madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2013年11月09日 の日記 ......
■ K   [ NO. 2013110901-1 ]
こころの先生とKと私についてです。一見、静を巡る先生とKの恋愛問題の小説ですが、ならば何故先生は望み通り静を得た後、何年経っても不幸のどん底の様の気分でいたのか説明できません。以下は先生のエゴぶりと、エゴそのものの高松についてです。

先に高松の方を少し書きます。これから高松本を描きます。(※本編に即したキン高と、パラレルを含んだルザ高。ルーザー家は小さいキンちゃんが「共稼ぎ」という言葉を覚える様なお家。奇異な家だけど、「人間何に生まれたかじゃなくて、何をなしたかで価値が決まる」という考え方を小さいキンちゃんが学べばいいと思う。)

こころの先生と高松に共通しているのは、「貴方は私などといてもつまらないでしょう」という空気を出している所だと思います。先生は「相手に親しさを求めても去られた時寂しいから我慢する」と言い、高松は一時的にはキン・グンの側にいようとしても、最後にはサビやマジックという一族に子供達を返そうとします。

そういうデレのないツンを発されると困るのは身近な人で、先生の妻の静は内心先生にキレています。キンちゃんも頑固な高松にキレながら自分が折れる様にしています。(先生は妻を困らせる無自覚のツンだけど、高松にツンの自覚はあるんだろうか。えげつなくて小汚い高松も好きだが)

ルーザー様も、もし高松がサビの如く着飾らせておけば機嫌よくしていてくれるのなら、高松に対してもそうしたでしょう。でも(ある傾向の)美貌と生まれでは高松はサビに負けていますので、嫌がってコルセットより白衣を身に着けるでしょう。高松は「何の価値もない自分が好きな人といるには彼の道具となって働くしか」と思っていそうですが、そこまで悲劇ぶるのを許してくれる程、好きな人からちゃんと大事にされている事実には無頓着そう。というか高松が「私は道具でいい」とか思いつめるのって、ルーザー様もキンちゃんも望んでいないのでは。




先生の名言「貴方は寂しいから異性と抱き合う前に、同性の私の所に来た」について考えました。先生の言葉通り、私は先生を慕った後に先生の妻と結婚しています。Kも友人であった先生との「生活」よりも静との結婚を望みました。先生にすれば生涯に二度、「同性に近寄られて、結局彼に女に走られて捨てられた」事になります。(孤高を貫こうとしたKを無理に同居させたのは先生なんだが、自分のわがままは意識しない先生)

先生はKが自分との「生活」よりも、静との未来を希望した時、浮気された様な感じだったのでしょう。静と結婚しても夫たりえなかったのは、先生にとって静が「恋敵」だったからだと思います。そんなこと夢にも思わない静は先生とKの墓参をしようと申し出ますが、先生は拒みます。

先生が私の出現によって、「愛するKの墓」と「Kが愛した女性・静」を私に引き取ってもらう事を考えだします。結婚しているのだから自分の息子に大事なものを渡す方が自然ですが、先生は「自分と静の子供」を求めていません。自分と静が結ばれれば、Kへの浮気になっちゃうから(本当にこういう話)。



「こころ」は小説の性質上、「私から見た生前の先生」「先生から見た生前のK」が大半です。回想がほとんどなので、「自分は彼の事をこう思っている」思いが強く出ています。私が先生に対し、本当の親以上の親しみを持っていて、今静と幸福に暮らしているだろう事が読み取れます。

恐ろしいのは「先生が見たK」です。「男らしい」「潔い」「強い」「割といい男」「努力家」と絶賛した上に、先生はKの細かい癖やしぐさを事細かに記憶しています。「こんなに熱心にKの事を見つめて暮らしていたのか」と思うと、先生にはKが友達なんかじゃなかった事を思い知らされます。

そんな男性的なKを自分の金で生活させて、Kに取り返しのつかない恥をかかせていた事を先生は気が付かなかったのでしょうか。Kは親の金で気儘に暮らす先生が憎かったでしょう。でも先生を責めたりしなかったので、Kは先生を友達と遇してたのでしょう。先生の財産って叔父にだまし取られたとか云いますが、先生とKが卒業まで勉強できて、先生と静が働かないで暮らしていけるくらいの額なので、結構巨額だったんじゃないだろうかと思います。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: