■先に(竹淵が)楽しい事を書きます。ルーザー様と高松を描いていると、死別の悲劇を思い出し、緊張と不安と恋心故に緊張しますが、キンタロー様と高松を描いていると心穏やかになります。高松は「高貴な子なのだから」キンちゃんにはお仕えする気持ちで接していますが、キンちゃんは肌身に感じている高松の優しさを反映してか、いい子に育っていると思います。
■南国&PAPUWAを漫画、アニメで見ていると、マジックは高松に家族に準じた扱いをしてします。嬉しいんですが、日本史にこんな例がありました。奥さんで悩んだ人の例。
家康の最初の妻は名家の出て、若くて力もなかった家康を見くびって政治に口を出し、息子も巻き込んで騒動を起こして死罪になりました。家康はその後も、高貴な女性である淀殿に頭を痛めています。秀吉も権力を得た後は、誇示のためか身分のある女性に次々と手を出した事が知られています。(もともと身分・権力のある男は対等の女性を選ぶ事が多いので、そこまで波立たない。)
男女関係とお互いの身分って、愛情<身分であることがままあります。庶民であればそんな事もないでしょうが、偉い人と言うのは難しいです。家康は偉くなった後は身分のいやしい女性を選んで愛し、生まれた男の子達をして徳川家の繁栄の基礎にしました。(この場合も玉の輿と言うんだろうか)
高松が側にルーザー様がいようとキンちゃんがいようと、終始「控えめ」な理由はこの辺かもしれません。本人は(青の一族に対し)自分はいやしい身分なのだから、大人しくしていようとしていますが、誰も高松を控えめで物静かな男だと思っていない事が玉に瑕です。
■南国でハレがジャンとの出会いがしらに眼魔砲撃った場面が好きです。ハレらしいと言いますか、ああやってハレが高松の代弁者の如く、ジャンの生存中も派手に文句言っていたんだろうなと思います。生存中のジャンについては、青の一族をスパイしに来た事を誰がどのくらい把握していたのか謎ですが、ハレが「あいつ怪しい」とサビに言っても、サビは聞かなかったでしょう。
マジックもルーザー様からジャンの素性を知れば態度を改めると思いますが、赤の秘石が警戒する程巨大な組織になっていたガンマ団のトップとしての矜持から、ジャンを泳がせてしまったのかもしれません。(マジックはジャンが好きだという裏設定は無かった事にしてくれ)
ルーザー様はジャンの素性を確認しマジックに報告した時点で仕事としては終わっています。高松もルーザー様を手伝う以上の事は出来ないので、皮肉にも竹馬の友だとか言われながらジャン、サビの側にいたのでしょう。高松もサビも、稀有な立場、稀有な才能、稀有な性格の子なので、ジャンくらいぶっとんだ青年でないと「友達」にはなり得なかったと思います。高松はジャンがどう処分されても構わなかったと思いますが、普通の友人も、「何でも話せる」家族もいないサビにはジャンが珍しかったのでしょう。
ジャンの生存中は時間だけが無暗に過ぎて、最終的に初陣の際に戦闘に紛れてルーザー様がジャンを殺しました。「どんなに好きな相手でも死んでしまえば諦めがつく」とルーザー様は思ったと思います。死んだからって諦めがつかないのは、後になってからルーザー様も学びました。死んだからって愛息と妻の様子が目に入らない事ないし、愛息も妻も死んだ自分をいつまでも恋しく思っています。
相手がいなくなったら終わり、なんかじゃないと、ルーザー様はいい方にも悪い方にも死んでから知ったのかもしれません。高松は自分の事など忘れて、最高の知能をして幸せと名声をつかんで生きていると思いきや、ナイスミドルになってもガンマ団の下働き同然ですし、キンちゃんも父が死んだからって一族の運命から解放もされないで、24年も閉じ込められていたんですから。
ルーザー様は色々あり過ぎて生きているのが辛かったと思いますが、何があっても生きていて欲しかったです。南国7巻のグンマへの高松の言葉通りだけど、同じかそれ以上の願いを高松はキンちゃんに抱いているので、グンマは分りませんが、キンちゃんが高松を心から恨むとかは無いんじゃないかなと思います。心のモヤモヤを高松にぶつけてみたいとは思っても。 |
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