南国&PAPUWA雑感です
どうして亜美ちゃんはPAPUWAを描いたのだろうなと。そのタイトルでは「南国の続編」に見えてしまうし、つけるなら「LIQUID」でしょう。内容は「こんなに皆に愛されるヤンキー青年」として、南国のキャラや事件をモブにするのはなしの、完全新作であった方が誤解が少なかったのではと思います。
PAPUWAでは何巻読んでも、前作の南国で起きた事件の数々は「リキッドは見た」系の「自分とは無関係のアクシデント」なのでしょう。確かに種々の南国での事件はリキッドに無関係なので、リキッドがパプワ、コタ、シンタロー、ジャン達に代わって難事件に挑む必然性はありません。リキッドは「(亜美ちゃんが大好きな)被害者」です。
(じゃあ南国の当事者達はPAPUWAで何をしているの?と言うと、普段通り暮らしている。PAPUWAは何をして続編と呼ぶのか未だに迷う。PAPUWA冒頭でマジックがコタを相変わらず邪魔者にし、兄のグンマも他力本願、ハレも傍観なので、PAPUWAはコタ達青の一族中心の話でもない。)
・シンタローは(ジャンが復活するまでの)ジャンの代わり ・マジックはジャンを求めていたが、叶わないのでその分シンタローを可愛がる ・高松としてもシンタローを愛したいが、ルーザー様を死に追いやったジャンと同じ顔なのでためらう。
・グンマは高松にとってルーザー様の代わり ・ではないなあ。高松は親世代の馬鹿な事を全然知らないグンマを可愛いと思っただろうけど、グンマがグンマとして生きる場所と、高松自身の生きる場所は重ならない気がする。
・キンちゃんはルーザー様の代わり ・仕事上(暗殺以外)ではそんな感じだけど、高松の溺愛で我を張るのを止めたキンちゃんを、マジックはルーザー様の様に忌んではいない。 ・高松にとってもキンちゃんは、正確にはルーザー様の代わりではないと思う。ルーザー様との生ける絆と言うか、喜びの源泉と言うか。 ・高松は自分からルーザー様の手を握ったり、お写真を撮るとか出来ない子だったと思うので、ルザ高の緊張感とキン高の和やかさは別物だろう。
・誰が誰の代わりでも、本人に異存がないならいいと思う。異存がないというか、余儀なく代行者が欲しかったのだとしても、関係が完結していれば。
・リキッドは島から去ったシンタローの代わり ・リキッドはコタを守れなかったシンタローの代わり ・リキッドは島の皆が好きだったシンタローの代わり ・リキッドは父を糾弾できなかったシンタローの代わり ・リキッドは島から去った復活ジャンの代わり ・リキッドは番人失格のジャンの代わり ・リキッドはハレの距離が出来て寂しいサビの代わり ・リキッドはコタの愛し合えなかった兄達の代わり ・リキッドは本来主役であるはずだったコタの代わり
(いずれもリキッド本人の希望や周囲の願い等ではなく、無理矢理PAPUWAで南国の未消化分をリキッドにぶつけただけ。こなすのは最初から不可能。代わりと言うが、それぞれの「役目」は一度終わったものだから二番煎じが多い。何故シン、ジャン、コタ、グンマが未消化分に挑まないんだろう、当人達には過ぎ去った話題だからか。)
ハレとリキッドの関係が、何だか呑み込めないまま何度もPAPUWAで描かれるのは、シンタローとマジックの煮え切らなかった父子対決の代わりだからだと思います。ハレはリキッドの父でないし、リキッドもハレとは短い付き合いなので、当たり前ですが父子対決にはなりません。 |
|