■漱石の明暗について考えていました。未完ですが今までで最長です。今までなら、行人の一郎が眠ったまま起きないとか、こころの先生が入水して帰って来ないとか、ファンタジックなラストが来ます。一郎の問題も、先生の問題もほとんど解決しないままなので、明暗では何らかの解答を漱石は練っていたのではと思います。
それにしても温泉場へ発つまでの津田・延子の暮らしの描写が長い気がします。津田と延子の性格や状況を語るなら、もっと短くていい気がします。淡々と煮え切らない若夫婦の暮らしの話なのかと思いきや、急にというか、いつも通り主人公が旅行に出かける日が来ます。
津田と延子という、今までの漱石にない人達の小説なので、完成していたらどんな作品になったろうと思います。
■振り返ると。自分は南国後半のカオスも、PAPUWAの混沌も好きなのだと思います。キャラ厨なだけかもしれませんが、南国高松なんて、あそこまで追い詰められなければ、一生誰かの前で泣いたりしないでしょう。高松は普段周囲に見せている感情はあるにせよ、ショーウィンドウみたいなものかなと思います。
自分は少々の事になら耐えられても、キンちゃんが辛くなるなら話は別です。一番好きな人の子供が寂しくて泣いているなら、自分も一緒に泣いて、血縁や仲間になってくれそうな人の所へ、その子を連れて行くのが高松なのかなと思います。
PAPUWAでも、キンちゃんと高松の延長戦を勝手にイメージしています。順調に巣立つキンちゃんと、何故か自分も巣を後にしてどっか行ってしまう高松。怒るキンちゃん。
■マジックとシンタローについて考えていました。根拠も秩序も足らない雑感ですが、書いてみます。
・マジックのシンタロー愛がクローズアップされがちなマジックとシンタローだけど、シンタローもマジックが大好きだと思う。恋愛傾向ではなくて、パパ大好きな感じで。マジックは宙に浮いた存在であるシンタローの、長い間の唯一の家族であったろうし、表面上は色々あっても、マジックの愛が揺らいだ事は無いと思う。
・シンタローは自分の声がマジックに届くと思っているのだと思う。マジックが恐らく自分やコタローより大事にしていそうな青い秘石を取って逃げたのも、秘石にマジックが捕らわれているから、家族間がぎこちないのであって、秘石さえなければ、マジックの目が覚めるとシンタローは思ったのかもしれない。
・マジック自身に根深い問題があるのではとか、父親の性格はもう変えられないとか、シンタローは思わなかったのだろうか。多分、南国後までシンタローはマジックを素直に愛していると思う。パパ大好き。
・何でシンタローが次期総帥なのだろうと、幼少の頃に、コミックス最終巻でマジックと同じ服を着たシンタローを見て思った。ガンマ団は悪の組織だから、主人公のシンタローがガンマ団を潰すのではと勝手に思っていた。
そういうアニメも漫画もあると思うけど、ガンマ団は存続したし、戦いたいという理由で故郷を離れた青の一族の経営意識というか、蓄財センスは優れていたらしく、多分会社名義の資産も膨大で、一族名義の資産も普通の国家以上なんだろうなと思う。
・シンタローはマジックの後を継いだ。権力欲や、見栄でシンタローがトップに立とうとしないとなれば、やはり、秘石を奪って逃げた時の様に、家族から父を奪うもの、今回は仕事をマジックから自分が引き受ける気持ちだったのかなと思う。
仕事は自分がするから、マジックにはコタローやグンマに父親らしい事をしてあげて欲しいと、シンタローは思ったのかもしれない。そう思うと、PAPUWAのシンタローの上役らしからない仕事ぶりに納得がいく。
シンタローの気持ちが分からないマジックではではないし、グンマもシンタローの気持ちが有難いと思う。ただし、マジックの気持ちがどこへ向かうかはよく分からないと思う。高松がコタローを診察していても、マジックは意識が上の空かもしれないし、グンマが同じ屋根の下にいても、心は遠征中のシンタローにあるかもしれない。
シンタローの取った選択肢は普通の状態なら十分効き目があるだろうし、正解だと思う。ただし、マジックに効くのかと思うと少し不安になる。 |
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