いつもの妄想です。
■ルーザー様が漱石なら(※自分が想像しうる最も気性の激しい天才)、高松は小宮か鏡子さんなのか悩みます。小宮も漱石の常人でない所は分かっていたと思います(※漱石も小宮も超知的エリートなので知識人としては同じ土俵にいると思う)。
高松もルーザー様に傾倒していて、同じ様に学問の道を選んだのなら、言うなれば小宮でいいと思います。
ただ高松の場合、子供っぽい時のルーザー様でもOKな訳で。単なる傾倒とも言い切れない部分があります。漱石と小宮は同性故の馴れ合い、知的・文化水準の高さを認めった故の阿吽もあると思いますが、あくまで私淑の世界なのかなとも。派手派手しいですが。
■高松は小宮のふりした、鏡子さんになりたかった人なのかなと。鏡子さんが漱石の文学そのものを応援する事はなかったと思いますが、漱石と家庭を築いています。高松は学問の世界に身を浸す事を選んだくせに、やはり残したかったのは別の物だった気がします。
だから、高松はルーザー様が残したキンちゃんに殺されに行ったのかなと。キンちゃんから見ると、ママが来たから喧嘩するの止める気になったんですが。漱石の硝子戸の中に「悪い夢を見てうなされていたら母が枕元に来てくれた」とうのがあるのですが、目覚めて荒れていたキンちゃんが正しくこれかなと。
本当なら高松をしっかり科学者の男性としてとらえるのが正解だと思います。これは痛い妄想です。
■日文にはルーザー様みたいな人が多くて安心します。安心しちゃいけない所ですが、気性の激しいなんてもんじゃない人が多いなあと思います。
小宮の「夏目漱石」を読んだ事があります。漱石の人生を出生から晩年まで書いたのは分かるのですが、恐ろしく完結していて逆に怖かったです。小宮と言えば漱石神社の神主と呼ばれた男で、漱石全集も手掛けているそうです。小宮が漱石を神格化するのはやむを得ないし、漱石は周囲の人をそういう風にしてしまう事が多かった様です。
■小宮はそれでいいと思いますが、やはり漱石に苦労したのは鏡子さんでしょう。あのキンちゃんと添い遂げたすごい女性です。
自分の好きな作家と言うと谷崎はバツ2の子供嫌い、荷風はバツ2の人間嫌い、康成も薄幸で孤独死、と本人はよかったかもしれないけど、何とも寂しい生涯だった人が多いです。漱石も苦労は並大抵ではありませんが、添い遂げた女性がいるのだと思うと、小説を読む方も安心します。 |
|