madeingermany

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...... 2013年12月04日 の日記 ......
■ クリムト   [ NO. 2013120401-1 ]
■50代の高松について考えていました。20〜30代の時より彼は幸せかもしれません。グンマやマジックに嘘を吐く必要はありませんし、一度隠居した身なら割と気安く振る舞えるかもしれません。「キンタロー様のお呼び出して出戻りました」というのは高松最大の名誉と思われます。

気になるのはジャンが高松の近くにいる事です。高松はジャンが憎くて憎くてならないはずです。マジックならまだ話の出来る男ですが、ジャンは自分がガンマ団に来たばかりに(しかも来たくせに番人の仕事はしていないふうだ)、高松とキンちゃんがルーザー様を失った事を何とも思っていません。(キンちゃんがこの辺理解すればアスにむかっ腹立ててる場合じゃない事は明確だけど、サビの彼氏を傷つければまたサビが暴れる。)

サビがジャンに高松の思いを言って聞かせる所ですが、サビはそんな事絶対しません。チャンネル5で高松がジャンを「惨殺」した件もあります。高松はジャンがルーザー様の顔や名前を思い浮かべるだけでイラッとするでしょうから、自分からジャンに恨みを訴える事はないと思います。

実は、南国とチャンネル5はつながっていません。南国の続編がPAPUWAであるなら、サビが50代でも健在である世界はチャンネル5とはアナザーになります。アナザーストーリーを楽しむと言うのも一つですが、チャンネル5は楽しい話じゃないのでこの際頭に入れなくてもいいと思います。高松がただ一人、キンちゃんもグンマもいない世界で、ジャンと何百年も一騎討ちをする世界なんてなくていいと思います。チャンネル5が原作者渾身の漫画だというなら別ですけど。

50代の高松は、ジャンへの復讐なんて考えなくてよくなったくらい幸せにキン・グンのお世話をしたり、ハレと口げんかしたり、サビ・ジャンにイラッとしたりしていると思っております。高松の復讐は、復讐とまがまがしく呼ばれども目指す所は「キンタロー様のお幸せ」なので、南国でキンちゃんが身内と打ち解けた時に終わったのだと思います。高松とルーザー様の愛情を一身に受けたキンちゃんが幸福なら、高松も天国のルーザー様も幸福です。



■柴田亜美作品においてはよく黄金が出てきます。白黒なので分りにくいですが、マジック達の髪は金一色ですし、PAPUWAは表紙まで山吹色です。すずめちゃんに至っては、金粉を食しています(※お菓子のアクセントに金箔を使う事はあるけど積極的に食うもんじゃない気が。)

原作者の趣味だろうと思っていますが、ルーザー様に金色が合うのかと思うと疑問でした。金色は日本画にも使いますし、襖や屏風の金色はいいものです。南国&PAPUWA他における金色は、金泥や茶器の金色ではなく、ひたすらキンキラキンをイメージしているらしいので、ルーザー様に合うんだろうかと思っていました。テレビアニメではグンマの髪は白っぽい金色、マジックの髪は濃い目の金色と塗り分けられていますが、アニメ未出のルーザー様は設定が不明です。

クリムトを思い出しました。

どの美術館に行っても絵葉書やクリアホルダーになって売っている、あのクリムトです。セザンヌやルノアールの様に有名過ぎて口に出すのも恥ずかしい画家ですが、ルーザー様に似合う金色はクリムトの「接吻」の金色だろうと思いました。平面的な金色でなくて、少し濁って不安定な色合いにルーザー様に近いものを感じます。実物は見た事ないんですが、明快な古典派やフランスの印象派より、ルーザー様の憂鬱なイメージに近いと思います。

ウィーンの画家であるクリムトが何故金色を一時期多用したのかは謎ですが、「ダナエ」を見ていると「ここは黄金しかないな」と思わせます。ギリシア神話で少女ダナエがゼウスと交わった時、ゼウスは黄金の雨に姿を変えていました。

南国&PAPUWA他においてそんなに金色が好きなら、黄金のどこがどのくらい好きなのかも表されるべきでした。クリムトの接吻とか思い出した自分は、あの煌々ときらめく黄金の中に閉じ込めてある感情のほとばしりが好きです。金色という華やかさの中に潜む倦怠感と、鮮やかな金色でしか表現できない歓喜がいいです。

次の本、恐らく春コミになると思いますが、高松にあんな顔させたいです。「接吻」の様に、男の方の姿は見えない方が迫ってくる感じが出るんでしょうか。ひたすら高松が思う事を表し続け、肝心のルーザー様が黙して語らないなんて劇中そのものです。たくまずしてやはりルーザー様は色っぽいのでしょう。高松と一緒だと増々。キンちゃんも金色が似合うんですが、キンちゃんのイメージの金色はヒヨコの羽の様に愛らしい黄味だと思います。

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