■宮脇俊三氏の本を読んでいます。どうしても漂う、当時らしい男尊女卑の匂いが嫌だなあと思ったのですが、当時の日本の男尊女卑の具合はこんなもんじゃなかったろうなと思い、宮脇氏は比較的穏やかな方だろうなと思いました。文中に荷風や内田百間先生の名前も出て来て、読んでいて安心しました。
鉄道と言う、当時でも暇と手間と体力が求められるエリアに、家事・育児・介護に奔走する女性がそうそう親しむ事は少ないと思いますが、昨今の鉄道は便利できれいになったので、敷居は随分低くなったと思います。今でも電車の車内等には不心得者がいないとも限らないので、何かと面倒だった当時の国鉄に、進んで乗りたがる女性が少ないというのは自然な事だったと思います。
■気楽に高グン、キン高の事を妄想します。高松の隠居については、「忌まわしい自分と愛する子供は離さねばと思った高松と、どうしてもパパを知るママの高松が必要なキンちゃんの相克」だと思っています。キンちゃんの勝利と言うか、エリート教育がてら高松を数年独り占めするキンちゃん。
■今まで高松の愛をほしいままにしていたグンマ。(グンマが本当に高松を求めていたかどうかはこの場合不問)急にキンちゃんが現れて、赤ちゃん返りしたかなと思いました。キンちゃん、シンタロー・コタには従兄、長兄にあたるグンマなので、実父のマジックともなんとか打ち解けて、しっかりしないとと気張っても、「じゃあ私は日の浅いキンタロー様のお世話を」と冷たい高松。
高松にすれば、今までも青の一族の子供として自分よりはるかに立場が強かったグンマが、今度はマジックの長男としてさらに強大になってしまったわけで。赤ちゃん返りして、自分に乱暴を働こうとも物を投げつけようとも、グンマの言葉に従う以外の選択肢が思い浮かばない高松。
本当の赤ちゃんだった頃のグンマの秘石眼や、不満を暴力でしか表せなかった生まれたてのキンちゃんには体当たりで対応してきた高松だけど、「長男」の「赤ちゃん返り」、「次男」の「第一次反抗期」にはお手上げ。「長男」は強い父親に念を押して預け、「次男」はエリート教育も兼ねてマンツーマンで数年育てる事に。
以上があの高松が隠居した背景(かなあ)。
パプワとくれば高グンだった昔の自分に、何と言おうか考えています。以下は高グン雑感です。
■正直、グンマ程地位と財産に恵まれていれば、高松くらいの侍従を何十人従えても構わない訳で。たまたま自分が幼い頃に、グンマ様のお世話は私と高松が言い張ったから今に至るだけ。私情抜きでも高松がグンマの下をさるシナリオはいくらでもあった。高グンは高松が年上でうるさいから高松の方が主導権を握っている様に見えるだけで、実をいうとグンマの方が立場が強い。
高松に不満はあれど、彼自身の性格のせいや、年齢的に同僚と言えばハレくらいで一人ぼっちの高松を側に置き続けたグンマ。高松も異論はないし、マジックも本来敵視してもおかしくない「忌避した弟の息子」を従順な高松に預けられて納得。
■若い頃亡くなった父親と、伯父の部下に過ぎない妙な男の関係なんて、「息子」であるグンマが本気で知ろうとするだろうか。エヴァで言うと、赤木ナオコ・リツコ母子とゲンドウの関係をシンジが知っても、一層ゲンドウを嫌いになるだけだと思う。リツコさんもシンジに対して、特に親しみを見せなかったけど、あれが上司の愛人の正解だと思う。
(ミサトがシンジをマンションに連れて行ったあたりでもリツコはミサトを皮肉るだけで、親しみは見せなかったと思う。リツコにしてみれば、ゲンドウとユイの息子であるシンジは一時置いておくとしても、憎悪を向けるのはゲンドウともシンジとも親しいレイ。高松にも憎悪を向けるべき「泥棒猫」がいておかしくないのだけど、幸い高松が怒るのはマジックくらい。)
■高松にしてもルーザーの息子ではないグンマが、自分などに世話をされて不幸になっていく事を、止める気持ちがない。人間、食べて眠るだけが人生じゃないと一番分かっている高松なのに、グンマに友人や仕事、家族を与える気はなかった。
グンマを不幸にする事が高松のマジックへの復讐だったのかもしれない。いつか父子がお互いを家族だと認識しても、ぎこちないままでいさせる事が高松の狙いだったのかも。なんでそんな意地の悪い事を高松は思いついたのだと思うけど、ルーザー様を失った絶望と、ガンマ団、しかも青の一族の側にいれば数年で自分が死に至るだろうと思っていたからだと思う。 |
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