以下は中傷ではありません。
■ＰＡＰＵＷＡ後半で南国から続く世界観が駄目になったとか、ミツヤの登場で漫画がおかしくなったとか。思わないでもないですが、どちらかというと思わない方です。何故なら既に南国で、「弟のために頑張るシンタロー」という図が早々に崩壊しているからです。
亜美ちゃんの興味がコタになく、シンタロー達青年にあった事は南国の頃から明確です。なら南国はシンタローの漫画かというとそうでもなく、シンタローが敬愛するサビに重心が移り、亜美ちゃんは「サビかわいそう」で大体南国は通してます。（お気に入りのネタだったのかチャン５に移植したが飽きたっぽい）
ＰＡＰＵＷＡが始まる前、ミツヤが出る何年も前から「こうなるんじゃないかな」という感じはありました。もし「お父さんとお母さんがいて、２人から子供が愛される幸せな家庭」か、「父子家庭ではあるが３人の子供を平等に愛し、子供達には誠実に接しているお父さんのいる家庭」がＰＡＰＵＷＡで展開されたら、多分それは亜美ちゃんが描いたものではありません。
■私はなんでルーザー様が死んだのだろうとずっと考えていて、そんな結論に達しました。亜美ちゃんがシンタロー、マジック、サビあたりに自己投影し続けているならば、罰される悪人、謝って欲しい父兄として彼等が亜美ちゃんに描写される事はないでしょう。
「あたしじゃない誰か」が悪くて、「あたしじゃない誰かのせいで悪い事が起きていて」、「あたしじゃない誰かが報いを受ける事であたしは幸せになる」のが亜美ちゃんの(作品の？）価値観です。
■だからルーザー様は南国で息子に自分を殺させるという選択肢を取らされたのです。マジックの代わりに。ミツヤも同じ事で、「あたしはちっとも悪くない。悪いのはこいつ」という亜美ちゃんの理屈を形にしたのがミツヤです。「コタと家族の物語」に意欲的になる事も、想像をめぐらす事も無かった亜美ちゃんには、いつも通り「人のせいにする」以外項を進める手段はなかったと思います。
私はルザ高、キン高なのでルーザー様、高松、キンちゃんに都合よく二次創作をしますが、ルーザー様の死の意味を考えたら、ＰＡＰＵＷＡ冒頭でのコタの扱いのひどさや、青の一族の生まれ方、ミツヤの偏向、リキッド謎の神格化等は、不思議な事ではありません。同時期のカミヨミの滅裂さも酷いですが。
■南国＆ＰＡＰＵＷＡの世代雑感です。
・親世代が色々あり過ぎて、子供世代が霞むかもという作品はあった。あんまり沢山作品を知らなくて恐縮だけど、ナディアはネモとエレクトラの話の方がインパクトがあった気がする。エヴァもゲンドウ、ユイ、ナオコ博士の世代が異様に濃い。ミサトさん、リッちゃん世代も濃さが筆舌に尽くしがたい。
ならジャンやナディア。シンジ、アスカ世代が霞んでいるかというと、そうではないと思う。ネモ世代だけじゃナディアは成立しないんだなと思う。シンジ、アスカ世代も十分面白いし、アスカはあのキャラの出で立ちを説明するために親世代の描写がある様な気がする。アスカは親世代の威力に負けないキャラだと思う。
（アスカくらい頑張って動かさないと、強烈な親をもった子はキャラ負けするのか？三国志の劉備は自分の子が後継ぎに足らない子なら、お前が皇位を簒奪するようにと孔明に言ったが。）
・南国＆ＰＡＰＵＷＡの悩ましい所は、いい所も悪い所もシンタロー世代の事ではなく、ほぼマジックの話だという事だ。主人公はマジックじゃないだろうかとたまに思う。ガンマ団以外の勢力はシンタロー新総帥ではなく、マジックを未だに交渉相手にしていそうだし。
・シンタローではなくグンマでもなく。マジックが自ら「青の一族の生まれ方」を話したのがコタだったと言うのが印象深い。いくらコタだって、自然に考えれば「お父さんとお母さん」があるから自分がいると思っただろう。亜美ちゃんの趣味嗜好にドン引きした読者も多いと思うが、コタ達登場人物に罪はなかったと思う。
マジックの「雑さ」が出ていて、コタに事実を話す場面は嫌いじゃない。シンタローには「普通じゃない」自分を拒絶されるのを恐れて嘘をついたのに。
（※島の生き物に「親子」はあれど「夫婦」がいないので、コタが「島暮らし」で「島の生き物を通じて、男女の夫婦を含めた家族愛を知る」とかはない。亜美ちゃんは動物でも「ノーマルカップル」を嫌うので、青の一族がどうこうというより、あの設定が亜美ちゃんの限界なんだと思う。チャン５に至っては、主要キャラがメカだ。） |
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