南国&PAPUWAの主なキャラ達の人間関係は、ドミノ倒しの様に思えます。支え合うのではなく、力が一方向にしか加わらないために倒れる形。全てのドミノが倒れて目茶目茶にならない理由は、今まさに各ドミノが土に着くか着かないかと言う瀬戸際だからでしょう。心が不安定極まりないです。
主なキャラがそうであるだけで、心戦組他脇役達は比較的円満に暮らしている気がします。ウミギシ君、ソネ君、イリエ君達の生活は平和そうだと思います。
■狂言回しについて考えていました。
荷風の作品だと、語る荷風自身は傍観者で、劇中の荷風に似た人物も立ち回りをする事は少ない気がします。漱石の作品でも、門の宗助は友人の妻と結ばれるという事をやらかした割に、大人しい男の様に描かれています。三四郎の与次郎は行動的ですが、与次郎のドタバタが世間知らずな三四郎に行動を起こさせるので、狂言回しの様なものかもしれません。
谷崎の場合、細雪の妙子がそうかもしれません。主役は雪子であり、幸子ですら雪子のサポート役です。酷い目に遭い続ける妙子が主役でないのが理不尽ですが、妙子をあれだけ苦しめても、彼女を雪子の輝かせるネタにしかしない谷崎が怖いです。
谷崎の卍の綿貫も狂言回しでしょうか。綿貫は光子の情人として登場し、モテるイケメンとして物語の舵を取るのかと言えばそうでなく。普通の夫婦だった園子達をさらなる混迷に落とすきっかけでした。狂言回し、少し違いますが賑やかしにあたる人物とは、何回顔を出しても、主役にあらずというのを谷崎の小説を読むと感じます。
リキッドは狂言回しなのだろうかと考えましたが、明らかに物語に食い込んでいるので、違うようです。シンタロー、コタ、マジック、グンマ、それぞれの物語のつむぎ合いが自分は見たかったです。
■南国&PAPUWAだと、PAPUWAのキムラが狂言回しなのかもしれません。でも原作者が、描きたいことを描く方なので、変態にからまれるリキッドが描きたかっただけで、キムラの本当の役目は分からず仕舞いでした。過度なギャグや過剰な表現が、いつか話の本筋につむがれるのだろうなんて、思ってはならない作品の様です。
単純に。 イサミさん達心戦組 ■フレンドリーな職場 ■上司に言い返しても左程もめないらしい ■有給があり、賃金も支払われているらしい ■新しい団体なので、やる気のあるフレッシュな空気
マジック(シンタロー着任後も変わらない気がする) ■人命は使い捨て、家族経営なので待遇の差が激しい ■反抗は死、上司は二枚舌 ■医者が変態、団員の体は彼の研究の実験材料 ■勤務体制は恐らく月月火水木金金、時々無給 ■創設から何世紀も経っていて、色々凝り固まっている
(昔の軍隊には補給という考えがなく、余所の土地に攻め込めば、現地の民家に押し入って、食糧や資材を略奪して行動していたので、ある意味マジックのやり方は古典的なのかもしれない。)
ガンマ団関係者の方が、悪役じゃないかなとふと思いました。小さい頃は、シンタローが悪の組織であるガンマ団を倒して最終回になるだろうと思っていましたが、一回倒された方がいい団体だったかもしれません。 |
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