■南国中のキンちゃんは強情な暴れん坊ですが、いつどうやってPAPUWAの様な我慢できる子になったのかなと思いました。ルーザー様に眼魔砲を撃った時に、人を傷つける事は辛い事だと知っただろうキンちゃんが、建設的に生きようと思った瞬間を想像してました。
(ルーザー様は冷血漢でも悪魔でもなくて、大好きなママを傷つけると息子がどう出るか想像できる、普通のパパだと思う。)
多分「感情や意見を暴力で押し付けなくとも、高松は自分の事を分かってくれる」と思った時、キンちゃんの霧が晴れたのでしょう。高松なので青の一族の人間のしそうな事なら想像できるでしょうし、暴れん坊の子供の相手なら養護教諭時代に随分重ねてきたはずです。
高松もキンちゃんに出会うまで何もしてこなかった訳でなくて、ルーザー様が亡くなってから、ずっと頭の中で本当のキンちゃんに出会う時を思い描いていたのだろうと思います。多少イメージと違っていたとしても、補って余りある何かがキンちゃんと高松の間にはあったのかなと思います。
■昔話ばかりですみません。らんま1/2を1巻から読み直して、今31巻まで来ました。結構読んでいた回もあって、意外と当時万遍なく読んでいたようです。エヴァ以前らしいレトロなコメディも好きです。
(南国とPAPUWAの間、世間ではエヴァの大流行があったのだが、原作者はエヴァに全く染まらなかったらしい。もし亜美ちゃんがPAPUWAの進行・幕引きに悩んでいたとしたら、エヴァっぽくしてしまえばまだ世間の理解と同情が集まったかもしれない。
でもエヴァの特徴は入り組んだ価値観と、多義的な表現、女性から子供への愛・母性愛にあるので亜美ちゃんには全く合わなかっただろう。くどいんだが、ドクター(お医者さん)とドクター(博士号を持っている人)をはき違えるくらいだから、補完だの福音だのムリか・・・)
以下は天道あかね雑感です。
・あかねが劇中不動のヒロインなんだなと思います。「優しく明るい大勢の家族」「母不在という悲しみ」「将来の夫候補の青年と喧嘩の毎日」「運動は得意でもちょっと不器用」「女らしくない事が悩み」等、悩みや困った事があかねにない訳じゃないですが、シャンプー、うっちゃん、小太刀から常に頭一個出ています。
・「女らしくない」事なら自分も永遠の悩みですが、あかねは十分女の子らしいと思います。自分はこの年で体型や服装や髪形、性格に悩む様な、人様に笑われて当然の人間ですが、あかねの悩みはあかねの水準での悩みなのでしょう。連載当時から、可愛くもてる女子で、乱馬に深く愛されるあかねにとても感情移入出来ませんでしたが、今も悩みのレベルが高過ぎる彼女は遠い存在です。
・スレンダーな体によく似合う、お洒落で可愛いワンピースや、綺麗なリボンを身に着けて「女らしくない」とあかねが悩むのは、そりゃ乱馬があかねを好き過ぎて照れてからかっているんだけだと思います。学校中の男子から毎朝「彼女になって欲しい」と懇願される女子の、どこが「色気がない」「可愛くない」んだか理解に苦しみます。
■南国&PAPUWAの原稿を描いていたら90年代が恋しくなりました。星矢でサガを演じられた曽我部さん、南国でルーザー様をされていたはずの塩沢さん、ハレをされた鈴置さんの演技が毎日の様に聞けた時代でした。もしタイムスリップ出来るのなら、塩沢さんの声を聞くために、あの頃に戻りたいです。(※当時自分は私生活の方は精神的に流浪していたので、二次元の記憶が「いい記憶」だったりする。今も流浪人だけど。)
緑川さん、速水さん、塩沢さん、鈴置さん、たくみさん、中原さん、矢尾さん、他多数の名優が自分の漫画のキャラの声をしてくれたとしたら、天にも昇る様なもんだろうと思うんですが、違うんでしょうか。仮に海外生活していたとかで日本のサブカルに疎かったとしても、「本物」の演技に触れて感動・歓喜しないはずがない・・・。と思うんですが、もしそう思わないのなら、「思え」とも言えませんしどうしましょう。 |
|