■荷風が随筆で「共感できないと取材しても書けない」と言っていて、自分だけじゃないんだなと思いました。 ■PAPUWAに違和感があったんですが。ハレの「三億円」が嘘くさいという点です。戦闘機乗り逃げして三億じゃ足らないだろうと(それとも他勢力でハレはバイトしていたのか)。ファンタジー漫画なので適当でいいのかもしれませんが、軍事ネタは嘘らしさがありありと分かるので目立ちます。
■先に書いていて楽しい事を書きます。南国&PAPUWAのシンタローと言えば6〜10歳までの美少年のみを対象とする自他共に認めるショタですが(本当かよ)。マジック達もそれぞれで片寄っているので気になりません。
シンタローがショタ。キンちゃんがナイスミドル好き(語弊しかない)で喧嘩しなくていいなと。(キンちゃんの場合某ナイスミドルを実母の様に慕うだけで、別におっさん専ではないと思う。キンちゃんは真面目で品のいい子なので年上にもてそう。某ナイスミドルとキンちゃんは「こころ」の先生と私の様な関係がいいなと思うが、照れ屋で逃げ足の速いナイスミドルなのでキンちゃんを哀れに思う。)
逆に「美少年至上」派と、「男は40歳から」派で言い争ったら、泥試合になっていいなと思います。「未完成な潤いとしなやかな肢体」について熱く語るシンタローと、「深みのある表情と少し疲れた仕草」を嬉しげに語るキンちゃんって、お互いバカでいいです。
シンタローはどう思うか分りませんが、コタローと高松は仲良しだろうなと勝手に思っています。一族という重しが常にコタにありますが、「コタロー様でもお勉強中は私の生徒、診察中は私の患者です」とハッキリ高松は言いそうなので。一族の苦しみを察しながら、コタに普通に接してくれる大人って高松かなと思います。自然に「高松先生」とか呼んでくれないでしょうか。
キンちゃんもコタの家庭教師しながら、カリキュラム等高松に相談しそうです。キンちゃん、コタ、高松、時々ハレの集団がもし見受けられるなら、穏やかなものだろうと思います。コタの幸せって、「見て愛でる」「遊びに連れ出す」「高いものを買い与える」事の外にある気がします
■どういった形が南国&PAPUWAの作品としての幸せだったのかなと思いました。テレビアニメ放映当時の惜しまれつつ幕を下ろした瞬間をリアルで見ていたもので、ふと考えました。
■テレビアニメの終幕は、後番組にスラムダンクが控えていたので仕方なかった。むしろ「シンタローが家出して何故か孤島に流れ着く」という設定のみであそこまで盛り上がったのが奇跡。 ■奇跡は続かないのか、アニメ雑誌に「パプワの残りの部分を見たいと言う人があるが、残りの漫画を読めばテレビに向かない内容である事が分かる」という投書があった。同感。
■「シンタローが総帥になる」という結果は残して。「シンタローがミヤギ達やサビ、高松・グンマと協力して、青の秘石にとりつかれたマジックの目を覚まさせ、幽閉されたコタローを自由にする」という内容で、一度あの素晴らしいアニメスタッフの手でで完結させてはどうか。 ■悲劇でしかない赤青の秘石の対立や、結局よく分らないパプワ島の秘密、ジャンとシンタローが同一人物とか無しにして、「みんなのシンタローさん」というポジションをシンタローが最後まで貫けばよかったと思う。「辛い俺を心配しない奴は論外」な態度に、コタローを放置したまま何故走ったんだシンタローは。 ■「人間の醜悪な所」をむき出しにしているのが柴田亜美作品の他にない特徴だけど、仮にも少年漫画だったのだから、お体裁やかっこつけも大事だったのでは。コタローを助ける以前に、全力で保身に走ったシンタローが分からない。「俺は体を手に入れてコタローを救うんだ」という態度でもなかったし。
■嬰児すり替えも、ルーザー様の死も、高松の24年間の苦しみも、グンマの翻弄されぶりも、「閉じ込められていたキンタロー」も、付け足しの割に破壊力があって悩ましい。ところでグンマは全くの他人の様なアスには言い返す事が出来ても、マジックには嫌な事があっても言わない気がする。高松には南国後きつく出そうだけど、それは高松が反撃できないのを知っての事だと思う。(陰でキンちゃんが「俺の母さんを悪く言うな」と反撃に出たくて焦れていそう。反撃は高松に止められている。)
■シンタローに「普通」のヒーローとして、レッドリボン軍を一人で崩壊させた悟空の様に振る舞って欲しかった。テレビアニメでそんなシンタローとコタローの姿を見て、それを本伝として、サビしか幸せにならないようなコミックスのほうを外伝として読みたかった。
ジャンは絵的に分からないだけで、サビとは親子の差なんだけど。サビの態度が子供っぽいので気付かないが、ジャンと高松を並べると、厨二と大学教授くらい差がある。(教授が偉いとも言わないけど、高松は人生の酸いも甘いもちゃんとなめてきたと思う) |
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