■夏コミで書こう(描こう)と思っていた本編部分を、先日書き終えました。4月頃から書いていたので、突発的な内容ではないと思いますが、自分向けな内容だなと思う部分もあります。週末にノンブルなど付けて、近日の入稿に控えようと思います。50項前後、価格は200円の予定です。
まだ表紙は描いていません。ありきたりですが花が描きたいです。ルーザー様に父の日の花のバラ、高松に同じ理由でカーネーション、キンちゃんには多分ヒマワリでしょうか。ユリも好きなので出したいなと思います。星矢を描いていた頃は、聖衣を描くのに疲れると花ばかり描いていました。
タイトルもまだ考えていません。一昨年の夏の本が「お医者と紳士の本」、去年の夏コミの本が「ルーザーさんち」なので、同じようなタイトルが思い浮かぶのかなと思います。変わり映えしませんが、活動でしたい事が一個なら、思う浮かぶ文言も大差ないものかもしれません。
父の日っぽく、ルーザー様のお誕生日っぽくと考えていた本ですが、素直にお祝いに参加出来なくてすねる高松の方が目立つ本になりました。父親になり切れていないルーザー様への不満もあると思いますが、「ルーザー様が何よりも大切にしているのは3人の兄弟である」と言う命題が頭から離れない高松も悪いのかもしれません。その命題は嘘じゃないと思いますが。
■とうとう今読んでいる細雪も、橋寺との見合いまで来ました。橋寺の後は、本懐の御牧氏との見合いでお開きになるので、最高の緊張の一瞬は橋寺との見合いにあります。
奥ゆかしい美女雪子、明るいモダーンガールの妙子とう図式は何回か目の崩壊を、橋寺の見合いで迎えます。か弱いはずの雪子は、橋寺という未知の異性をかたくなに拒み、むしろ妙子の方が見合いと言う蒔岡家の晴れ舞台で必要とされる瞬間があります。
この辺から、谷崎は雪子礼賛のために細雪を書いたのではない、妙子も重要な役者だったのだという事が言えるのではと思います。
出来過ぎた御牧の設定は、谷崎の本当の義妹の夫のものに近いらしいので、盛り過ぎ、という訳ではない様です。板倉のモデルも、奥畑のモデルもそれぞれある様なので、橋寺のモデルもいたのかもしれません。上巻からずっと出ている櫛田先生のモデルはいて、ハキハキした先生だった様です。
谷崎と医師言えば、瘋癲老人日記ですが、あれもほとんど本当らしいです。本当の事らしい事件を面白くまとめる谷崎がすごいのか、小説みたいな生活を送る谷崎がすごいのか。自分はあまり作家の裏側みたいなのは探索したくないので、細雪の世界に没頭したいです。
作品世界を思浮かべながら、現在の熱海に足を運んだりするのは好きですが、谷崎の人生自体、彼が望んだようなお芝居的な流れになったのかもしれません。台所太平記の中で鹿児島が何回か出てきます。
谷崎は関東、都内生まれですが、若い頃触れた群馬ではいい思い出がないでしょうし、横浜のハイカラさには別れを告げ、熱海、京都、岡山、湯河原と転々としています。戦争のせいもありますが、晩年に九州、しかも最南の鹿児島に思いを馳せるとは、谷崎は貪欲なのか都内が好きでないのか。 |
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