■南国＆ＰＡＰＵＷＡを含めて、この原作者の漫画を思うに残念なのは、先日も書きましたがキャラの立ち位置がぶれる事です。漫画の巻数は進むのに、何の話・誰の話なのか混迷を極める事が何度もありました。多分、自己投影しているキャラに辛い事や汚い事をさせられない人なのでしょう。
自己投影されているキャラはおのずと出番が増え、このキャラは顔はよく出すし、よくしゃべるけど、かえって物語の進行を妨げている気がしてならない・・・というモヤモヤを感じます。
カミヨミで言うと、原作者から自己投影されているらしい帝月は、自分の手を汚さない・頑張らない・辛くならない傍観者なのにチヤホヤされ、肝心の天馬・菊理は登場するたびに大抵酷い目にあっているモヤモヤ。
カミヨミと南国の構図は似ていると思います。主人公に等しかったシンタローは徐々に安全な傍観者になり、脇役だったキンちゃんと、故人であるルーザー様を引っ張り出して全ての原罪を背負わせた展開と重なります。
■南国＆ＰＡＰＵＷＡのブラコンを思うに、自分は星矢のような相思相愛ブラコンを無意識に求めて、やきもきしているのではと思いました。ロストキャンバスの輝炎と翠、アローンの関係を思うとときめきます。サガとカノン、アスプロスとデフテロスの様な兄弟になると、弟の方が不憫ですが。
星矢のようなブラコンが全てじゃないとも思いますが、一輝と瞬、アスガルドのシド・バドみたいな助け合う兄弟の姿はいいと思います。欲得、性、上下関係、しがらみの一切を越えた上にある兄弟関係っていいなと思います。一輝もブラコンですが弟達のために生きる姿がかっこいいです。一輝は自分の生きる理由として弟達を見据えているだけで、自分の欲得は考えないでしょう。
■星矢と南国＆ＰＡＰＵＷＡを比べてどうだと言う気はありませんが、南国＆ＰＡＰＵＷＡに相思相愛の人達が余りに少ないのは残念だと思います。アラシヤマとシンタローとか、一周回って親友だとも言えますが、パッと見アラシヤマの被虐人生図に見えます。
原作者は相思相愛が好きでないのでしょう。チャン５の伊達とエドガーの様な、伊達の誠実さとエドガーの孤独が交わらない悲劇は見ごたえがありますが、片思いが物語として成功するのは稀なのでは。
ルーザー様とマジックも、マジック側からルーザー様を思いやる姿勢があればよかったと思います。あれでは、ルーザー様が汚い尻拭い要員、しかも使い捨てだっただけです。マジックはコタやグンマが辛くても、気にしない人なので、弟一人自殺してもお気楽なものでしょうが。
キンちゃんと高松も、キンちゃんが高松を嫌っていてもいいと思います。ローマのネロ帝の様に、家庭教師をお払い箱にしてもあり得る事でしょう。でも自分が書く（描く）時は可能な限り幸せにします。片思いより、相思相愛の方が好きだからです。
高松がすねやすいのは、ルーザー様とキンちゃんから、愛情を得る可能性があるからでしょう。南国のグンマと高松の間では決して起こり得なかった一幕だと思います。漫画として読みごたえがあるのは南国だと思いますが、キャラが身軽そうなのはＰＡＰＵＷＡだなと思います。 |
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