madeingermany

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...... 2015年02月10日 の日記 ......
■ 断腸亭   [ NO. 2015021001-1 ]
サイエンスと恋愛と戦争絵巻を同時進行して、ドクター高松が活躍するアニメってあればどんなだろうと妄想していたら、ナデシコを思い出しました。以下は妄想です。


・機動戦艦ナデシコを昔見てた。当時はテレビ東京で毎日のオタク向けアニメを流していて楽しかった。優秀だけど恋愛脳のユリカが好き。お嬢様なんだなと思う。

・SFやメカの描写と人間ドラマは並び立つと思う。人間同士のドラマと言えばソフトな所で少女漫画系だけれど、学内の描写や、受験絵巻としても読めて面白い。

・南国&PAPUWAの場合。サイエンスファンタジーと、ほぼ男しか目に入らない原作者の価値観は、ある意味ウルトラCで合致する可能性がある。戦争ものが男ばかりになるのは当然ともいえるし、エドガーのブルー=伊達への情熱を生かしながら、チャン5を盛り上げる事は出来たと思う。

・原作者は人間ドラマと物語の疾走感を並行させる事が苦手なのかなと思う。人間の描写を深めようとすると物語が停滞し、物語が進む時は思い入れの少ないキャラから塵芥の様に殺されるか瀕死。(菊理姫、ルーザー様、高松)

・ナデシコはナデシコだけど、アキトとユリカの物語と背景の戦争の物語は合致している。詳細な描写を背景に生き生き動くキャラ達がよかった。キャラがよくて、物語も白熱してくれるなら見ていて安心できる。SFと恋愛を合致させている、自分が知っているアニメってナデシコだった。




■断腸亭日乗を読んでいます。昭和17年まで来ました。戦時のために荷風が脚気になっています。谷崎の細雪でも戦時の描写はありますが少ししかありません。荷風の日乗の場合、社会の動きが即個人的な感慨として記されるので、脚色を感じません。このまま読み進めるのが怖くあります。荷風の感じた恐怖が余さず書いてある事でしょう。

漱石もお金や身分に対し不自由を終始訴えていた人ですが、鏡子さんが耐えてくれたお蔭もあり、後年家族に恵まれたと思います。漱石があんまりだから、鏡子さんに離婚を勧めた人もあったそうですが、鏡子さんはこらえた様です。

谷崎も不幸や悲しみを訴える事が多かった気がしますが、女性運が強いのか家族に恵まれ、ヒット作が続いたので金回りはよかったようです。震災後関西を目指した事も、熱海に疎開していた事も、夢の様な一幕に思えます。



荷風は二度結婚して、二度別れています。資産家で有名人、お洒落で女性に詳しい荷風なら女性運を呼び寄せる事も出来たでしょうが、いわゆる孤独死を選んでいます。優雅で気儘な文人だったのに、戦争の影響が大きかったのか、生来の性格なのか。

荷風にとって家族とはと思いますが、どんな女性も荷風に添い遂げる事は出来なかったと思います。自由を何より優先する荷風は、いれば自分を思ってくれるだろう妻子に対し、自分が払わねばならない様々な事を選ばなかった様です。

何度も、自分には子供がいなくて幸せだと書いている荷風に嘘は無かったと思います。誰かの息子であり、兄である事をかなり前に放棄した荷風には、新しい家族を作る気がなかったようです。

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