南国&PAPUWAおよび同じ原作者が描く漫画は、キャラ間の「好き」という気持ちは随所にあふれていると思うのですが、「どこが好き」「いつから好き」が明確じゃないなと思います。自分の世代の名作漫画「天使なんかじゃない」を思い出すと、翠と晃のやり取りの「積み重ね」が愛しくなってきます。
南国・PAPUWAおよび同一原作者の漫画においては、「好きになってよかった(同性でも可)」「好きになってしまった」という感じより、「好きでもない相手に好かれて困っちゃう自分」の描写が多いです(シンタロー、リキッド)。片思いが報われにくくてかわいそうな漫画と言う以前に、好かれた相手が発する優越感・満足感・見下し感が漂っています。(シンタローに好かれても鼻高々にならないコタが好き。)
辛い片思いをしている人にこそ、心を寄せがちなのが女性読者じゃないかなと思いますが、原作者的にはそういうキャラは袋叩きの対象らしいです。(アラシヤマ、ウマ子ちゃん、トシさん他大勢)
原作者の「好き嫌い」「言い分」は全部無視して。高松に、「ルーザー様を好きになってよかった」と思って欲しいです。ルーザー様のお役に立つために、世界と戦える科学者になったのは高松の努力と功績ですが、高松はいまいちその辺すら自賛する気ゼロみたいです。高松がルーザー様を愛したからこそ、生まれたキンちゃんは一人じゃないし、高松もお母さん孝行な息子に恵まれたのだから、それでいいいじゃないかと。
■高松は自分で自分の事をナイスミドルと言いますが、女性の場合はナイスミディだそうです。あまり聞きませんが。少し前に流行った言い方で高松が女性ならば、復活していたジャンに対し「私の様なナイスミドルに」ではなく、「私の様な熟女に」となるんでしょうか。もしそうなら軽く笑えます。サビがそんな事言いそうです。
高松は男でも女でも色っぽいと思いますが、売りはそこじゃないと言うか。カリ城でルパンが不二子に言っていた、「働く女性は美しい」という言葉を高松が女医さんだったら捧げたいです。(女医高松はうる星のサクラ先生みたいな感じなんだろうか。顔とスタイルと腕は抜群でも、口と性格が最悪で、男子生徒にはそんなに人気ないと思うが。)
■高松のバイオネタは蔵馬のパクリらしいです。幽白と同時期の連載・放映だったので気が付いた方もいたかなと思うのですが、高松は一応人間です。自分の技術でバイオウェポン作ってます。攻撃性の高い植物ばかり育てていそうな高松ですが、股んGOくんを見る限り、高松にとって植物は「物言わぬ友」な気もします。
(※パクリにせよ本来妖怪が妖力を駆使して異世界・魔界から巨大殺人植物を召喚する展開を、普通のおじさんにやらせた潔さは認める。蔵馬のパクリなら、「ジャックと豆の木」よりも、薔薇棘鞭刃と風華円舞陣からだろうと思うけど、初期のセーラージュピターみたいだ。パクリというか、自分は長い黒髪の男性キャラが好きなんだなと左京・鴉・黄泉を思い出して思った。性格は卑劣でもポリシーのある卑劣さなら大好き。ナイスミドルならもっと好き。)
■ジャン・リキッドについて何か思い出したのですが、幽白の戸愚呂兄でした。殺しても死なないあたりが。戸愚呂兄弟も20歳辺りの姿で老いずにいます。「死なない」って、多くの二次元では罰か拷問じゃないだろうかと思います。「お前は死にすら値しない」と蔵馬が兄者に邪念樹をしかけます。高松はチャンネル5でジャンを葬るための「無」を求めていますが、ジャンが再生・復活しても堂々巡りになるような仕掛けを作るしかないかもしれません。
■えげつないとか卑劣なキャラの描き方は、冨樫先生がすごかったなと思います。主役の幽助や桑原がカラッとしていて優しいので、主役を引き立てる様な悪者を出したんだなと思います。南国&PAPUWAの原作者の場合、えげつないとか卑劣とか、全部理不尽な悪口に過ぎない気がします。 |
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