■妄想の毎日ですが、たまには日誌らしく読書した感想など書きます。最近読んだのは以下の通りです。
・宮脇氏の鉄道紀行数冊 ・伊豆の踊子、十六歳の日記、浅草紅団、いずれも康成 ・浅草って荷風っぽい ・今読んでいるのは漱石の三四郎です、美禰子が気になります。 ・次に読もうと思っているのは谷崎源氏 ・最近聞いているのはGRANRODEOです。紀章さんの声が好きで聞いてみたら、アニメとはまた違う自由さが良かったです。
この本達を読んでおいて性的な描写が苦手と言えば、矛盾だと自分でも思います。荷風、谷崎、康成ってそれぞれ特徴ある変態です(褒めています)。作品も文壇に名を轟かせたくて書いたというより、書きたかったから書いたという感じのものもあります。鉄道は例外かと言えばそうでなく、鉄はフロイト的な解釈も出来ますし、鉄路と恋路は似ていると思います。
■三者にはヒット作、ベストセラー、教科書に載る様な作品もあるので全てが全てマニア向けではないと思いますが、康成なんて素でエロとしか言いようの無さそうなものをごく当たり前の様に書くので怖いです。山の音も凄惨なまでにエロかったです。
作風でいうなら、荷風は大概エロというか両性ともに好色とも言える雰囲気、谷崎は焦らしプレイと「美人姉妹」が大好き(無類の女性の足好き)、康成は処女好きと個性豊かです。(伊豆の踊子なんて、あんなに堂々と特急の名前になっていいんだろうかと思う。雪国も話の内容は大概だが、越後湯沢の代名詞になった。)
以上を踏まえてルザ高を書こうと思うのですが、上手く行きません。康成的な雰囲気がルーザー様に合うと思うのですが、書いている竹淵が女性であるためか、康成の瞬間的な美を美しいとは思えど、やはり「高松に好きな人と幸せになって欲しい」と思います。
荷風も康成も谷崎も、作風はやや変態っぽい道を歩み、主人公は相当の末路を迎える事が多いです。痴人の愛の譲治がナオミと暮らしながら普通の会社員でいられるはずがなく、雪国の島村は妻子を置いて雪国旅行、荷風の書く男は(略)。ルーザー様が冷たいとか、高松が変態だとか言ってみても、自分の妄想の安全圏の狭さを感じます。
■PAPUWAのグンマ雑感です。亡くなった高名な科学者の一人息子、亡父の部下と研究に精進中という南国の方がキャラが立っていてよかった気がします。マジックの息子だなんて、シンタローでも苦労するというのに。
そんなグンマの心の帰る場所はどこかと言うと、自分は思いつきません。グンマは高松を南国以降得た権力で好きにした後、心に何が残るのかと言うと自分には分かりません。マジックは相変わらずシンタロー一択だし、キンちゃんもキンちゃんの意思で、隠居高松が待っていてくれるかもしれない四国へ、悠々単身遊びに行ってしまいそうです。
■高松を擁護するつもりはないですが、高松は24年間側にいたグンマに対する最大の礼儀は、「グンマを実父にお返しして自分はしかるべき罰を受ける事」だと考えたと思います。「自分の様な者がグンマと一緒にいる事」がグンマの幸せにはならないと、ずっと昔から思っていたと思います。
不滅のマジシン、キン高&ルザ高に「引けを取らない」「グンマの居場所」が、寝たきりのコタだったのではと思います。PAPUWAで目覚めたコタが遠くへ行ってしまった時、グンマは笑っていました。
高松の様に底意のあるヘラッとした感じとは違うかもしれませんが、自分以外の人間の起こした事を利用してやろうと言う汚さは、高松譲りかもしれません。高松は孤独なグンマを自分の思う様に扱っていた時期がありましたが、グンマも眠っているコタを自分と同じ様に、孤独と退屈を紛らわせるものとして見ていたのかもしれません。
もしコタに何かあって一族が動きを見せれば、グンマも渦中の人になります。実の兄ですし、騒ぎに紛れて寂しくなくなります。でもシンタローはグンマの都合に関係なくコタの所へ行くでしょうし、キンちゃんもコタの体を思えば、第一に高松の手を借りようと思うでしょう。コタにしても、よく顔を見た事もないグンマを実兄として慕うのは難しいと思います。
グンマはその辺の詰めが高松より甘いと思います。 |
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