■谷崎源氏を柏木の死まで読みました。源氏が当時の政治権力の最高点らしいので、その源氏ににらまれたら生きていられないという事だったようです。柏木の病気を心配している頭中将夫妻に泣きました。頭中将は今は致仕の大臣ですが、左大臣家のトップでありながら、いつまでも源氏の当て馬なのが残念です。
源氏というと息子の冷泉ですが。他の帝や大臣が子沢山なのに、冷泉には男の子がいないようです。冷泉帝の次の帝は朱雀帝の子供なので、源氏の血筋が帝位を独り占めする事はありませんでした。
猟色家(皇妃・皇女等身分のある女性限定)の源氏にそれとなく、紫式部は罰を与えたのでしょうか。帝なら何人妃がいても自然ですが、臣下の源氏が天皇もどきの派手な後宮を築いた事への。夕霧・明石中宮には冷淡そうな源氏なので、「愛する女性と子供が持てない」悲しさなんて感じる神経なのかが、そもそも疑問ですが。
紫上や六条院の愛人達は「源氏の息子」が欲しくてならなかったでしょう。花散里が夕霧の息子を愛育したり、源氏の縁者に愛情を向けていたのを聞くと、源氏の薄情さと罪深さを感じます。(夕霧は真面目なせいか子沢山)
■テレビシリーズのエヴァを見直しています。劇場版の最新作を楽しみにしています。以下はミサトさん雑感です。
・シンジ君を異性として意識している気がする。子供に手を出す程〜とリツコさんに言うが、そのシンジに「男でしょ」と連呼するミサトに違和感がある。セリフだけなら母子の様と言えなくないが、上司部下間で男男言われても。ナディアのグランディスくらい女を武器にしてくれるとまだいいが、ミサトは変な所で男ぶる。「雄々しい女性」は好きなんだが。
・シンジに男だからしっかりしろと言うのは、アンタは男だから自主的に、女のアタシを、身を挺してでも守れと言う脅しだと思う。シンジにそんな心の準備はないし、ミサトからオンナを見せつけられても(第一話のミサトの写真)、逆セクハラになるだけだろう。
ミサトの父の様に、自分の命よりミサトを大事にする姿勢を、今アタシに繰り返せとシンジに迫るミサトは横暴かもしれない。シンジに上司として冷静に接するなかで、隠しきれない母性が見えたとか言うならまだ分かるけど。冷静な時のミサトさんの方が好きだ。
男は仕事という何よりの表現方法を持つが、女性は異性に関わらないと「女性」らしさが訴えられないのかと思う。加持といそいそと同棲を始め、わざとらしく明るく振る舞って疲れ、加持は何も悪くないのに、理想と違うと言い出して、「潔く」自分から別れ話を言い出すミサトの姿が浮かんだ。ミサトは美女だから横暴さも許されようが、ミサトが普通の男性だったら目も当てられない。
・ミサトの父は調査隊のリーダーになる様なすごい男だったはずで。ミサトは家庭を顧みない父を憎んでいたと言う。同時に父を奪ったセカンドインパクトも恨んでいて、だからネルフに入ったとも言う。
・ミサトは、自分が望む様に付き合えなかった父との関係を、他の男性でやり直したいのかなと思う。加持を父と重ねて見ていた事に驚愕して別れたらしいが、シンジに「男」「男」言うミサトはその辺のモヤッと感から脱していないと思う。
・自分は、ゲンドウやリツコの様な冷血な人間ではないとミサトは自慢している様だが。たった14歳のシンジに亡くなった父への葛藤をぶつけて、勿論解消出来ないからイライラを募らせるのはどうか。シンジを物の様に扱うゲンドウや、感情を見せないリツコの方が余程優しいと思う。
シンジと周囲が信頼関係を構築するはずのエヴァ冒頭だが、シンジは兎も角、ミサトさんが子供のシンジにまるで付き合って間もない彼氏にでも話しかける様にあれこれしゃべるので、違和感が半端ない。あれ保護者の態度じゃないだろ。同棲相手に不満をぶつける、瀬戸際の彼女みたい。 |
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