madeingermany

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...... 2014年08月01日 の日記 ......
■ 夕霧   [ NO. 2014080101-1 ]
■昔好きだった少女漫画家が、雑誌掲載されていた自分の漫画の18禁同人誌を幼年読者に売ろうとした事件を見て、エロってなんだろうと思いました。言い方がよく分からないのですが、そういう表現について。

昔のアニメや漫画はラッキースケベ的なものがゴールデンタイムであった気がします。幼女向けアニメ・漫画が隆盛した事もあって徐々に減った気がします。らんま1/2は女乱馬の全裸、ランジェリー姿の連発でしたし。

「未成年が目にするには不向きな表現には一定の規制が必要」という事でしょうか。性的な表現以外にも広く言えそうです。コンビニや書店でゾーニングされているのが分かりやすい例だと思います。自分の様な者には書く(描く)のも読むのもあまりない事ですが。


■自分の様な者でも、それっぽい表現に挑む時があります。自分が明瞭に書かない(描けない)だけで、高松はギャグ色や過保護キャラの面を除けば、きわどい男でしょう。流石中学生くらいから、同性だらけの私設戦闘集団に居ついている男と言うか。(心配過ぎてルーザー様が陰ながら高松を守っていそう)

高松はルーザー様のたしなみだったのか、研究や医療を通じて世間の女性に会う事もあれば、外部の人達と交流する事もあるでしょうから、グンマの様に完全に純粋培養される事もありませんでしたが。高松は書こう(描こう)と思えばどれ程にもなると思っていても、きわどさを形に出来ないのは自分の甘さでしょうか。


■自分の欲する「エロ」が「ふれ合い」程度のライトなものであるせいもありそうです。エロそのものより、そこに至るまでの日々が書きたい(描きたい)と言うか。

谷崎源氏を読みだしたのも、いじめ・誘拐・強姦・近親相姦・浮気・不倫・略奪愛他えげつないもので一杯の源氏がどうして「優雅」なのか知りたかったからです。(解答=源氏マンセー世界だから。源氏がした事はなんでも肯定される世界。藤壺の件が例。)


■エロと言うと荷風も濃い人でしたが、荷風は上流階級に生まれた知識人なので一種の落魄趣味というか、意図的なエロです。文化勲章をもらったら、踊り子たちが敬遠して付き合ってくれなくてつまらないとボヤいていました。

漱石・荷風・谷崎が好きなのですが、共通しているのは人間同士の情事を克明に書く事より、「そんな事になったんだよ」という雰囲気を書く事に専念している事かもしれません。漱石のこころの先生の奥さんは先生の死後私と再婚し、子供をもうけるそうです。先生の生前、奥さんは私に無邪気に振る舞う事があったので、あれが漱石らしい序章だったのだろうと思います。

キンちゃんも高松を信頼して無邪気に振る舞って欲しいものです。高松も普段は自衛のためか卑劣を貫くのに、ルーザー様の前では少女の如くだったのでは。



■谷崎源氏を読んでいます。明石中宮の入内、夕霧は雲居の雁と結婚、玉鬘は黒髭の大将の下へとそれぞれの落ち着いた雰囲気が見られて面白いです。源氏がいると大袈裟になるので、源氏の出てこない場面の方がしっくり来ます。

彼等の生活には源氏のサポートが欠かせないのですが、源氏が出てくれば未亡人でも幼女でも人妻でも女官達でも、または男性陣まで源氏にうっとりしないといけないらしいので、読んでいてまたかと思います。朱雀帝だって源氏さえいなければ、普通にお母さんの異母妹を中宮に迎え、彼女と子供をもうけて穏やかに暮らしたでしょう。

源氏物語なのに、源氏がいると違和感がある不思議。紫の上が半ば孤児であるように、源氏の囲っている女性は頼るべき父兄のいない弱い人達です。藤壺や紫の上は、雲居の雁や髭黒の大将の北の方の様に、怒りを発散する事もなく死んでいったのだろうと思います。

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