■谷崎源氏を読んでいます。よく三宮、八宮と出てきますがそれぞれ三女、八男という意味だそうです。ちなみに冷泉は桐壺帝の第十皇子だそうです。左大臣家、右大臣家でも同じくらいの人数の子供がいて、朧月夜は六女です。あれだけ派手な後宮まがいの六条院を飾りたてた源氏が、たった二男一女というのが不思議な様です。
源氏が目指したのは一族の繁栄ではなく、身分ある女性を次々と得る事だったので、納得の展開でもあります。源氏の子供を生んだ女性、葵上、明石上、藤壺が、源氏の「いつもの恋の相手」と言うより、「出来れば源氏と関わらないでいたかった」方の女性である事も、なんか納得出来ます。（源氏にとって「一族」ってなんだろうと思う。囲った女性達の近親者は余り出てこないし。）
■ルーザー様の性格と立場を思うと、たまたまサビとジャンの事件で不安定さが明るみになっただけで、いつか何かの拍子に高松を置いて行ってしまう気がしました。
マジックも「可愛くない奴は捨てる」タイプの男なので、ルーザー様がさすらい出したら、基本止める人はいません。サビは「可愛がってくれれば誰でもいい」人だし、ハレも殺しても死なない様なルーザー様が本気で悩んでいたとは、何かあった後でないと思わないでしょう。
■そんな時の高松じゃないと思いたいんですが、ルーザー様に対して高松がそこまでの力を持っているのかが不明です（なのでルザ高は描きにくい）。若い時の高松なんて、ルーザー様にある意味盲従している気がするので、いざという時は惑うしか出来なそうです。
自分がルーザー様と対等の友達でも、近親者でもない引け目から、「どこにも行かないで下さい」という思いが、「アンタがいなくなれば、私が仕事を失うでしょうが」という、利己性に繋がりやすい恐怖を感じるのかもしれません。
高松は「自分勝手」なルーザー様と数年過ごし、おまけに恋までしてしまったとなれば。「この人の希望した事全てを受け入れるのが自分の最善」と思い込むようになったとかもありそうです。（自分は彼に恋をしていると錯覚でもしないとついていけない程、とんでもない人でもあったろうけど）
■利己的なのは悪い事じゃないと思います。利己性あらばこそ、人は食事という摂取、生き物の命を奪ってでも生きているわけで。高松は大人なった後はグンマにエゴを向けたり、キンちゃんにも体当たりの付き合い方を選んだりと出来るのに、若い頃はそうでなかったのでしょうか。
どちらかと言うと感情豊かな子だと思うので、ルーザー様がただの出張でないと知った時、「行かないで下さい」とわんわん泣いたと思うんですが。ルーザー様は高松を振り切らざるを得ないくらい、もしかしたらマジックとこじれていたのかもしれません。
ルーザー様と高松は対等ではなかったかもしれないけど。ルーザー様もある意味手におえない人だったけど、思いやりはなくなかったのだろうと思っています。 |
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