■永井荷風の断腸亭日乗を読んでいます。荷風の半生の日記ですが、ところどころフィクションなのかなと思います。合間合間の心情吐露が荷風らしいです。
見合い結婚しても離婚、恋愛結婚しても女性から別れて離婚、お手伝いさん代わりに玄人の女性を身受けしても続かず、戦時中は疎開先で呆れられ、なるべくして単身生活者になった荷風なので、日記とはいえ飾ってあるだろうなと思います。創作物なので構いませんが、荷風は普通の意味で相手を思いやる事がなかったのかもしれません。それがいいとか悪いとか、自分は言うつもりはありません。
■柴田亜美の功績は、家庭的な変態の成人男性を生み出した事だと思います。他の作家さんの描く変態は、女性への性的関心をこじらせた結果の変態の方が多いと思うので、男ばかりの漫画でどう変態キャラが動くのかと言うと、「仕事が終わった後はエプロンして御飯炊いてくれる」系の、むしろ望ましい変態になると思います。
（例、マジック、高松、アラシヤマ。彼等は単に好きな人に尽くすのが好きな人達なのだと思うが、動かし方に原作者の悪意を感じる。）
南国では女性キャラの不在が左程目につきません。パプワ、チャッピーといった幼年キャラやアニマルの可愛さがあるらです。シンタロー世代、マーカー世代、マジック世代と、性差はなくとも世代の書き分けはあった気がします。
ＰＡＰＵＷＡではバランスが悪く、グンマ、サビ、コタの誰かが女性ならよかったと思います。グンマは女性で、シンタローかキンちゃんと婚約中くらいのテンションで突っ走らないと、「総帥の長男でいい大人なのに危険を避け、世話する子供もいないのに安全な家で待ちぼうけ」である説明になりません。ＰＡＰＵＷＡの良心は心戦組とコージだと思いました。
■ルーザー様と来ればその死ですが。高松は彼が亡くなったと断定された時どうしたかというと、グンマの側にいたと思います。キンちゃんの側じゃないかとも思いますが、「貴方のお父様は亡くなりました」と、キンちゃんに言うのは余りに辛いでしょう。何食わぬ顔をして、サビの提案に乗る高松。
幼いグンマの近くにいる事が、高松の選んだ後追い自殺だった気がします。いかにも好きな人に死なれて自殺した様な死に方は選ばない気がしますし、ルーザー様の子供を世話しようとしたら、そこは青の一族なので、他人の高松の出来る所業でないから、幼児に眼魔砲で殺されたという筋書きを高松は望んだのでしょう。
誤算だったのは幼いグンマが生き残るために、高松の手を借りる事をよしとした事です。死ぬためにグンマに近づいた高松が、グンマの世話係として再生してしまった皮肉。
南国でキンちゃんが目覚めた後も、高松は怒り狂うキンちゃんに殺されようとしていました。よりルーザー様に近い青の一族の怒りに触れて死ぬことだけが、高松の願いだったのに、グンマには用があるから死ぬなと言われ、キンちゃんからは母の如く慕われる不思議。
■ルザ高って信仰だよなと思いました。どなたかに強要・強制しない限り、信仰するのは自由なのだろうと思います。コミックスを読み、妄想して原稿を書いて（描いて）、コミケに参加しても、示威活動に及ばない限りは思想・良心は自由だそうです。
冬コミの表紙は冬っぽい物と思い、青い紙にしようと思っています。絵柄として。
・新潟の酒＆温泉を楽しむキン高
・ルーザー様の帰りを待つ、幼年キンちゃんと家庭内使用人高松（※パラレル）
・クリスマスっぽい包みを持つルーザー様
を考えていました。キンちゃんと高松については何はともあれ疑問を感じないのですが、ルーザー様が心から大事にしている人の１人はキンちゃんでも、高松はどうよと思いました。ルザ高を標榜している癖に弱気ですが、高松の事しか考えないルーザー様というのはやり過ぎだろうと思っています。瞬間的にはそう思ってくれるかもしれないけど、高松は彼の一番ではないと思います。
だから高松はいい大人になっても、次の恋も出来なければ、青の一族から離れる事も出来ないのだと思います。待っていればルーザー様がどこからか戻ってきて、好きだと言ってくれる気がして。頭のいい高松なので、それは全て自分の願望に過ぎないのだと知っているでしょう。
高松が自虐的に生きていたとしても、自分は高松をそのままにはして置けません。忙しくても、兄弟との絆も大切にしても、高松の事なんて時々忘れていてもいいから、彼に帰って来て欲しいです。 |
|