海外旅行にはまった時期がありまして。フランスに2回、ドイツ、スイス、スペイン、中国に行って、次はポルトガルかオーストリアかなと思っていた辺りで資金不足と人生の岐路に陥りました。「楽しいのはこの一瞬だけ」と成田までの京成車内で思ったものですが(スカイライナーは男前)、案外風景等記憶している部分もあるので、ルザ高・キン高に生かそうと思います。
きっとマジック様はスイスに別荘持ってるよと妄想した時、色々あった3年前の4泊5日が報われました。旅行先って色々試練に突き当たるので、あえていい思い出に無理矢理自分の中で変換しようと試みていましたが、やっと拭い去れそうです。
スイスの登山列車からは雪山と、観光客向けなのかホームにセントバーナード犬が見えます。もう現実に帰らないでルーザー様存命パラレルに脳を働かせて、「あの時スイスでチョコレートを飲んだのは竹淵じゃない。ルーザー様とキンタロー坊ちゃまと高松だったんだ」と思う事にします。キンちゃん、飼えないでしょうが犬が好きそうですし。
見苦しい現実逃避も甚だしいですが、スペインの古城を訪ね、ドイツのクリスマスマーケットに足を運び、きらめくシャンゼリゼを歩いても、自分の中で突然何かが変わる訳じゃないんだと知りました。
以下は南国&PAPUWAの雑感です。
■何故南国&PAPUWAが物語として盛り上がらないかというと、肝心の物語の崩壊が主な理由です。その崩壊の理由は赤・青の秘石と、それぞれの一族の話の崩壊です。「強大な青の一族」というのに男達が嫁を欲しがらないあたりで崩壊が甚だしいのですが、同じくらい困るのは赤の秘石の番人がサビの彼氏、次代の赤の秘石の番人がハレのお気に入りという所です。
赤の番人2人と青の一族が近過ぎます。ジャンはサビのために使命を捨てた男だとしても、リキッドとハレの関係はどうなんでしょう。青の一族としては、部下が赤の秘石に協力するなんて絶対許さないはずなんです。でもハレはリキッドに青の一族として「番人になるな」と言えばいいのに言いません。(ルーザー様の「秘石の脅威から家族を守りたい」という思いは何だったのか。)
■アスと次代のソージは心戦組の人間です。アスがマジックに付かないで心戦組に流れて行ったのは彼個人の事情ですが滑りました。ソージもマジックと行動を共にしません。ルーザー様と高松の「秘石から自由になりたい、自由になって欲しい」という願いは半ば叶った事になります。赤青の対決とすると薄味ですが、自分は心戦組が好きなので、アスがいい再就職先を見つけられてよかったです。(また死体を掘り返したのかアス)
一代でマジック達と対等に戦える戦力と人材をイサミさんは得たらしいのですごいです。気の合わない叔父や、医者やっている古参の部下を自分では生かし切れなかったシンタローや、覇業のために親戚を殺しまくり、弟を見殺しにしたマジックはイサミさんに学ぶ部分もあろうかと思います。
■話がそれました。ここまで赤青の秘石・番人・一族がねじれていていいんでしょうか。南国では、「パプワと秘石の関係性不明」「アスが死んだからマジック達と青の秘石の関係は解消か」と濁されつつ過ぎ去りましたが、PAPUWAでは心戦組に青の番人、マジック達に何故かジャンというよじれぶりです。
よほど原作者に「物語」を作る気がなかったんだなと思います。リキッドについて言えば、彼は南国&PAPUWAという、もしかしたら赤青の秘石の物語になるはずだった漫画において、秘石に従ってドラマチックに動く番人(=例・アス)ではなくて、「パプワ島」という、原作者の作った小さい箱庭のお人形になってしまったと思います。 |
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