madeingermany

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...... 2014年03月11日 の日記 ......
■ 持久走   [ NO. 2014031101-1 ]
■谷崎の細雪を読んでいます。

今後高松の扱いがどうなろうとも。「ほぼ初対面の女性に、彼女の足が気に入ったというとっかかりだけで家に呼び込んで、言葉巧みに麻酔を嗅がせ、彼女の背中に女郎蜘蛛の刺青を彫る」小説が処女作の谷崎の存在を知っているのであんまり不安はありません。

(谷崎の「完成された」文章の世界だからいいのだけど。美しいルーザー様やキンちゃんに好きで平身低頭出来る高松は、十分この世界の住人になれると思う。・・・ルーザー様もキンちゃんも、高松には這いつくばられるより普通にしていて欲しいと思うだろうけど。そのうち高松も「2人にこまごま尽くす」くらいになると思う。)

■細雪を読んでいて気になるのは妙子の受難の数々です。卍や痴人の愛など中期の作品のヒロインの様に妙子も書かれるのかと思いきや、妙子が華麗な悪女として花開く事は無く、彼女は後半、三好という「情人(※本当にこう劇中で言われている)」に身を寄せます。刺青~蘆刈、吉野葛等のファンタジック路線から、描写が現実味を得て来た様に感じます。

妙子の絶え間ない受難は過去の谷崎の様にも見えます。色々に手を広げても思う様に実らなかったり、洋行しようとして出来なかったり、異性とよく付き合ったり、食欲が強かったり病気になったりする所が。雪子が妙子の生活態度を責める場面があるのですが、被虐嗜好が若干ある谷崎ならば、雪子に責められるのも進んで受けて立ちそうです。

雪子に根気よく看病してもらうのも、悦子でなければ多くは妙子ですし。貞之助が義妹の雪子に看病という口実で体を触らせる展開も谷崎ならあり得ると思うんですが、時局的にそこまでは出来なかったと思うので、雪子は妙子の面倒を見ています。



■先に楽しい事を書きます。高松の誕生日が間近です。キン高ならどう祝うのかなと。隠居中の高松の所に行って、御飯食べてくるだけでいいんですが、常にハイテンションの高松に、今以上何をすればいいのか真面目に考えるだろうキンちゃんが可愛いなあと。

外へ一緒に御飯食べに行って会計の時に、キンちゃんが払おうとするとか。年齢と立場と気分的にキンちゃんの御飯代その他は高松が進んで払うだろうなと思いますが、思い切ってレジに進むキンちゃん(キンちゃんはレジスターを見た事がない気がする。ATMなんてものも触らないで済む生活だろうし)。

「今日は自分で銀行に行って金を下ろしてきた。クレジットカードだってある。今日は俺がおごる。」とか言われて、高松が鼻血出して2人ともレストランを追い出されるか、そんな大事なお金でおごってもらっては申し訳ないと高松が言い出してサッと払ってしまうかでしょうか。いつもよりイライラしているキンちゃんに気が付き、キンちゃんの提案が誕生日の祝いだった事に気が付き、滂沱と鼻血の高松。

キン高と言うより母の日です。ルザ高でも、ルザ高にはキンタロー坊ちゃまが付いてくる気がするので、母の日の様相です。いつもの夕食後、「今日の食器洗いは僕とキンタローがする。お前は座っていていい。」とルーザー様に言われて、珍しくリビングでテレビ見ながら、そういえば今日は誕生日だった事を思い出すママ高松。

(※「してもらう」事を好むらしい南国&PAPUWAの原作者に、好きな人には甲斐甲斐しい気性の高松は動かせないと思う。チャン5の高松はぎこちないし、読み切りの方も高松の意外と世渡り上手な所が全く反映されていない。サビ、ハレ、ジャンと言った曲者の「友人」と学生時代を過ごした男なのに。高松はああ見えて団体生活が出来る男だと思う。高松の涙や鼻血が原作者には「変態」の表現だったとするならば、もうそれまでなんだと思う。)



■根性の無い自分ですが、グッドアフタヌーンの読み切りの件を知って以来、持久走をしている様な気分です。読み切りの情報をキャッチしてから動揺し呆然となり、一周回って読もうかと言う気持ちになり、2~3周目に「いや世間の反応を見てから」と思い、4周目以降は「深入りすれば自分が築いてきたものが崩壊する」と思い、逃げ回る様にグルグル頭を動かしていました。

定期連載になれば事態は変わりますが多分それはないので、もう走れません。南国&PAPUWAの原作者が「非凡」なのはよく分かりましたから、これ以上過去の遺産をご自身で食い尽くさない様に願うばかりです

(無理だろうなあ。仮に今後連載される様になったら、高松放り出して過去の南国のサビ、PAPUWAのリキッドの様なお気に入りに気が移るだろうし)。

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