テレビアニメ南国の放映当時、テレ朝見ながら「マジック様に従いたい」とか思った様な気がします。「いいおっさん達がギャグに走る職場って何なん」という思いもあったんでしょうが、子供ながら、速水さんのお声をいいと思ったのでしょう。南国の声優さんは田中さんを筆頭に素晴らしい方達ばかりでした。PAPUWAも大盤振る舞いのキャストです。
ルーザー様は塩沢さんですが、綺麗な声あり、ギャグの声ありと幅の広い方なので、妄想の幅も広がります。イメージは魔法騎士レイアース第二部の海ちゃんのパパです。パパ役と言えば幼い頃見た「ハーイあっこでーす」のジュンちゃんも塩沢さんです。育児期の一般家庭を描いたのアニメなので「お父さん」が言いそうなセリフを、ジュンイチの時の塩沢さんの声で脳内再生する事が可能です。
いわゆる「普通の若いお父さん」の時の塩沢さんのセリフは想像出来ても、ルザ高とキンちゃんの光景にコピペしていいものやらと思います。小さいキンちゃんの声は伊藤さんや森川さんでなく、女性声優さんになろうかという感じで(イメージは川島千代子さん)、若い高松は山崎さんのままだろうと思います。若いたくみさん(レイアースのフェリオの声のイメージ)と、少年役の女性声優さんのコンビは比較的想像しやすいですが、そこに「お父さん」としてのルーザー様(CV塩沢さん)って、非現実的なムードに満ちていていいと思います。
若い高松が熱心にキンタロー坊ちゃまのお世話をする横で、高松を息子に奪われた格好になったルーザー様が、塩沢さんの声ですねたら可愛いと思います。「お前はキンタローは僕の息子だから可愛いと言うが、ならお前にとって僕はキンタローより可愛いという事か」的なニュアンスですねられたら。好きな男が自分に甘えてくるって、最高に幸せか、幻滅の一途かの瀬戸際ですが、南国本編で駄々をこねるキンちゃんにルーザー様を見出した高松ですから、全然OKでしょう。
(そういう高松の色んな姿が見たくて、キンちゃんをもうける事をルーザー様は決めたような気すらする。表向きは「僕の子供を将来兄さんの子の補佐にあてる」とか言って。兄弟は「へえそうなんだ」と言って、テンションが上がりがちな次男家に誰も突っ込まなそう。「ルーザーは兎も角、高松がいれば何とかなるだろう」という温かい放置。)
マジックの話でした。
■マジック四兄弟は兄弟と言うより、マジックが父で他3人の息子のイメージだと思います。ライオンパパは半ば育児放棄、ルーザー様、ハレ、サビにはマジックが父の様だったと思います。ならルーザー様は長男気質かというとそうでもなく、上にはマジックがいるし、下にはハレとサビという面倒くさい立場です。ハレにとってはマジックは父で、兄と言えば怖くとも意地悪であっても、ルーザー人だったのでは。
サビは誰が父でも皆に気を使わせる末っ子には違いありません。兄の金だろうが、父の金だろうが、甥達の稼ぎだろうが、恋人の実績だろうが、「友達」の汗水たらした成果だろうが、かまわずに吸い込んでいそう。
■マジックが3人の兄でなく、意識の中で父であるならどういう事になるかというと。ハレ・サビの成人で「父」としての役目を一度終えたマジックがシンタローを得た時、シンタローを子供と思えるかどうかが変わります。マジックのシンタローへの溺愛は嫡男へのものと言うよりも、愛する女性への態度の様に思えるんです。マジックのシンタローの愛し方は、唐の玄宗が楊貴妃の食べるレイシのために南から馬を走らせた様な、無茶ぶりに近いです。
■マジックとシンタローが二人っきりでそんな甘い生活を楽しんでいるんならいいんですが。彼等の周りには団員もいれば親類もいます。団員とサビ達はマジックとシンタローに距離を置く事が可能ですが、モロに影響を受けたコタがかわいそうです。シンタローがコタを愛するのは、マジックにはシンタローの不貞に他ならなかったでしょう。シンタローもマジックに愛される事は出来ても、力の差があり過ぎて家出するくらいしか不満をアピール出来ません。
■マジックとシンタローの関係が父子ではなく、中身、恋愛関係だと言うのは実に厄介です。愛する男の方はいつも不安で、息子だと言うのに突き放す事も、話し合う事もままならず、やっぱり「女性」にどんな無理をしてでも甘いレイシを与えてしまうから。
南国の見せ場だったはずの「父子対決」と「コタの救出」は、マジックとシンタローの蜜月を原作者が壊す事が出来なかったので、実りませんでした。その代打でルーザー様が急遽召喚され、高松に怪我させ、キンちゃんに父殺しをさせた結果になりました。ルーザー様がキンちゃんや高松に自分の様な暗い人生を歩ませたくなかったと思うならしかるべき展開なんですが、「ガンマ団」という、父がくれたレイシ食い放題なシンタローが何とも。 |
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