ルーザー様の事を考えていました。ハレのペットの小鳥を握りつぶす男ですが、その行動の理由は何なのかと。単に、今のPAPUWAのキンちゃんの様に世間知らずなだけなのかもしれませんが。
麗しき四兄弟像に水を差すつもりはありません。ですが四人は一つだなんて信じていたのはルーザー様お一人だった気がします。ルザ高は四兄弟の睦まじさの前には無力ですが、家族愛はイリュージョンに過ぎないとも言えるなら、もしかしたら、かつてルーザー様のお近くに高松の居場所があったのかもしれません。
南国&PAPUWAにおいて、高松の居場所はありません。高松はパプワ達の島とは無関係、シンタロー世代とは犬猿、サビ&ジャンには怒りに似た感情を向け、グンマには嫌われ、キンちゃんにもいい家族が出来たとなれば。(※コタを含めマジック達のホームドクターとして、隠居してもヒョコヒョコその辺にいそう。)
・・・下に書きましたが、人を動かすのは愛にあらず、孤独への恐れも含めて、恐怖かもしれません。どんなに見っともなくても、鼻血を出しながらホイホイ古巣に戻ってくるのが高松なのかも。昔も、兄弟に目の色を変えるルーザー様の側で、彼のために黙々と働くくらい何でもなかったでしょう。高松が報われます様に。(これは愛じゃない恐怖だといいながら、貴方ORお前を失う事への恐れこそ愛だとかルザ高には言いたくなる。エゴ。)
■何故23歳にしてルーザー様が死を受け入れたのかと言うと。10歳くらいから「兄に殺される自分」の想像をしていたからだと思う。ミツヤの頃の大粛清を見ていたルーザー様は、自分一人免れるとは思っていなかったと思う。
「自分を守ってくれる兄」ではなく「いつか自分を殺す兄」がマジックだから、23歳の自死に至る発端がサビとマジック、ジャンの色恋沙汰であっても、「兄に殺される自分」のイメージに現実が追い付いただけだったのかもしれない。
マジックがジャンの一件が済んだ後に、ルーザー様にかけた言葉は「死ね」だった。ルーザー様が純粋な兄弟愛に突き動かされて暗殺を行ったとしたら余りな言葉で。
でもハレがルーザー様の暗殺活動を有難がらないのは、ルーザー様が家族愛故に殺人を繰り返すのではなく、ルーザー様がマジックへの恐怖故に他人を殺しているだけなら、ハレはルーザー様が嫌いだと思う。ハレは愚弟としてマジックに可愛がってもらっているら、そんな高見の見物をしていられるのだけど。
■人は愛ゆえに動くのではない、恐怖からだ。マジックの周囲では当たり前の事で、鋭敏なルーザー様にはよく分かっていた事だと思います。
■ルーザー様を突き動かしていたのは、マジックへの恐怖かもしれない。ハレを寝かしつけなければいけないが、ハレは遊んでいて眠ってくれない。遊びを止めさせる=小鳥を握りつぶす、になるのは短絡的だけど、もっと短絡的な恐怖、「ハレを寝かさねば兄に自分が殺される」恐怖があったのではと思う。
ルーザー様はハレ・サビと違い、父が亡くなった後のマジックによる大粛清を見ている。頭のいいルーザー様だから、「自分は弟だからマジックには殺されない」とは思っていなかったのではと思う。兄に殺されないために、血を血で洗う粛清に自分も参加したのではと思う。
マジックにすれば僅か10歳くらいのルーザー様が、「兄に殺される」と恐怖していたとは夢にも思わないだろうから、ミツヤの取り越し苦労的な粛清への拒否感に輪をかけ、ルーザーも粛清に参加していた事に驚愕したかもしれない。結果、(マジックから見れば)大した理由もなく、殺人を繰り返すルーザー様を「狂っている」とマジックは思っただろう。 |
|