madeingermany

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...... 2013年11月10日 の日記 ......
■ 荷風   [ NO. 2013111001-1 ]
冬コミ用の原稿を描き出しました。小説部分は数十枚書き溜めてあるので項をふって、誤字脱字を確認するだけです(内容の如何はある意味放置、ルーザー様は「若いお父さん」)。漫画部分はこれから描きます。昔は漫画だけの本を出していたのですが、近年「小説と漫画」にしたら、本の項数の調整が利きやすくなりました。昔漫画だけで70項くらい描いていましたが、描いても描いても漫画は上手くならず、肝心の「本を作る楽しさ」にまで影響して悩みました。(黄金聖衣は描いても描いても達成感を得にくいものだと知った。)

小説が楽だとは思いませんが、「ルーザーは研究室を出て行こうとする高松を、普段通りのそ知らぬ顔で見送ろうかどうしようか迷い、結局彼の手首をつかんで出ていくのを止めさせた。高松は引き止められるのを待っていたかのように足取りを緩め、ルーザーに照れた顔を見せた。」と書くと、漫画では1項くらい使うと思いますが、小説だと数行で収まります。

情緒的なコマを描ける方を羨ましく思います。(情緒って花とか可愛いトーン以上に何かある気がする。見えない合理性みたいなの。情緒を求めて原稿を花で一杯にした事があったけど、描いたのがそもそも花で一杯の双魚宮や教皇の間あたりでよかった。高松も花で埋め尽くしてもいいキャラだけど、股んGO君は花を付けるのだろうか。・・・真面目な話「高松と花」はルーザー様の葬儀を想像してしまい描けない。)



南国&PAPUWAで立ち位置が変わりやすいキャラにマジックがいます。鬼の様な総帥で間違いないと思うのですが、団員にカレーを振る舞ったり、マジックの代にガンマ団が著しく拡大した様にも読めるので、人望もある様です。高圧的なキャラは柴田亜美作品に珍しくないのですが、マジックはテレビアニメのせいか比較的キャラの背景が出来上がっている方のキャラだと思います。

恐怖政治はミツヤ譲り、慈悲の姿勢はライオンパパ似なのでしょうか。「何か事が起きると周囲のせいにする」というのも柴田亜美作品のキャラによくある事なので、マジックが「善悪の判断が出来ないルーザーが悪い」「ミツヤに迷惑をかけられた」「父の早死にが想定外だった」「弟達の世話で手一杯だった」「コタローの能力が手におえない」「団員が役に立たない」「シンちゃんが悪いんだよ」と言ったとしても、気になりません。

むしろ、周囲の人間達の言動を把握しているんだなと思います。高松に対しても、高松は認めないと思いますが大甘だったと思います。これまた高松は認めないと思いますが、長い間「高松とグンマ」はルーザーの忘れ形見だったのでしょう。またまた高松は認めなくとも、ルーザー様にはマジックの捨て駒になる事と、妻と息子を守って散る事は同一に近い事だったのでしょう。

生前のルーザー様に対し、マジックは多少遠慮していたんだろうなと思います。根拠はないですが、ガンマ団の技術面でのルーザー様の貢献度を思うと肉親として以上に存在感はあったでしょうし、自分と同時期に「息子」をもうけようとしたあたり、気持ちの上ではルーザー様とマジックは対等に近かったのかもしれません。ルーザー様はマジックを敬いつつも、「僕には高松がいる」と自慢気にしていた気もします。




大学生の頃荷風を読んで今も読んでいます。生真面目な文章も書く人ですが、思いを淡々と語る随筆も魅力的です。荷風で面白いのは小説以上に荷風自身かもしれません。小説も沢山書いていますが、ほとんど公娼、私娼の話になるので荷風でなかったらさばけないネタばかりです。フランスの小説を読むと公娼、私娼の話がよく出てくるので荷風も影響されたのでしょうか。

荷風は二度結婚し、二度離婚しています。ハンサムでお金持ち、高学歴、家系も堂々としたものなのでお嫁さん候補は多かったでしょうが、荷風自身の理由で別れています。しかし戦前の家庭で「パン食、ホット・チョコレート、コーヒー」の生活をしているって、それからの代助の兄家族か、やはり金持ちの生活じゃないだろうかと思います。漱石の猫で「貴方がパンとジャムを召し上がるから家計が苦しい」と細君が言っています。

荷風は「生活が芸術」とか言っているので、生涯の大半を独身貴族でいてくれて良かったのだと思います。病気をしても医者嫌いですし、疎開先での破天荒な暮らしも荷風の顔なので、荷風の「妻」なんてなった女性は大変だったでしょう。

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