コミケ前夜です。早い方はもう東京入りされている頃でしょうか。自分は明日の晩、東京に向かいます。一般で来られる方も、待機列の暑さはすごいので気を付けていらっしゃって下さい。
夏コミ、夏大阪が閉幕したらスパーク本を描き始めようと思います。「キンちゃんを指導する高松」と言うとマイフェアレディの様ですが、キンちゃんの方が遥かに身分の高い子である点が違うかなと思いました。
以下は雑感です。
■谷崎源氏を雲隠まで読みました。本編のない帖で、読んだ人がこぞって出家したという伝説があるそうです。御法での紫の上の死は、源氏の猟色を見て見ぬふりをし続けた結果でしょうか。彼女が幼い頃から、源氏は愛人の家で夜更かしするのが普通でしたし、古くは六条御息所、朝顔の宮と北の方候補も大勢いました。
源氏の兄弟の蛍兵部卿宮は玉鬘、女三宮を迎えたい意思があったけれど、愛人もいるし、いい噂を聞かない事からそれぞれ実らなかったそうです。でも源氏も、六条院の身分の高くない女房達に手を出しているので、何がどう兵部卿宮と源氏は違うのか、自分には分かりません。あえて源氏の抜きん出た点を言うなら、辛抱強く仕えてくれた紫の上の存在でしょうか。彼女はとても評判のいい、出来た女性だったそうです。
■エヴァを見ています。父との関係に悩む気弱そうな少年と、豪放磊落な美人管理職って新しいと思わせておいて(90年代のアニメですが)、実は古典的なジェンダーだなと思いました。ミサトが「男性が描いた女性」っぽいからです。ミサトは美貌、バスト、ヒップはたくみに描かれていても、心根は「おじさん」かなと思いました。羞恥心や奥ゆかしさが薄い辺りに。
チャランポランがミサトの主な性格なのだと思いますが、90年代らしいボディコン美女の中身が「少年少女を身近に集め、仕事にかこつけて癒されようとするオジサン」なのかもと思うと。モダンでカッコいいキャリアウーマンですと言いつつ、女性の古典的役目である「年少者を世話する」事も叶えるという、器用さをエヴァから感じます。
■ミサトは表面的な明るさや、管理職の立場による前向きなポージングに頼るより、悩んでいる姿の方が魅力的に思えます。加持がミサトを「彼方の女」と呼んだのは、肉体関係があろうとも、絶対にミサトが誰にも触れさせないプライバシーを感じたからかなと思います。「君の全てが欲しい」と加持は思ったのでしょうか。
ミサトはレイやアスカには、シンジ程親切を示しません。レイはゲンドウのお気に入り、アスカは自主的な性格なので手間いらずとも言えますが、やっぱり加持がにらんだように、シンジを異性として気に入ったのかもしれません。何でもいう事聞きそうな子ですし。同性のレイ、アスカにはミサトが得意な「女の武器」が利かないのもあります。レイ、アスカ、マリに「女の子でしょ」とミサトが言ったらしらけるでしょう。
ミサトは「自分決めろ」「自分のために」とよくシンジに言いますが、反転して「アタシに従え」と言っている様に聞こえます。シンジが大人しく従うと、面従腹背されている様な不快感がこみ上げるから怒るだけで。 |
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