madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2014年07月04日 の日記 ......
■ 嫉妬   [ NO. 2014070401-1 ]
■グンマの「解」を考えていました。どうとらえればグンマは浮かばれるんだろうかと。高松の嬰児交換は、サビには「家族へのイヤガラセ」以外の何物でもありませんが、高松にすれば「ルーザー様のお子様が頼れる父親の下で成長なさるように」という切なるものだったと思います。

キンちゃんも高松の性格が分かってくると、一途になった時の高松の選びそうな事だと、嬰児交換を許しそうです。自分と父を強く愛しての事なので。意を決して交換した割に、シンタローの側からほとんど高松は離れなかったですし。多分マジックの次くらいにシンタローの事を考えていたんじゃなかなとも思います。


■グンマには全てがとばっちりというか、南国で高松が与えた自分への「愛」も、上っ面だけのものだったと思わざるを得ない場面が、キンちゃんの帰還以来多々あったでしょう。キン・グンの性格の違いによる高松の態度の差もあるでしょうが、明らかに高松はキンちゃんには、「キンタロー様に仕事仲間や家族が出来て、皆に愛されます様に」という願いを掛けています。

高松の甘やかしにより、男らしい闘争心などない様に見えたグンマの反撃が、「高松をキンちゃんから引き離す事」だったら、地味というかムリというか自分を食う様なむなしさと言うか。


■キンちゃんなら「高松にお世話されてキンちゃん赤ちゃんみたい」とグンマが言えば、すぐカッとなるでしょうから、グンマでも操作するのは簡単です。カッとなってグンマと一緒になって高松を遠ざけた後で、キンちゃんが後悔して寂しがるのが目に見えているのに。キンちゃんを媒介にしないと、自分だけじゃ高松に訴えられないとグンマは思ったのでしょうか。実際そうかも。

南国アニメのグンマは努力家でタフないい青年だったので、PAPUWAのマジック、シン・キンはおろかコタにまで頼ろうとする態度が悲しいです。

■■■


■彼岸過迄のテーマの一つは嫉妬です。男女間で嫉妬が起きても、「嫉妬されて喜ぶ」人がいないのが漱石だなと思いました。「彼はあたしの事が好きだから嫉妬している」と喜ぶ女性もあろうかと思いますが、千代子の苦しみは嫉妬されて深まりました。

漱石は、恋人同士でも夫婦でも、男女、家族というものに期待出来ない人なのかもしれません。自身が年をとった両親の最後の子供だったので里子そして養子に出され、養父の不倫で養子先が崩壊し、その後養父母から大人になっても金づるにされた金ちゃんなので、「家族なんていらない」と思いそうなものですが、鏡子さんと結婚し、沢山の子供の父になりました。

異性関係をいいものと思えない人が結婚したり、恋愛小説を書いたりするなんてあるのかと思いますが、金之助さんがそうです。三四郎で淡い異性への憧れと恐れを書いた漱石は、こころで女性を捨てて同性の友人と心中する男性を書きました。

自分を不安にさせる異性と死ぬまで一緒に暮らすより、同等の教育を受けたから共感も出来るし、性差という恐怖を与えない男友達を選んだんでしょうか。明暗でも夫から愛される事にがむしゃらな延子より、粗野だけど明るい小林の方が、傷ついた津田を救うらしいそうです。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: