先に楽しい事を書きます。南国&PAPUWAを二次創作しながら、ルーザー様が故人である事に耐えられなくなり、「貴方が生きておいでだったら」パラレルなルザ高と無事育っているキンタロー坊っちゃんを描いてみますと、楽しくなりました。多分パプワでも何でもなくなったルザ高と愛息だと思いますが、ルザ高は劇中での描写が少ない分(竹淵とすると)解放感が絶大です。パラレルでない高松も、キンちゃんを幸せにする事に夢中だろうと思います。(突っ込む点は沢山あるんですが本で書きます)
■自分がオタクなりたての頃と、柴田亜美作品の月産項数が最大だった頃は大変近いです。当時の印象で言うと、「媚びない作風と先の見えない展開」が受けていたと思います。作風が媚びていたかどうかは、何が媚びる対象とするのかで変わってくると思いますが、つまり「読者置いてきぼり」なのでは。「先の見えない展開」については、原作者の方でも先を想像していないので、言葉通りだと思います。光達の運命は誰も知りません。
■絵の巧拙はこの際問題じゃないと思います。デッサン面も、キャラの体が黒っぽい服の固まりにしか見えなくて、どんなポーズしているのか皆目分からない時だって、たまにはあるでしょう。(刃と雷の例のページは取りあえずいちゃついている事は了解したが、いちゃついている以前に体勢が不自然過ぎて、突っ込む言葉がない。ドクター高松については妄想で埋めるから、公式でいつか刃兄さんをどうにかして欲しい。)キャラの描き分けがほとんどされていない事だって他でもある事です。(でも他の漫画なら、制服や髪型、セリフ等で結構分かる。何より「物語さえ」しっかりしていれば、顔の描き分けくらいそんな気にならない。)
これは恐らく有名な指摘ですが。原作者は「ドクター」という言葉の意味を知らないと思います。博士号という意味でならドクターでない医者もいます。「科学」と「化学」の違いが頭に浮かばない人らしいので、長年の疑問が解けました。原作者御贔屓?で若い美形で有能で強いはずのキンちゃんがPAPUWAで影が薄い理由も、「有能な男」を原作者が具体的にイメージ出来ないからだと思います。昔描いたマジックみたいに、拙くとも勢いがあれば印象も変わりますが。
■ちなみにドクター中松の方は芸名の様なものらしい。 ■南国でドクター中松をもじってドクター高松を出して、当時人気だった幽白の蔵馬のマネをさせたのは悪くないと思う。そういうキャラだと思えば。ただし蔵馬は全く別のキャラだし、浅いパクリだったなと今にして思う。高松個人は大好きだけど。 ■「グンマ博士」も「愉快なメカを作る人」としては、分り易いしいいキャラ設定だと思う。グンマは実際博士号持っていそう。 ■20年後に例の忘れ癖・勘違い癖が起きたのか、散々変態・えげつない・根性悪・マッドとこき下ろして平気だった高松を、インテリ美形とか思ってもいなかった言葉で評した事に腹が立ってならない。
柴田亜美作品ではインテリは汚い変態扱い、美形はその辺に立っているだけで素晴らしいという扱いだったはずだと思う。多分、サビやコタ、ミヤギ、雷の様な若い美男子設定のキャラに自分を重ねる事が苦しくなったから、年齢に左右されにくいインテリキャラに目が行ったのだと思うけど。見なかった事にする。
■リアルタイムで言われていた柴田亜美作品の特徴について異はないです。問題なのは、演技か本気か分りませんが恐ろしく忘れっぽい原作者である事です。「先が読めない展開」≒「先を考えていない」くらいならあり得そうな事ですが、「先が読めない展開」≒「今まで何を描いていたのか忘却して続きが描けそうにない」と言うのは、致命的だと思います。
読んでも読んでも、話が見えてこないどころか、前の巻とも話がつながっていない漫画なんてあるんでしょうか。一度好きになった南国なら気合で(高松関連ならひとしお)途中の話もカバーしますが、何作読んでも腑に落ちないのは読み手のせいじゃないと思います。
漫画家と言えども転職する事もあるでしょうから、もし今別の仕事をしているだとか、家庭に入ったとかしていてるなら、20年前に子供達を楽しませた漫画を、もう一度描いてくれなんて思いません。ですが、あたかも「今も何だって描ける」様な態度はどうなのかなと思います。
■プロの漫画家は版権ものを描く作家なんだとすると。世に発売された版権ものの内容が「全て」で、付随して目に入ってしまう、原作者自ら醸し出す「何か」は、見たくなければ見なくていいんだろうなと最近思います。 |
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