■よく原稿で「この２人親子みたい」とニヨニヨしながら描いていますが。「もし高松に普通の妻子があったら、彼はここまで大事にするだろうか」とも思います。
（高松にとって青の一族の子供達は「自分の子供」でなくて、「勤め先のお偉いさんの子供」。だから彼等のホームドクターとして青の一族の子思いなのか。ルーザー様とキンちゃんへの高松の思いは、職業的・報酬的なものを越えている、多分お互いもう「家族」だったのだろう。高松に普通の妻子云々というより、高松が高松である以上、高松の「家族」は彼等なのだと思う。）
■ＰＡＰＵＷＡの主人公は何故リキッドか、と考えました。主人公は目覚めたコタだったはずですが、いつの間にかフェードアウトしてました。
南国で亜美ちゃんに寵愛されていたサビは「自分はガンマ団ではない」と言いながら権力と財産は手放さない男でした。生まれ故に仕方ありません。・・・リキッドもガンマ団を避けがちなのがサビと似ています。シン・グン・キンが年齢は若めでも、団員最年長の高松に敬語不要なのは家系のためですが、リキッドが高松はおろか青の一族にすら（上辺だけでも）敬意を示さないのは（略）。
■ＰＡＰＵＷＡは南国の続編。続編であるからには、南国の未消化部分を解決する事が求められます。南国の未消化部分というと。
・コタとマジック達青の一族の和解、再スタート
・シンタローがマジックの極悪非道を正す事
・グンマがシンタロー、コタローの兄として再出発
（両秘石については考えない方がもういいと思う）
サビ、ジャン、高松、ハレあたりは一応大人なので劇中で詳細が語られなくとも、何とかなっているでしょうし、もう自分達の事は自分達ですると思います。キンちゃんも「再スタート」を切るでしょうが、キンちゃんは主役のコタと若干離れているので、ＰＡＰＵＷＡでメインを飾る必要はないと思います。キンちゃんの事は高松が守ります。
■ここで困るのは、シンタローがマジックの後継者としてガンマ団総帥になってしまった事です。最愛の息子に権力を譲ってマジックは満足だと思いますが、シンタローは「倒すべき凶暴なガンマ団」そのものになってしまいました。新生ガンマ団という珍妙なものが出来たために、「シンタロー」が南国の様に自由に行動する事が出来なくなりました。
ガンマ団や自分が凶悪なのではない。ミツヤ、ルーザー様、コタと言う一部の一族の悪魔が悪いんだとマジックは劇中で言ってますが、ミツヤとルーザー様の仕事がなかったら、マジックとシンタローは今の地位にいないと思います。
■南国でシンタローの出来なかった事。
・コタを家族の重みから自由にし、幸せにする事
・パプワや島のみんなの側にいて彼等を守る事。
（南国本来のシンタローの役目だったはずだが、マジックの愛と権力と財力に亜美ちゃんが心変わりした。）
・タンノ君、イトウちゃんの愛に応える事
（ギャグアニメの範疇の話だけど、南国のマスコットであったタンノ・イトウコンビは何だったのかという突っ込みもある。）
シンタローの南国での未消化部分を、何故かリキッドが引き継ぎます。リキッドは。
・家事全般が今の主な仕事らしい（・・・）。
・基本的な世間の上下関係を、お坊ちゃん育ちが過ぎて理解していないので、ちょっとした事で「無理を強いられた」と騒ぐ。
・仕事を仕事と理解していない
・子供も女性も動植物も実は嫌いそう
暴言を並べてすみませんが、亜美ちゃんはリキッドを二代目シンタローとしていたのだろうと思います。シンタローがガンマ団総帥になったので自由が利かないから、リキッドには自由な立場からコタやパプワ、島のみんなに尽くし、青の一族みたいな悪い奴等には物申す男であれと思ったのでしょう。
南国でつまんない事言ってキンちゃんを怒らせた頃から、リキッドは何も変わっていないと思います。仕事に厳しいはずのマーカー達がリキッドに甘いのは、リキッドが「マジックのお得意様の息子」だからに他なりません。リキッドはマジックの部下ではありませんし、青の一族に頭を下げる必要のない子でした。
リキッドは生来の家族からも、ガンマ団からも、秘石からも、青の一族からも、何故か時間からも自由になりましたが、それが孤立とどう違うのか自分は分かりません。 |
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