■直子姫の世界を思うに。明日宝くじが当たっても、あの世界の住人にはなれそうにないです。「テストの点がよかったらお父さんにルビーの指輪を買ってもらう」という女子中学生がいる世界です。宝石好きの姫らしいと言うか、欲しがるものの値段が分かりません。
THEチェリープロジェクトも、よく考えると金のかかるウィンタースポーツのお話です。劇中では自宅にスケートリンクのある青年も出てきます。生まれが違うとはこのことで、唯一美奈子は庶民派と言う事になっていますが、港区に住み、母親は専業主婦、趣味がアイドルのおっかけの彼女のお小遣いはいくらなのか。
というか、金高でしか想像できないあたりで、自分は直子姫の世界の住人ではないでしょう。大人になってお金を稼げる様になったら、あんな素敵な暮らしするんだと思っていた自分は子供でした。
高松は高名な医者になろうとも、周囲が金を湯水のように使う男ばかりでも、自分の老後のために貯蓄していたのかと思うと泣けて来て、彼がもっと好きになります。キンちゃんはよく分からないなりにも、お金の有難味の分かる子になったのかもしれません。自分の所持金の管理の出来ない人に、組織の経費の管理は出来ませんとか、叩き込まれたでしょう。
■ユリ熊嵐を見ていて。あの少女達の内面は少女ではなくて、書いている監督なのかなと思いました。少女らしい潔癖さ、一途さと見せかけて、監督の意思が形になっているのかなと。女の子ならしないのではと思う事を、彼女達はしている気がしたので。
ウテナの時は、例えば若葉が根室教授のためにウテナに剣を向けた時。ウテナやアンシーが西園寺に近づくのを嫌悪している若葉の心情に共感出来ます。こうでありたい自分でない自分への苛立ちと言うか。コアな話の様でいて、いつの間にか共通項に向き合っている様な。
ピングドラム以降、エッジと思想性が加速していて。物語を読み解く方にエネルギーを使うせいか、すごいアニメを見たという満足感は強くとも「私の話」ではない気がします。
近日、3話以降を見る予定です。ピングドラムでも重要な役に喜久子さんが出ていたので、今作も喜久子さんは重要な役なのかなと思います。
可愛らしい少女が人食い熊だったり、優美な少女がライフルをぶっ放したり、初っ端から飛ばしているなと思いました。他のアニメでもあり得る設定だとしても、ごく短い話数で監督のしたい事を詰め込んだ感じがします。ウテナ放映時のアニメージュでの監督と榎戸さんの対談の通り、監督は今でも同じ事を考えているんだと思いました。
監督の考えている事がアニメになり、アニメに少女達が息づいているのだから、少女達は監督と非常に近い存在なのかもしれません。可愛い、弱そうな姿かたちだけが彼女達の全てではないのでしょう。セーラームーン、ウテナの時は、直子姫の世界、さいとう先生の少女漫画らしい価値観が多量に注がれていたので、ここまでハードにはなっていなかったと思います。
■東北本線に乗りたいです。調べたらとんでもなく長く、高崎線は最初から最後まで乗っても数時間ですが、東北本線なら昼夜乗る事になります。乗れなくはない、カシオペアもあるし、途中で新幹線にも乗れると思いましたが、カシオペアは高根の花、東北新幹線なら仙台までは乗ったと、鈍行にこだわりたくあります。
鈍行にこだわるのなら、ムーンライトえちごが走っている時に飛び乗ればよかったと思いました。かつて時刻表を眺めた時、なんで新幹線があるのに夜行もあるのかと思ったものですが、今になると「乗れ」の一言です。細雪を読んでいると、東京から大阪まで夜行で帰ったとかよくあります。 |
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