなルーザー様のせいだ。
ルザ高を目指しつつ、2人がもう子持ちである事実。高松は飛び級・繰り上げ卒業・学生&格差結婚・早めに育児開始・十代で医師免許取得というジェットコースター人生になるが、少女漫画的でいいと思う。従兄のグンマにはプロのハウスキーパーや一流の家庭教師が就くのだろうけど、たまにルーザー叔父さんの家に遊びに来ていそう。グンマは分かっていて、「ルーザー叔父様はいい部下をお持ちなんだね」とキンちゃんに言って、家庭に波風立てそう。) |
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