madeingermany

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...... 2014年12月17日 の日記 ......
■ 原風景   [ NO. 2014121701-1 ]
■寒いです。

■ミラクル☆トレインの中では、よく原風景という言葉が使われます。元気のない人を励ます作品だったので、落ち込んでいる人の心のより所として、昔の東京の風景や、家族と過ごした場所を思い出させる展開が多かったです。人によっては古傷を引き剥かれる苦痛じゃないかと思いますが、そこはミラトレなので穏やかなものでした。

キンちゃんの原風景って、自分を迎えにくる高松の姿じゃないかなと思います。どんなに嫌な事や、苦しい事があっても、諦めないでいればママは来てくれて、身を挺してでも助けてくれるのだという感じの。ルーザー様の絶望的な幼少期と比べて、キンちゃんの場合マジシンの余波のせいか、人を信じる気持ちが残ってる様です。



■高松に原風景があるなら、瀬戸内海の風景ではないと思います。豊かな科学的好奇心は思春期以降のものだと思うので、原風景より理性的なものだと思います。ルーザー様のお姿も、決して高松個人のものではないので、原風景というシンプルで平和的なニュアンスはありません。グンマの原風景は、甘やかしてくれる高松だったと思うので、ウテナ並に転覆してます。

無償の愛を信じるか信じないかは、どちらでもいいと思います。高松の理性は、自分が尽力する相手にすら及んでいて、盲目的な愛を高松は持たない気がします。彼が自覚しないだけで、愛情深い人だと思いますが。尽くせば愛されるとか期待しない人ですし、楽しかった幼年時代とか高松にもあるかもしれないけど、彼にとって価値がないのでは。




ルザ高の雑感です。

■誰にでもある心の原風景は、ルーザー様にとっては例えば誰もいない屋敷で、いつかマジックと2人だけで過ごした晩なのかもしれないです。父も母もいないし、使用人達は仕事が終われば部屋に帰ってしまうだろうし。誰か側にいて欲しいとルーザー様が思った時、たまたま近くにいたのがマジックだったのかもしれません。

マジックを崇拝している事にかけては、山南ケースケも相当のものですが、PAPUWAで山南がマジックの活躍を目にしたのは、ある程度の年齢になった後の事でしょう。少なくとも中学生以上くらいで、いわゆる「将来ああなりたい人」がマジックだったのでは。漫画家が手塚治虫に憧れる感じで。ルーザー様の場合、肉親として己の全てをかけて兄を慕う訳で、他に舵が切れません。



■ルーザー様の原風景に、高松はいません。高松はルーザー様を愛するなら、彼の原風景も愛そうとするでしょうが、どっちみち高松の影のない世界です。否定すればルーザー様が怒り出すので滅多な事は言えませんし、所詮原風景なので、ウテナじゃないですが崩壊します。原風景から飛び出す事はルーザー様の辞書にないので、原風景の崩壊と共に、彼も他界します。

マジックはルーザー様を可愛がらなかった気がします。ライオンパパは遠征する時に、弟の面倒を見る様にマジックに言ったでしょう。マジックは遠くに行ってしまう父と一緒に行けないのは、ルーザー様のせいだと思ったかもしれません。ルーザー様にしても、兄さんは僕の事を愛してくれているとでも信じなければ、生きづらかったでしょう。現実にはないマジックの像を作って、心を温めていたのではと思います。だから内容は問わず、ミツヤの手伝いをしたのでは。



ハレ・サビの誕生の際は、マジックも兄である事に慣れて来たと思います。ルーザー様の心の中だけにある美しい兄弟像を、高松は尊重しようとも思ったでしょうし、覆したくもあったかもしれません。なので彼が自分の原風景に殉死していった時、マジックの家族達を殺さないまでも乱そうとしたのでしょう。

しかしながら、マジックはグンマにもコタにも関心がありません。シンタローだけ好きなマジックに、高松の仕返しは効きませんでした。マジックの子供のグンマに、「貴方のお父様は戦死して今はいらっしゃいません。お母様とも会わせて差し上げる事は出来ません。」と言った時、高松はスッキリしたのでしょうか。それ以降、グンマが内心の自暴自棄を隠す様に、仮面をかぶるようになったのに高松は気がついても無視したのでしょう。

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