madeingermany

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...... 2015年07月04日 の日記 ......
■ 高慢と偏見   [ NO. 2015070401-1 ]
■明日、擬人化王国10に行って来ます。ミラクル☆トレインの既刊、新宿ブラザーズ本を持って行きます。

西1ホール エ4b  madeingermany

よろしくお願いします。


■これから、夏コミの新刊原稿にノンブルをつけます。最初に本を組み立てる時に自明になっていそうなものですが、自分は原稿が全部書けて(描けて)から決める事が多いです。大体の場合は、学生ルザ高、パラレルルザ高&キンタロー坊ちゃん、南国キン高、PAPUWAキン高の順で、時系列にしているつもりです。

今回気に入っているのは、すっかり大人になり、夫人も娘もいるグンマと、老いた高松の小説です。南国の件で高松はグンマを避ける様になったかもしれませんが、高松の最期をみとるのはグンマなのかもしれません。

キンちゃんは、しっかり者で真面目であっても、多忙故にと言うか、「高松が死ぬ」という事を想像出来ないと思います。高松はいつまでも強く優しいものだと思うから。グンマは本当の高松の姿、嘘つきで冷酷で、強欲でわがままである姿を知っていそうです。おまけに黙っているけど煙草と過労で体を痛めている事も。




■先日から身分について考えていました。学部時代に中国古代が一応専門だったので、そういえば身分の差が当然な世界に身を浸していました。あくまでそういう世界が過去あったというだけで、細雪の幸子の冷たさに今更ながら驚きますが。

今の英国について詳しくないのですが、オースティンの頃は階級社会そのものでした。交際も結婚も同じ程度の階級の相手としかしない、そんな感じです。かえって平穏の様に見えてそうでないのは、階級の壁を壊そうとする人もあるからです。

エマはエルトン牧師から求愛されて怒っています。牧師と言えばちょっとした階級ですが、地元で最高の地位にいるエマには侮辱にあたります。細雪の幸子が、妹の妙子の恋人達に不快感を抱くのも同じ理由でしょう。



エマの場合、同等の身分であるナイトリーとの結婚を持ってハッピーエンドですが、高慢と偏見は格差婚です。ベネット家だって、やり方によってはもっと裕福で幸せそうになるはずですが、ベネット氏の気力の無さと、5人の娘の化粧代で破産寸前です。

破産と言えば言い過ぎですが、リディアの駆け落ち相手が要求する持参金が用意できません。駆け落ち時代穏やかでないし、結婚に至らないでリディアが男に捨てられれば、ベネット家の評判は地に落ちます。

長女ジェーンの幸せも、エリザベスの幸せも、みんなお金持ちで身分の高いダーシーがいないと成り立ちません。ダーシーがエリザベスに恋をしたあたりで、「ダーシーのお金と影響力で皆幸せになる」エンドは予想されるとしても、面倒くさいベネット家と関わる事を受け入れたダーシーの恋は本物だったのでしょう。

オースティンの小説では珍しく、自身の才覚と美貌でシンデレラになった女性がエリザベスです。高松も頭よくて知性もあって、容貌も悪くないのだから、エリザベスになれるのに。ダーシーは「エリザベスと結ばれるためには、面倒くさいベネット一家ごと受けれねばならない」と覚悟していますが、ルーザー様はそういう考えには及ばないでしょう。

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