■高松に都合のいい事を書きます。高松がルーザー様に頂いたネクタイピン(アクアマリン?の石付き)って、ゼクシィで毎月実話が読めるだろう、「サムシングブルー」ですか(書いてて恥ずかしい)。挙式の時に「何か古いもの」「何か新しいもの」「何か借りたもの」「何か青いもの」を身に着けると幸福になるというアレですか。現在のブライダルイベントの始まりは英国のビクトリア女王&アルバート公の婚姻から始まっているので、英国貴紳たるルーザー様に抜かりはありません(妄想です)。
ルーザー様がそういう思いで準備し、高松に意図が伝わったとしたら、「私では貴方にふさわしくありません」と、高松は貧血起こして目を覚まさないと思います。世にいうシンデレラストーリーって、「もともと高貴な生まれの女性が一時的に不遇になり、男性との出会いで元のセレブ暮らしに戻る」ものだと思うので、庶民がお姫様になるのは難しいというお話なのかも。
自分の思いを高松に強いると高松を殺す事になるので、可愛い紳士にネクタイピンを贈る事にしたルーザー様。イバラならぬバイオウェポンで囲まれた眠り姫高松も悪くないですが、貴顕紳士として育てた方が高松が生き生きしてくる事が分ったので、渋々「思い通り」にならない方を選らんだとか。(若い高松が懸命にお仕えしているのに何をルーザー様は気に食わないんだと思ったが、ルーザー様なりに高松を大事にしている部分は、こんな妄想でなくとも色々あったと思う。)
なんていう珍奇な事件が過去起きたとしても、恋愛面ではトンチンカンな高松とキンちゃんでは、四半世紀経っても気が付かないでしょう。宝石好きなコタだけがタイピンの意味を見抜いて、物理は出来ても話題の少ない従兄のキンタロー兄ちゃんに、「プレゼントの意味くらい分かれば」と言い、その日は医務室は休診、開発課は臨時休業になるくらいの上に下にの大騒ぎになればいいと思います。
(興奮しやすい高松が自分で自分の腕に鎮静剤打とうとする騒ぎになって、高松を見守っていたはずのキンちゃんにも興奮が移って収拾がつかなそう。「だから父さんは高松への贈り物を障りなさそうな物にしたんだ」と納得するキンタロー様。高松の扱いに関して大事なのは、お気遣いプラス、善悪の判断以上に難しい彼の適不適の「見極め」では。ダーツが得意なルーザー様なら出来そう?)
■ルーザー様の扱いについて考えていました。作者がマジシンに熱くなった結果、悪玉がいなくなった上に、「子供が親を越える」展開が望めなくなったから、「子供に倒されるべき父」として、急遽出てきたんだろうなと思います。なのでルーザー様は「冷血漢」「殺人鬼」「好戦的」「黒幕」「主犯」の立場でもあり、「父」の立場でもあります。南国ではひたすら汚れ役のルーザー様ですが、PAPUWAでも同じような扱いです。
覇王として目覚めた若いマジックに対し、「でも本当はマジックはいい子なの」という主張を劇中でされるために、殺人鬼であるミツヤ、新キャラのミツヤだけでは話が盛り上がらないので、ルーザー様も「哀れむべきマジックの悲劇」の下手人として回想シーンに出てきます。ミツヤの回想なので嘘が混じっている可能性もありますが、マジックが否定していないので真相に近いのでしょう。
「家族のために他人を殺す」だけであり、「覇王になる」という目的さえなかった、ある意味純粋過ぎるルーザー様を「下手人」呼ばわりするのは嫌です。さらに困惑するのは、青の一族の「元気玉」のシーンでのルーザー様です。竹淵と高松としては「ルーザー様が成仏出来たみたいで安心した」と言う場面ですが、「冷血漢」「殺人鬼」の描写をされた割に、浮かべる表情は普通の「若いお父さん」の顔です。
ルーザー様なら幽霊の様に息子の正面に立つのではなく、「家族と頑張っているキンタロー」を、ミツヤかライオンパパの陰からそっと見ているくらいでよかったと思います。そんな描写が出来る尺もなければ、「取り合えず出しとけ」くらいの雰囲気しか感じないので、そう願うだけですが。幽霊でもいいから高松がルーザー様と出会う展開は脳内だけにしますから、せめてルーザー様らしく登場してほしかったです。(でも出てきてくれて嬉しい。魂が行くところに行けて安心した。)
■南国&PAPUWAについて考えていました。両作品とも物語はシンプルだったはずです。南国は「悪の組織から秘宝を奪い、弟と世界を救う兄の話」、PAPUWAは「これから幸せになるはずのコタローの話」だったと思います。それがいつの間にか、南国の感想は「何組男性カップルが誕生したんだ」、PAPUWAの感想は「コタは一人で大きくなり、大人達も元の木阿弥っぽい」に最後にはなります。(他の感想をお持ちの方にはすみません)
男性カップルが何組出来ようとも、野郎ばかり集まった結果収拾がつかず破壊的な行動ばかりしている事も、いいんです。ですが、物語の中心はいつだって小さいコタローではなかったかと思わないではいられません。コタローを救った上でなら、パワフルな美しい叔父さんが実はニートだったとか、獅子舞が部下に惚れ込んでいたとか明かされても悔しくありません。
(高松が男性カップル誕生の嵐に際しても、放置どころか大事にしていたグンマからすら避けられるという事は、もう気にしない。脳内補完する。)
カミヨミを読むと作者が劇中の不幸なキャラを救う事はまずないという事が分かるので、コタローの苦しみも、「作者の考えた不幸の標本」の様なものなんだろうなと思います。また、アスやジャンなど生粋の番人やソージなら兎も角、家族も故郷もある普通の男の子だったリキッドが、不老不死になる孤独こそ、「不幸」ではと思いますが劇中でノーリアクションなのが怖いです。 |
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