■今冬、自称群馬の観光大使になろうかなと思います。そんな依頼はどこからもされていませんし、既に有名人が群馬のアピールに努めています。東京大阪と言う大舞台で、自分のちっぽけな本を見てもらいに行くので、それくらいのハッタリ・理由付けをしたくなります。多分キンちゃんの生みのママは群馬人女性です。
(父は秘石生まれ英国人?、生みの母は群馬県人?、育てたのは香川人男性というハイブリッドキンちゃん。)
草津が日本一の温泉、ぐんまちゃんが日本一のゆるキャラ、富岡製糸は日本最新の世界遺産、いずれも真実ですが、いつも群馬県の魅力ランクは全国47位前後です。
■昔好きだった少女漫画家さんが、暴走しています。昔から暴走が特技の様な方で、「自分の全てを見せるのが自分らしくていい」と断言したくらいの方なので、想定内です。どう暴走するにせよ、漫画という媒介なしには暴れない方です。
連載が一本もないのに景気のいいふりをする事はありませんし、漫画がアニメ化した際も、あくまで原作者としてチヤホヤされているという引け目は感じていたと思います。二次元を介してしか暴れられないなら、それでいいと思います。みんなのアイドルである声優さんに対し、あくまで原作者として落ち着きがないなら、それでいいと思います。
まさか仕事しに来た声優さん達に対し、「この絶世の美女の私に、目の前の男達が一斉に一目惚れし、仕事を理由に交際を持ちかけようと息巻いている」と解釈するなんてないでしょう。
■荷風の日乗を読んでいたら、高松がグンマを愛した理由が分かる気がしました。自分は高松ではないので分かりませんが、青の一族の奉公人に過ぎない高松が、嫡男のグンマを青の一族から解放したいなどと口走るとは、山野で採取した草花を、自宅の温室に植え替えて楽しむ人の様です。
それはそれで高松の心を一時は満たしたと思います。でも植え替えされた花が本来のたくましさやしなやかさをキープしているかは疑問です。新しく咲いた花として、ルーザー様に生き写しのキンちゃんが、山野の荒々しさそのままに登場すれば、高松の目はそちらに注がれます。
多分高松にとって、対等の友人はとても少ないと思います。彼の頭脳と行動力、生産力の前には、大多数の人は従うしかないでしょう。そんな高松が自分から膝を屈するのは、実験室で咲いた小さな花の様なグンマであり、身勝手な実験を無視するかの様な生命力と、ルーザー様の息子である愛くるしさでいっぱいのキンちゃんなんだろうなと思います。
■高松が、頭の悪い奴は死んで下さいと言いますが、荷風も同じ事言いそうだなと思いました。荷風は新聞を読まない人だったそうですが、田舎から上京してマスコミに就職した人の文章が嫌いだったようです。
荷風は流行歌は安直だから嫌い、政治家は田舎の乱暴者が欲にまみれて騒ぐだけだから嫌い、文壇も同じ理由で嫌いだそうです。なら荷風は何をするのかと言うと、日乗では近松や四書五経を読んでいました。
頭の悪い奴が嫌い、という人は何を楽しみに生きているんだろうと思いますが、荷風は、新聞や小説を読まない女性が好きだった様です。女性ライターがプライドの高い事を言ったら、こき下ろしていました。荷風の好みに合う女性はごくわずかでしょうが、今読んでいる日乗が荷風50歳の時のものなので、あと20年以上生きる荷風に、楽しい生がある様にと思います。
荷風は、頭の悪い人は死んで下さいと言えるくらい、頭脳明晰な男だったと思います。明晰だから幸せか、他人から愛されるのかというと別問題ですが、当時も今も、恐らく荷風を越える文章はそうないのではと思います。現代でも尊大で傲慢で、高飛車な文章は多分あるにせよ、自分は読まないと思います。
孤独を愛し、親の財産で美食と美女を楽しむ事は誰にでも出来るかもしれません。ですが、荷風の様になりたいと言うなら、ベストセラー作家の文章間違いを瞬時に見抜き、漢検一級以上の語句をスラスラと唱え、英語フランス語を母国語の様に話し、朝刊を読んだら記事の正誤を見つけて不愉快になるくらいではないとなりません。
自分は読書は好きですし、テレビ番組は余り見ないですが、とても荷風にはなれません。凡人もしくはそれ以下です。日乗はいわば荷風のブログですが、ちゃんと万人が読めるように配慮してありますし、荷風の独特な価値観に馴染めば30年分くらい読めそうです。 |
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