ピグマリオンについて考えていました。教授が美しいマネキンを作ったけれど、マネキンには命も心もあって、作ったばかりで自分を労わらない教授に失望し、教授を置いて出て行った話でいいんでしょうか。
恥ずかしい話、何故パーティーで大成功を収めたイライザが、帰宅した後で教授に怒り出したのか分りません。教授と大佐が2人だけで成功を分かち合って、イライザを慰労しなかったのは悪かったですが、所詮あの教授とその教授の友達の大佐なのですから、そんな頭が回るわけありません。イライザも「あ〜疲れた、あたしやったわ〜」と着替えて眠ればよかったと思う竹淵は女性失格です。
「プラダを着た悪魔」もピグマリオンの派生と聞きますが、あのヒロインは登り詰めた世界の無常さを自分で感じて、元の地味な世界に戻っていきました。イライザは教授に、普通の恋人の様にかまって欲しかったのでしょうか。仮にそうだとしても、教授は例え好きな女性に対してでも、命令し、罵倒するだけの男です。そんな愚かな教授を愚かなまま愛せないなら、イライザはやはり一時は我慢したとしても、早晩出て行ったのでしょう。
ピグマリオンは「幸せをつかむ女」の話であると同時に、「愚かな男」の話の様な気がします。イライザは本当に「変身」が嫌だったら、長いレッスンの途中で逃げただろうと思いますが、彼女の「幸せになりたい」という上昇志向が彼女を踏みとどまらせたのでしょう。パーティー後の錯乱は登り詰めた後に来る空しさだったんでしょうか。
■昔、「竹淵さんは有名で美形のキャラが好きなんですね」と言われた事がありましたが否定出来ません。テニプリを読んで跡部を好きだなと思えば、言われた事が頭に響きます。ナイスミドルも好きですが、ナイスミドルと呼ばれるには相当の体の鍛錬と知能の高さが要求されます。「お腹が出がちで最近の機械に弱い普通のお父さん」でなくて「ナイスミドル」を自称するのは結構大変だと思います。(高松の場合、彼の自己叱咤だと思っている。厳しい自己研鑽を止めたら高松じゃないと思う。)
■そんな訳でもないですが、南国&PAPUWAにおける「美形」ってなんだろうと思いました。サビやコタが自覚ある美形なので、劇中ではツリ目の金髪碧眼が主たる美形なんだろうと思っていました。個人的には山崎ススムや、山南さんといった心戦組の方がより好みなので、コタの美少年の自覚について考えた事は無かったです。
■キンちゃんも高松からハンサムだと言われましたが、キンちゃんの良さは「新生児ないし4歳児なのにあそこまで頑張る」といういじらしさなので、顔はマジックやルーザーと大差ない分、いいガタイと若々しい背格好の方に惹かれます。ルーザー様も、劇中で美貌を絶賛されるサビの兄なのでイケメンなのでしょう。ミヤギとあんまり変わらない気もしますが。(顔だけって)
■高松を美形と言うのには違和感があります。10代からガンマ団に在籍しているあたり、相当な美少年(※怖い監督者付き)〜すごい美青年(※でも子連れ)〜ナイスミドル(※当然の様に若い子といつも一緒)だった事は疑いないですが、そこが高松の押しではないと思うので。
高松を評すなら。 ■鼻血〜傘が必要なくらいあり得ない量で ■変態〜「あの変態」と言って生徒が顔が思い浮かべるレベルの変態 ■過保護〜青の一族が一度や二度起こす大量殺人・秘石眼の発動を「過剰な愛」で防いだ実績あり、多分グンマが殺人を起こさなかっただろう事から。 ■マッドサイエンティスト〜早い話狂気を常に秘めた人。グンマやキンちゃんへの愛情で完全に狂うに至っていないだけで
この辺を味わい尽くした後でなら、「美形だね」と高松に言うかもしれません。自分はリアルタイムの絵の高松がアニメでも漫画でも好みですが、「美形」というならサビやコタじゃないかなあと思います。美形の自覚がある人達の方を持ち上げた方が、自分も気分がいいです。
むしろサビのキラキラした金髪や雪の様に白い肌、宝石の様に青い瞳に、高松が「私もああだったらルーザー様のお側にもっといられるんだろうか」と悩むくらいがいいです。高松の憂鬱を知ったルーザー様が、「僕はお前の様なのも悪くないと思う」とか言ってくれればラブコメでいいなと思います。
「美し過ぎる何とか」が、仕事の実績より華やかな外見で語られがちなのと同じで、高松の魅力は他にあるなあと思います。年とっても豊かな髪と、たるまないらしい体が羨ましいですが。高松なので健康に気を使っているのでしょう(変なサプリじゃなくて)。若いはずのキンちゃんが酒で体を痛めながら、高松にあれこれ言われているのが想像できます。 |
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