madeingermany

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...... 2014年12月30日 の日記 ......
■ すねる   [ NO. 2014123002-1 ]
PAPUWAを読んで違和感があったのが、高松がキンちゃんとグンマの反抗期にすねて、隠居したという事でした。性格はあれだけど40代半ばの働き盛りの名医を、みすみす手放すシンタロー総帥は損をしたなという思いと、高松ってすねてない時ってあったっけ、と思いました。

頭のいい人の方が悲観的になりやすいとは聞きますが。つまり、いきなり44歳という分別盛りの男がちょっとした事ですねたのではなく、もともと鬱積していた不満足感、行き場のないルサンチマンをやっと自分の物に出来たのではと思います。



ためこんだルサンチマンの行き場ってどこなのだろうと思います。高松の場合、覇王マジックに小石を投げる意味で息子のグンマをだまして囲いましたが、それくらいではマジックは傷つきません。怒りというレールの先はやはり怒りしかないので、いつかは駅に降りて駅弁を食べるなり、ホテルで一泊なりしないと体が持ちません。

なんで高松が癒されないレールに乗ってしまったのかと言えば、彼の起点だったルーザー様がいなくなったからです。息子のキンちゃんが現れてくれて、高松と心を通わせた時、高松の「すね」はやっと彼のものになり、ずっと離れられなかったガンマ団という閉じた場所から出ていけたのではと思います。(ウテナ風に言うと、世界を革命した高松。)



妄想込みで高松の半生

■何を思ったか香川から暗殺者集団の付属学校へ進学。自分の才能を生かせる所へ、という思いなら京阪神あたりへの進学ではいけなかったのか。

■才能を誇って士官学校に入ったものの、周囲では特異体質持ちか、総帥の縁者がトップクラスを占めていて、少しばかり勉強と運動が出来ても、肩身が狭い。

■ならばと禁じ手の様に総帥の弟に近寄り、研究員見習いになるが、才能を伸ばすという点では有効だったものの、彼は超がつくほどのブラコンだった。



■彼は特別な育ちだし、家族の絆で危険な状況を乗り切ってきたのだろうから、高松がルーザー様のブラコンについてあれこれ言えはしないが、ルーザー様がマジックに使い捨てされる心配を抱く高松。

■すごいブラコンの男を好きになったのは仕方ない。お付き合いさせてもらえるくらい関係を深めたのは束の間、いくらブラコンだっていっても死ぬ事はあるまいと思っていたが、兄弟のために殉職された。

■残された彼の男の子に、憎いマジックの全財産を相続させようと嬰児すり替えを敢行するも、秘石のあれこれで失敗。苦労して手懐けたグンマも、高松を捨てて本当の家族の下へ去る。



■なんかもう自分には仕事しかないなと思ったら、総帥が代代わりして、学生時代に散々醜い所を見せてしまったシンタローが新任。免職不可避。

■折角出会ったキンちゃんも、高松の不安定な立場や、結局自分やグンマとは家族でない悲しさをまだ理解出来ないので、一方的に「お前がいなくてもいい」宣言をグンマの提案でしてしまい、不可避だった免職は現実のものに。

■何か身の回りが静かになり、自分の宣言がいかに高松にとって大きい物だったのか気が付き、狼狽するキンちゃん。隠居先に行って見たり、理由をつけて高松を呼び戻したりして再縁させる。

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■ 真っ赤な服着たお医者さん   [ NO. 2014123001-1 ]
荷風の日乗を読んでいます。漱石、康成、谷崎と変態の王様の様な人達の本ばかり好きですが、彼等には家族や特定の女性がいます。荷風にもあったかもしれませんが、決定的な影響を荷風に与えていない気がします。

母方の一族を除き、荷風にとって周囲の人は、いつまでたっても大勢いる誰かだったのではと思います。谷崎は荷風に卍を贈呈したそうですが、卍的な、プライバシーを覗き合う様な世界に荷風は共鳴しないのではと思います。(卍は面白いです。後期の谷崎ワールドの序章。)

荷風もエゴの人ですが、例えば晩年の谷崎が義理の家族の女性を猫かわいがりし、女性秘書に嬉々としてハラスメントを繰り返していた様な事はしなかった気がします。孤独のエゴというか、誰かに内面を分かってもらおうと足掻く様な事、荷風はしなかったと思います。それだけ荷風が生来裕福で、優秀で、著名な作家だったから出来た事なので、自分などが憧れれば怪我をします。



■少し前、高崎駅前で買い物をしていたら、クリスマスソングが流れていました。真っ赤なお鼻のトナカイさんでした。恐ろしい歌でした。(※本当はこの歌が作られた背景には、家族の病気を慰めるいい話があります。)


・サンタさんは赤い鼻のトナカイさんが周囲のトナカイに笑われ、泣いていても長い事放置していたらしい。クリスマスの日が晴天続きなら、ルドルフの出番はない。赤い鼻が役に立つから、ソリの先頭を走る事を望まれたルドルフだけど、彼にとって仕事しないといじめられっこのままだった事実は大きいと思う。

・ルドルフが高松に聞こえた。PAPUWAで自分をサンタに例え、ウィローと津軽君から真っ赤な鼻血の赤い服着たお医者さんと言われた高松だが、少なくとも、彼が「お家でプレゼントを待っている人」の方ではないのは、よく分かる。



・高松も、暖かいお家で家族とケーキを食べる方になればいいと思うが、どうも違うらしい。キンちゃんの窮地を救って去って行くだけがあの時の高松の目的であり、キンちゃんとケーキを食べ、暖かい暖炉の前で過ごす役目は、他の人のものだと彼は言う。

・ルドルフが一夜のヒーローになったのは事実で、その後彼が、周囲のトナカイからいじめられくなったならいいと思う。高松なんていい年してすね、半端に隠棲して、電話一本で古巣にニコニコ舞い戻るいい加減な男だから、最早彼をいじめる様な勇敢な男はないと思うが。

基本的に高松は孤独だ。
(拙宅のキンちゃんは、青の一族とグンマの希望通りにクリスマスを祝った後、高松の隠居先に駆けつけて年越しする子だ・・・。ルーザー様もルザ高なんていう幻なだけに高松が好きだ。)



■群馬には日本一、元日本一のものが多いです。最近まで日本一短いトンネルも群馬の吾妻線のものでした。最長・最深のトンネルも一部群馬にあったので、鉄道・観光と色々な一番がある群馬です。

同人誌即売会会場で、群馬の温泉・観光のチラシを配っているサークルがあったら竹淵だと思います。流石に、生こんにゃくやシイタケ、熱々の酒饅頭などは会場で配れないので、一度群馬を体験に来て下されば幸いです。


■キンちゃんの役目って何だろうと思いました。永遠に主役になれない子と言うか、左手は添えるだけという言葉が浮かびました。華やかで勢いのある子でも、世間知らずで基本的にお坊ちゃんなので、シンタローみたいなキャラ性の広がりは乏しいでしょう。周囲への適応性は低めだと思います。

南国
■悪役・ラスボス候補、青の一族の悪さの象徴
■マジシンの続行により、対決するキャラがいなくなってしまったので、急遽父殺しを敢行させられた

PAPUWA
■青の一族&ガンマ団の貴重な労働力
■シンタローの補佐、グンマの遊び相手、伯父叔父達の世話焼き、科学者チームのとりまとめ、若い団員からの苦情を聞く係(ドクターに献血を強いられたとか、グンマの実験で怪我したとか)

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