スパークは東3ユ34a パプワスペースでお待ちしております。高松新刊がございますので、よろしければお立ち寄りください。関東の最果て、グンマから上京するので気合だけは毎回あります。東4うの20番台のスペースではミラクル☆トレインのプチオンリーもあります。遠隔参加ですが、そちらも楽しみでなりません。
谷崎の鮫人を読み終えました。中断されたままの小説ですが、読んでいてこれは中断されるだろうなと薄々思いました。人物達の「暗中模索」の場面が余りに長いからです。鮫人にはバルザックの影響があると言われていまして、自分が読んだ事のある「谷間のゆり」「ゴリオ爺さん」と比べてみました。「普通の家庭愛」というのは幻想なのだろうかと思わせる所は似ているかもしれません。鮫人の林真珠や服部のそれからが気になりますが、谷崎の構想の中だけのものなら、もう手が届きません。
高松も「普通の家庭愛」から遠い男ですが、普通の幸せを否定しているわけではなく、「自分には縁がない」と思っているだけなのが切ないなあと思います。産婦人科や小児科の心得もある高松なら、患者達が祝福やお見舞いを受ける所も見て来たと思いますし、彼は女性達の幸福を否定する気はなかったと思います。
だからジャンの顔で生まれたキンちゃんに「お父さん」を与えたいと思いすり替えてマジックに預け、本来の姿に戻ったキンちゃんには、シンタロー達と仲良くして欲しいと願ったのでしょう。キンちゃんが「俺はお前がいればいい」と言えば本気で怒りそうですし、ルーザー様から割と真剣に求愛されれば、真面目な顔で「貴方にはふさわしい女性がいるはずです」と一度ならず拒みそうです。
高松を好きになった人は苦労しそうです。指輪なんて贈っても診察の邪魔だといってしなそう。一族の掟をかたにして「この子の子守になって欲しい」と言い渡すか、新総帥の捜索に事寄せて隠居先から呼び帰す事くらいしか。最後の手段でお前がいないと胸が苦しいとか甘えれば何とかなるかも。 |
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