■荷風の日乗の千葉時代を少しずつ読んでいます。偏奇館の頃ははどんどん読んでいたのですが、千葉編はゆっくりになりがちです。荷風の死が近づいているせいもありますが、荷風の人生を自分のものの様に読んでいたから、あの有名な孤独死を我が事として受け入れるのが怖いのだと思います。
荷風は入院すれば弟一家が病室に呼び出されたりするだろうから、それが嫌だったのかもしれません。それにしたって自宅で苦しんで亡くなるより、弟一家や他の知人に煩わされる方が嫌だったのでしょうか。荷風の自由と才能と孤独を敬愛する自分は、荷風の別の面との向き合い方を考えあぐねているのかもしれません。
■南国&PAPUWA雑感です。独断と偏見です。
・シンタローが総帥になってから、ガンマ団は感情労働の場になったと思う。マジックの頃は、肉体労働を捧げたり、間が悪いと肉親でも粛清されたりしたが、明らかな不服従を表さない限り「マジック様大好き、貴方が正しい」と思えとまでは命令されていなかったと思う。
・ガンマ団でもマジックについていけない人は多いだろうし、精神衛生的に総帥本体から距離を置いて、仕事に向かえばよかったのだと思う。仕事ってそういうものだし、職場でエモーションまで満たそうと言うのは無理。
・マジック自身も、野望は仕事、愛情はシンタローとキッチリ分けている。仕事が出来れば変態でも出世できるのがマジックのガンマ団だった。そこが好き。竹淵も変態なので、例え二次元でもそういう場に憧れる。
・マジックは心のどこかで、シンタローに実務的な能力や、刺客としての労働、青の一族らしい部分を期待していなかったのではと思う。シンタローを総帥にしたのは、父子関係の確認の様な、自分からの愛の証的なものだったのでは。
・青の一族らしい風貌であるコタやキンちゃんに対し、マジックは嫌悪を示していた。コタの存在はシンタローのために飲み込み、キンちゃんは高松という過保護な男に委ねる事によって、辛うじて受け入れたのかもしれない。
・シンタローの場合、彼が総帥だと、彼への好き嫌いが職場での団員の立場に直結している気がする。補佐官・開発課を身内で同年のキンタロー、グンマでガッチリ固め、マジックも総帥代行出来るし、ハレは気儘、サビは当然の様にニート。シンタローの側には、お気に入りのミヤギ達となれば。
・万が一、「シンちゃん大好き♡」のウェーブに乗りきれなかった団員がいると、その人は困る事になる。普通の会社の社員で、本気で社長と付き合いたいと思う人がどれくらいるのか分からないけど、要は新生ガンマ団はそういう感情労働の場なのだ。対お客様の感情労働なら高松もこなすだろうけど、対総帥の場で、「好き好き」アピールが必須になった。
(新生ガンマ団でも最高峰の団員の1人にアラシヤマがいる。彼の場合、シンタロー総帥から友情というエサをぶら下げられているため、死んでも新総帥に尽くす。マジックだったら仕事さえしてくれれば、普通の団員の好き嫌いまで支配はしなかったと思う。)
・新生ガンマ団自体、マジックがシンタローに与えた遊び場みたいなものだから、自然、集められる人員はシンタロー専用の人になる。シンタローは自分が嫌いな相手に冷たいから、シンタローが好きになれそうな男ばかり、マジックの手でそっと集められる。
・新生ガンマ団の仕事はお仕置きだそうだが、かよわい女の子が月に代わってお仕置きしてくれるならまだしも、いかつい190センチ越えのマッチョに襲われるのである。支配欲、世界征服の野望故の攻撃ならまだ分かるけれど、一方的な価値観を現実のものにするために、傷害致死されるなんて。 |
|