■南国&PAPUWAの原作者が「美」に熱心の様なので、美しさについて考えていました。美容術なら今日どこへ行ってもあふれ返っていますので、美容について自分は語りません。
美って、恐ろしく主観的なものじゃないかなと思います。美術館にある芸術作品の様に、百発百中に近い美もあるかと思いますが、その美の完成にいたるまでの長い道のりを思うと、こんな入館料で見ていいのかと思います。建築物や風景の様な美もありますが、見ていて圧倒される力があるのが美だと思います。その美を見つけるのが各々の心であるなら、美と心、主観はつながっているのかもしれません。
美と心、主観がつながっているのなら、パリのセーヌの河岸を歩いても美しいと思わない人もあるのでしょうか。自分などはただ嬉しく、主観が喜びで満たされます。「あたしこんな有名なところに来ちゃった」という卑しい気持ちもあるんでしょうが、いつか見た夢の中にいる様な満足感もありました。
(竹淵さんは有名なものばかり好きなんですねと言われた事があるけど否定できない。イナゴサークルですねと言われたわけじゃないと思うけど、貴方は自分で対象を見極める目がない上に踊らされて卑しいですねと言われた気がした。)
■今二次創作をしているドクター高松についても、もし自分が彼を美しいと思うのなら、外見も好みですが、内面のキレ気味なあたりも同じくらい美しく感じたいものです。彼のえげつなさの向こうにある、人恋しさや弱さが自分は好きです。そういう美しい可憐さは大好きな人にも滅多に見せないだろう高松だから、高松を美形と言われると違和感を感じます。(キンちゃんはシンタローからあの変態のどこがいいんだと聞かれても答えにくいと思う。なので「勉強と仕事を教わって感謝している」と無難に答え、シンタローには高松が恩着せがましく思えるかも。)
例え高松が美形だったとしても、浴びせかける鼻血と憎まれ口で、彼は他者に美形だと観賞させる暇を与えないでしょう。南国5巻のカムイじいちゃの「若くて美しい男」発言のあたりでも、サビの前で手を挙げる面倒くささからか、立候補しなかったですし。PAPUWAのナイスミドル大会にも出ていなかった様ですから。(もうこの20年余で熟成された南国&PAPUWAなので、とうに作品やキャラのイメージは原作者の手を離れていると思う。自分も末席に居られたら嬉しい。)
■ピグマリオンについて。前半の教授に食いつくようにしてレッスンに励むイライザには共感出来ても、後半の「美しく賢いレディとして教授とフレディの間で悩むイライザ」の姿にいまいち共鳴できないのは、自分が「幸せになる事」と「異性と付き合う事」を結びつけて考えられないからだと思います。こんなこと考えるまでもなく、世の女性は、どんなに優秀な保健師さんでも愛する家族を持ち、夫と子供のために仕事を何年も休むのですから、分り切った事なのでしょう。竹淵がどうかしているだけで。
自分だったらレッスンが終わって自分で稼げる女性になれたなら、好きでもない教授や大佐に使われてでも現金収入を得て、スラムに舞い戻る事なく、その辺で暮らすだろうなと思いました。劇中でフレディはイライザが貧民の出である事を知らないと思いますが、今の美しく賢いイライザが好きなのですから、問題ないと思います。教授が貧しかったイライザに惹かれたのは、彼女の中の知性を見出したからだと思います。「知性」に性別はないので、イライザが魅力的な女性に変身しても、「知性」しか理解できない教授はイライザのなんたるかが分りません。
■ピグマリオン的なルザ高を考えていました。ルーザー様なので教授よりひどいでしょう。
「科学者としての表彰式に、受賞する高松と出かけ、喝采を浴びる高松を放置して、フラフラと別に高松を祝う気もなく研究とも無縁なのに顔を出したサービスに対し、高松はインタビューで忙しいからと自分がパーティーの相手をしようとし、受賞はルーザー様の御指導のお蔭ですとインタビューで高松が言っているのも聞き流し、何も仕事に寄与していないサビの機嫌取りに時間を割き、喫煙室で半泣きな高松を見かねたマジックかハレが、ルーザーに悪気はないと慰め、ルーザー様は、お前は親友が来ているんだから声くらいかけろと高松に怒る始末」
高松とすると、受賞のインタビューで「この研究はルーザー様の御指導の賜物です」と言い、あわよくばルーザー様とツーショットの写真くらい欲しいと思っての授賞式だったけれど、たまたま手ぶらで別に高松を祝いに来た訳でもないサビがルーザー様を独占するくらいで泣いていては身がもちません。
高松がはかなんでガンマ団の機密情報を頭に詰めたまま、他勢力に走らないか案じざるを得ないマジックがヒヤヒヤしていそうです。高松がルーザー様にプライベートで期待している数値が低すぎてルーザー様に伝わらないのが諸悪の根源ですが。「貴方のために頑張る私を見て下さい」なんてサビくらいワガママに訴えないと、一生ルーザー様には伝わりません。
ルーザー様も鈍感なのか、高松を信用しきっているのか。高松を馬鹿にしているのか、高松はモノ同然なのか。サビへの嫉妬と嫌悪と憎しみがどうしても消えない高松は、サビの彼氏のジャンの素性を暴いて、サービスを悲しませ、ジャンをルーザー様に殺させる事でルーザー様を自分の側に引き付け様として失敗したとかしないとか。 |
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