madeingermany

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...... 2014年03月01日 の日記 ......
■ 愛が足らない   [ NO. 2014030101-1 ]
■先に胸に詰まっている事を書きます。暴言も含みますが、人ひとり救うと思って見過ごして下さい。

チャン5以降の高松はなんか変だと思っていますが、何が変かというと、サド方向に高松の描写が発展している点に違和感があります。高松は変態だとは言われますが、変態にも色々あって、比較的周囲に害のないフェチから、他人を介さずには満足出来ない傾向のサディズム、マゾヒズム(←大別するなら高松はここ)があります。

変態と言うと性欲がセットで解釈される事が多いのですが、高松はどちらかというと淡泊な方に思えます。日本人ですし、知的好奇心で神経の半分くらいは既に稼働していそうです。「科学的好奇心」「キンちゃんへの奉仕」「ルーザー様との思い出」で高松の心は大体埋まっているのでは。好きな人と「(真摯な意味で)何か」したいのなら、それは変態でも何でもありません。


■日本を代表する変態と言うと谷崎でしょう。谷崎の美の極致と言われる春琴抄、流行語にもなった痴人の愛を思い起こしてみます。発表は痴人の愛の方が早いです。

春琴抄は美しく高慢な女性に身も心も捧げた男・佐助の話ですが、物語を支配しているのは春琴ではなく佐助です。春琴は若い頃こそ佐助を蹴ったり殴ったりしますが、そんな事は些細な事で、春琴は佐助を愛していて、大人になった後は佐助と正式な夫婦になる事を望みます。

佐助は春琴と一緒に暮し何人も子供を生ませますが、みんな養子に出し春琴の「夫」にはなりません。「美しいお師匠と卑しい自分」という関係にこだわり、春琴が加齢して美が衰えだすと、彼女の顔に熱湯をかけ、自分も失明してまで美を崇拝するという「マゾヒズム」を完結させます。

痴人の愛も、気儘な美女に悩む男という構図ですが、ナオミは譲治を愛していて、譲治さえ望めば普通の奥さんになったろうと思います。譲治が「普通の夫婦になりたくない」「ずっとナオミに興奮していたい」と願うばかりに、譲治が密かに願っていた様な悪女になってみせます。

■何が言いたいのかと言いますと。

高松はサドじゃない、どちらかと言えばマゾだという話です。小さいながら青の一族のグンマにかしずく事へ喜びを覚えたあたり立派なマゾですが、彼の生来の母性でもあるのでしょう。高松の初恋の相手が冷血・ドS・怒りんぼうのルーザー様なのがいい例なのかなとも。

(自分を虐げないルーザー様ってのには魅力を感じなかったりして。恋を成就させようとして高松を思いやる行動を取って、高松から叱咤されるルーザー様とかいそう。でも高松も自分の嗜好丸出しにする時があったとしても、優しくされる事が嫌な程変態じゃないと思う。佐助と譲治は春琴、ナオミを傷つけてまで自分の変態を貫くけど、高松はそこまでしない。)

キン高も、年上の高松がキンちゃんに仕えている図に自分は燃えます。キンちゃんに命令されたり、キンちゃんが可愛い左だったりするのがいいのであって、サド高松には戸惑います。キンちゃんは優しい子だから、高松より上の立場である事は承知すれども、高松の事大事にしてくれる信頼あっての話ですが。

グッドアフタヌーンの読み切りは丸木戸父子がよかったのに。




■愛と辛抱の無い日誌ですみません。一つの作品世界・一人の作家さんを何年も見守る愛が自分には足らないと思います。完結して一気に読みたい方なので、あれこれ想定内の事が起きると勝手にパニックを起こします。その上パニックを起こすタイミングが人と比べておかしいので、余計収拾が尽きません。人と比べないのが幸福になる秘訣だと聞いた事がありますが、ここまでずれていると(略)

(大雪の日は定時に職場に行く日だったので、玄関先で発狂しかけた。寝間着のまま積もりたての白雪の中に押し入ってみると、寒さなどまるで感じず雪がフカフカして温かい綿の様だった。)

以下は偏見です。

■チャン5のピークは正宗の死〜グレイ編だと思います。原作者のピークも同じ頃だと思います。まだテレビアニメ南国の余熱が二次元に漂っていて、まさか原作南国が、幼いコタが救われないまま父親を含む身内の大人達にリンチされ、兄に放置され、「総帥の父を倒し世界を救う」はずの男だったシンタローがガンマ団トップになるという展開だったという真相が知れ渡らない頃。

悲惨な上の世代・正宗の死を目の前にして、旅立つ少年光という構図はいいのですが、その光が姿だけ子供で実年齢は恐らく正宗の遥か上という謎というか設定の行き倒れ。設定の行き倒れはいつもの事としても、本当に不幸大好きな作家なのだなと思います。リキッドの不老不死設定はいい事の様に描かれているので、「原作者がキャラいじめに走る理解出来なさ」より、「原作者が何をして幸せと思うかという内容の掴めなさ」にゾッとします。

■そんな原作者と高松。多分、チャン5が南国の続編だとか、PAPUWAはチャン5のパラレルなんだとかいう設定も行き倒れだと思います。PAPUWAを南国の続編と思っていれば、チャン5で身も凍る描写をされている高松は、ルーザー様に初恋をし、キンちゃんに鼻血を出す高松とは別人だと思える最後のよすが・・・・という設定上の話も、原作者の頭にはないと思います。

(よく南国で47都道府県出ればよかったねという話題があって、自分も高松が出るなら岡山・愛媛・徳島・高知は必須だろうと思うが、多分原作者は四国4県が言えないと思う。カツオが美味いとか、鳴門大橋とか特徴はそれぞれの県にあるのに。愛媛ネタで坊ちゃんや子規の話が出てこなかったら残念を通り越して青くなるが、多分原作者は坊ちゃんも猫も知らないと思う。

原作者は群馬が日本のどこにあるのかも知らないと思う。前橋市が日本のどこにあるのか知らなくともいいのだけど、47都道府県を自分の漫画に出す知的好奇心は今も昔もないと思う。)

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